Another world currency

haya

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「・・・きな!」

「う、うーん・・・」

「こら!起きな!!」

「うぁぁ!!」


耳元で大きな声を出されてビックリして起きたら、放棄を持った恰幅の良いおばさんが睨んでコチラを見ていた。


「やっと起きたかい・・・アンタ、人の家の裏で寝ているなんてどういうつもりだい? 掃除の邪魔だよ!」

「す、すみません! いつの間にか寝てしまってしまいました!」


 俺は仕事のクセで勢いよく頭を下げる。


「はぁ・・・まぁ最初は行き倒れかと思ったから生きてて良かったよ。ここで死なれてたら営業妨害もんだよ。」

「それはスミマセンでした。商売をやられてるんですか?」

「ん?何だいウチを知らないのかい?確かに見ない顔だね・・・服装も変だし・・・」

 そういえばコンビニに行くだけだったから上下がスウェットなんだっけか。何の因果か、異世界に行ってしまったが・・・


「まぁ、いいや。ウチはね宿屋をしているんだよ。今は人手不足で忙しいのさ。だから起きたのならさっさと行っとくれ!」

「はい! お忙しい所をスミマセンでした。 それと1つ伺いたいのですが冒険者ギルドは何処でしょうか?」

「何だい。冒険者ギルドに行きたいのかい。それならあそこに見える大きな建物がそうだよ。」

 おばあちゃんが指差した場所はこの路地裏からでも見える大きな建物だった。
 兵士に言われて適当に歩いて来たけど思ったより近くまで来ていたんだな。


「ありがとうございました。お仕事頑張って下さい。」

「アンタに言われなくても頑張るさ。さっさとおいき。」


 俺はおばさんにお礼を行って路地裏を後にする。メインストリートと思われる道は全てが石畳でできていた。町の至るところにある建物は石壁で出来ていて改めて日本じゃないんだなぁと思い知らされる。


「とりあえず生きる為に稼がないとだなぁ・・・」


 現在、俺の手持ちは銅貨1枚だけ。物価は分からないが、パンも買えないみたいだ。魔法でお金を出せるが、銅貨が更に増えたところでなぁ・・・


「そういえば、自分でもステータスが確認できるって大臣が言ってたな。一度試してみるか。」


 しかし、見方が分からない俺は自分のステータスを見たいと考えていたら自分の目の前に仮想ウィンドウみたいなのが現れた。


「ホントにゲームみたいな世界だな・・・」


 変な世界だと思いつつ俺は改めて自分のステータスを確認する。


ユウジ アスノ

状態:欠魂
職業:恋金術士
レベル:1
HP:90/90
MP:15/15
STR:90
VIT:80
AGI:90
MAG:60

恋金魔法
貨幣創造1

スキル
算術2 家事2 異世界言語


「あれ?MPが増えてる。昨日は13だったような・・・ もしかして魔法をつかったからかな? レベルが上がらなくても筋トレしたら筋肉が増えるようにステータスも上がるのかもしれないなぁ。」

 
 これは朗報かもしれない。このままMPが増えていけば、いずれ働かなくて済むかもしれないな。その前に餓死してしまうが・・・


「あれ? 何か項目毎にゲームとかで見るヘルプマークみたいなのがある。」

 
 俺は押してみようと思い、欠魂の表示がある場所のヘルプマークを押してみた。


【欠魂】・・・魂が欠けてる、または分離している状態。


 うん、全然分かんないな。もうちょっと詳しく教えて欲しかった・・・主にデメリットとか・・・やはり鑑定とかで調べないとダメなのかな・・・


「あ、職業も押せそうだな。」


 俺は職業の場所にあるヘルプマークを押してみた。


【恋金術士】・・・お金に恋している者。恋はやがて愛になるだろう。


 いやいや、皆お金好きでしょう!?なんで俺だけ恋金術士とかいう変なのなんだ・・・どうせなら賢者とかが良かったよ。


「あれ?魔法も説明が見れそうだな。まぁ、期待しないで見てみるか・・・」


どうせ大した説明じゃないんだろうなと思い、期待しないで魔法のヘルプマークを押してみる。


【貨幣創造】・・・この世界の理を持つ貨幣をレベル×1枚生み出す。レベル10で無制限。消費MPは貨幣により変わる。


「やっと、ソレっぽいのが出たな・・・この世界の理を持つ貨幣って事がよく分からないなぁ。俗に言うオリハルコンみたいなのがあったとしても理が無ければ貨幣に出来ないって事かな?少なくても銅・鉄・銀・金・白金は貨幣があるから造れるのは確実だな。」


  何にも無いよりかはマシな情報を手に入れながら歩いていたら、いつの間にか冒険者ギルドと言われていた大きな建物に到着していた。


「ここが冒険者ギルドかー。近くで見ると小さい城みたいだな。それじゃあ、お仕事探しますか!」


 俺は両手で軽く自分の頬を叩いて気合いを入れ、木製の扉を開けて中に入った。
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