BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第74話 引退か残るか

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メンバープロフィール(女子)

平山 美沙子

星垓高等学校3年
155㎝?kg←女子なので体重は省略

誕生日 :6/21

血液型 :B

バストサイズ: :D

特徴:ボブカットが特徴のマネージャー。イギリス系アメリカ人の血が入ったクォーターだが目がやや青みがかってるくらいで顔立ちは完璧日本人。人生の半分アメリカに住んでいて、日本語も英語も両方耳にして育ったので日本語も英語も流暢に話せる。が、日本語の方がどちらかと言うと苦手らしい。

特技 :暗記

趣味 :アメリカのアニメ視聴

得意教科 :英語

苦手教科 :古典

バスケを始めたきっかけ :当時の3年の先輩に誘われてマネージャーに

好きな男性のタイプ:金髪のイケメン

密かな悩み :マネージャーを続けることに親が難色を示している


ーーーーーーーーーー



涼真「ちわーっす」


「うーす」



決勝リーグの2試合を週末に控えた水曜日
この日も星垓バスケ部は練習に励む。


月曜は練習休み、火曜水曜で全体練習&居残りでの個人練習に熱が入っている。


試合前ということもあって疲れを残さないために木曜と金曜は居残り禁止となっているため、この日が本格的な練習の最後となる。


星垓の練習の特徴は「とにかく足を動かす」ことにある。

フットワークでの足腰の鍛錬、スリーメンなどの走るメニューがかなり多く、それに費やす時間、密度はかなりのものであり、故にかなりきつい。


新城「しっかり周り見ろ!」


髙木「集中!」



選手同士で声をかけあう。


全国のかかった試合を週末に控えていることもあり士気も高い。


唐沢「……」


唐沢は基本、練習を見ている事が多い。
だが、状況判断やその他技術的なアドバイスもしている。



-練習後



ここからは居残りで各自個人練習となる。


多く練習すればいいという訳ではないし強制でもないが、必然、レギュラーほどその量も多く質も高い。


新城「そろそろあがるか…」


周りを見ると、自主練習で汗を流すチームメイト達。



例えば髙木はインサイドではかなりの技術を持っているが攻守共にミドルレンジでのプレイを練習している。
練習相手は1年生のまさるだ。


神崎は練習後、パワーフォワードとしてあたり負けないために筋トレに行っている。
器用な選手ではあるが、全国の相手に負けないためのトレーニングだ。
関東予選が終わってからずっと続けていることだ。


新城「……」
(夏が終わったら引退か冬まで続けるか、3年はその選択を迫られる…このメンバーで少しでも長くバスケしていたい)



夜も7時をとっくに回った頃、当直の先生がまわってきて全員練習を終え引きあげる。



慎太郎「今日もきつかったぁ…」


宗平「入学して2ヶ月経つけどまだ終わりには足ガクガクしてる」


政史「平気そうなのもいるけどな」


涼真は黙々と着替えている。
涼真もだが2、3年はわりと平気そうな雰囲気だ。


そこに3年がやってくる。


矢島「俺たちだって1年の最初のうちはヘロヘロになってたさ。すぐに慣れるよ」

中澤「そういうこと。練習は嘘をつかないって信じて自分のスキルを高める事が大事だ」


1年生「はい!」




帰りはまたしてもいつものメンバー。



春香「部活帰りはほんと夏でも真っ暗になっちゃうね」

満月「もう8時近いもんね」


女バスとは練習で使っているコートがお隣さんなため、居残り練習後も一緒に帰ることになる。


武蔵「明日から調整で練習軽めになるけど、身体なまったりしないかな」

涼真「本番に筋肉痛で動けない事の方が問題だろ。それに普段ちゃんと練習してれば身体は自然と動くもんだ」

慎太郎「土、日って2日で2戦だもんな、そりゃ少しでも疲れてない方がいいさ」

美保「中山くんは練習中も『上手に』サボってるもんね」

慎太郎「げっ…なんでそんなん知ってるの…?ストーカー?」

美保「…ひっぱたくよ?」

満月「てかサボってることは否定しないのね…」


涼真&武蔵「「知ってる」」←小学校からチームメイト


慎太郎「いやいや俺はさ、メリハリのあるサボり方してるからいいの!手抜いちゃいけないとこは抜いてないし」


美保「サボり方にメリハリも何もあったんだ…」

慎太郎「涼真みたいに何事も手を抜かないとかって神経使うし疲れるじゃん?だから俺のは必要かつ適度なサボりなわけ」


涼真「ま、昔からだしな」
涼真はニヤリとする。

慎太郎「涼真はそのかわり、ここ1番でシビアなパス要求してくるから」

涼真「普段サボってる分そういう時は働いてもらわねーとな」


春香「ま、上手くいってるならいんじゃない?」


そんなこんなで帰り道の間も夜は更けていく。




少し時計を進め、金曜日(試合前日)



練習が終わり、全員でのミーティング。

そのミーティングの最後。


髙木「1年は知らないだろうけど、毎年インターハイ予選、ウィンターカップ予選の全国が決まる前の最後の練習でやる恒例の行事があるんだ。
といっても、キャプテンが毎年仕切って気持ちを引き締めた後、全員で掛け声するだけだけどな」


慎太郎「そんなのがあるんすか」


中澤「とりあえず『うす!』って相づちうっとけばいい。言うセリフはキャプテンが毎年考えてるんだけどな」


そして、マネージャーも含む全員が円陣を組み、新城が語り出す。



新城「お前らいいか、全国に出られなかったら、その時点で俺たちの夏は終わりだ」

一同「うす!」


新城「その前に小宮山、そしてマネージャーの平山から言っとく事がある」


一同「うす!」


小宮山「どうやら俺の怪我はウィンターカップ本戦にギリギリ間に合うかぐらいらしい。
だから、もし明日明後日で全国に出られなかったら」


一同「……」

一同、固唾を飲んで次の言葉を待つ。



小宮山「俺は引退するよ」


一同「……!」


小宮山「バスケ続けろよって言ってもらったけど、親からはいろいろ言われててな。
だから全国に出れなかったら引退するって親にも、先生にも伝えた」


平山「私も同じ理由です」


一同「…!」


平山「だけど私はまだこのチームに貢献したいし、みんなのプレイを見ていたい。
だから明日と明後日勝って、全国に連れてってください!」



新城「いいかお前ら!このメンバーでまだバスケしたかったら勝つしかねえぞ!
試合に出る奴もそうでないやつも一体となってチームに貢献する事を考えろ!」


一同「うす!」


新城「星垓!ファイ」
一同「おおっ!!!」




かくして、結団式(?)のようなものは終わった。





帰り道はまたもいつもの6人。


満月「そうだったんだ、小宮山先輩と平山先輩が」


美保「同じマネージャーの私たちも何も知らなかったからびっくりだよ」


慎太郎「でも全国に出れなかったら引退、って余程の覚悟があって言った言葉なんだろうな…」


武蔵「負けられない理由、1つ追加だな」

春香「私をマネージャーに誘ってくれたのは平山先輩だから余計に悲しいよ…」


涼真「明日と明後日は、試合に出れない先輩、マネージャーとして常に裏から支えてくれた先輩、そして先生達や親、そんな人たちの為にも勝って全国に行かねえとな」



そして翌日。




記者席で村上がこの日の試合日程を確認している。


第1試合(女子)10:30~
平塚学院 - 星垓

第2試合(男子)13:00~
東裁大相模 - 星垓

第3試合(女子)15:30~
金沢女子学院 - 旭山

第4試合(男子)17:00~
湘洋大付属 - 桐神学園


村上「女子は2試合とも、1日目に白星を挙げたチームと黒星のチームという組み合わせか…
下馬評通りにいくと最終日の星垓vs金沢女子学院と旭山vs平塚学院は全勝同士、全敗同士の対決になりそうだ」


山下「男子も同じですよね、白星チーム対黒星のチーム」

村上「うむ。だが湘洋大付属が頭一つ抜け、桐神学園がそれを追い、星垓、相模がその2校に必死に食い下がっていた昨年とは違う。今年は湘洋大付属が抜けてはいるものの実力的な差は4校ともほとんどない。女子との違いはそこだな」


そしてまもなく第1試合の女子の試合、そして第2試合に星垓vs東裁大相模の試合が始まる。



To be continued…
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