BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第4章 集大成・ウィンターカップ

第264話 どうする洛阪

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チーム メンバープロフィール

上杉うえすぎ 裕幸ひろゆき

博多第一高校1年
195㎝82kg

誕生日:9/29

血液型:A

特徴:坊主頭に細身のヒョロっとした体格。見た目通りパワーでは苦戦するが長いウイングスパンと足に加え、ガードを務められる程の技術スキルとスピードを兼ね備える。得にオフェンス力は圧巻で何処からでも得点でき、まだ1年生とはいえ高校通算のシュート成功率が50-40-90を超える等得点に関しては付け入る隙がない。ディフェンス面もパワーで押し込まれる部分はあるものの、長い手を生かしたスティールやブロック等で貢献する。
名門・東福岡中出身でありエースとして全中ベスト4に大きく貢献した。

特技:バスケ

趣味:バスケ

得意教科:英語、現代文

苦手教科:特になし

得意なプレイ:オフェンス全般

バスケを始めたきっかけ:3歳で親の影響で

密かな悩み:ベンチプレスとか筋トレになると途端にチーム最弱になるのをからかわれる



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第1Q 残り9:58

洛阪        0
舟栄        0





洛阪

4 塚森 隼人     3年 182㎝
11 笹本 渉      2年 181㎝
5 高松 晃良     3年 193㎝
6 田村 大和     3年 196㎝
8 大谷 宗輔     3年 203㎝



舟栄

6 近藤 太一     3年 180㎝
4 岩倉 翔大     3年 187㎝
11 本庄 智洋     2年 191㎝
7 霧谷 昭哉     3年 196㎝
5 永島 隼人     3年 199㎝










準々決勝最後の試合という事もあり、ベスト4入りを決めたチーム、既に敗退したチーム、そして観客席のバスケファン全てがこの試合に注目している。


観客席で観戦しているだけでも、この試合の勝者と次に対戦する事になる博多第一に加え、愛和工業大附属、豊誠学園、紅泉、柴田、北陵のメンバーが揃う。



※星垓のメンバーはスカウティングの為に一足先に戻った為不在








筒井「舟栄はマンツーマンでスタートか。フォワードの位置のマッチアップが通常と逆...まあ確かに高松をディフェンスできんのは霧谷しかいねえかもな」






三上「スピードを活かしたパス&ランなら洛阪が上、フィジカルを活かした重い展開なら舟栄が上、って感じはするけど」






伊達「堂林さんはどう思います?」






堂林「...まあ普通に考えれば洛阪が勝ち上がるってのが大方の予想だろうな。戦力的には舟栄は洛阪に劣っちゃいねえ。けど洛阪の強みは高松はじめ、主力が全国上位での勝ち方を知り尽くしてる事だな。どっちも修羅場くぐってきてるチームだが...その経験の数で洛阪は日本一だからな」






伊達「なるほど...」






堂林「舟栄に勝つ望みがあるとすれば...逆境から這い上がってきた者が持つ勝利への執念が洛阪の気迫を上回る事ができたら...って感じかな」













塚森「1本!」





コートでは、ボールをキープする塚森が指を立てサインを出す。









ビッ!









次の瞬間、左ハイポストの大谷にパス。









ダッ!










塚森、その大谷に向かいダッシュ。










近藤(シザースか!)









近藤も懸命に追う。









だが、塚森はそのままボールを受けず逆サイドに切れていく。









ガシィッ!








そのまま右コーナー、笹本にスクリーン。








笹本、これを利用してインサイドに切れ込む。









岩倉「入れさせん!」







笹本のマークをする岩倉がファイトオーバーし、パスコースに入る。








笹本、そのまま逆サイドへ。









同時に右ハイポストにいた田村が、塚森にダウンスクリーン。










これを使い塚森、再びトップ付近でボールを受ける。








近藤のディフェンスは遅れている。








永島「まずい!」







永島もカバーに出ようとする。










ビッ!!









塚森、シュートではなく左ローポストに矢のようなパス。










そこには、逆サイドに切れ込んだ笹本のスクリーンを使いオープンになった高松。









高松「ナイスパス!」









高松、ゴールへ跳ぶ。












霧谷「行かせるか!」










霧谷、高松のレイアップをブロックせんと跳ぶ。










クッ...










高松、ボールを下げる。








霧谷のブロックが空を切る。









高松、異様に長い滞空時間から勢いのまま反対のゴール下へ。











バス!!










バックシュートで先制点を決める。











第1Q 残り9:40

洛阪        2
舟栄        0









ドノバン『上手い...!』




カニンガム『技術スキルも滞空時間も見事だ...』





長谷川『あれが、今の日本の高校でNo.1の呼び声高い選手です』




カニンガム『ふむ...』












コートでは舟栄のリスタート。










近藤「1本!」









洛阪のディフェンスはポジション通りのマンツーマン。








だが、それほど外までは出てこない。
半ば外のシュートを捨てたようなマンツーマン。









堂林「まあ、そう来るよな」





筒井「霧谷のペネトレイトからの得点が1番怖いからな。まずはそこを封じていくと」








そして霧谷のところには、ディフェンダーの田村が厳しいマーク。









近藤「ふーん...」
(普段は最初っから相手に対して合わせたディフェンスなんてしてこねえ洛阪が、ウチに対してはやってくるかよ)









ビッ!








近藤、右ウイングの岩倉にパス。








自らは岩倉に向かって走り、再びボールを受ける。









ビッ!








そこからトップへ上がった岩倉へ再びパス。










ダッ!!







近藤、パスすると同時に右コーナーへ走る。







ダッ!







同時に、ローポストにいた永島もコーナーへ向かって走る。









右コーナーには、待ち構えていた本庄。








ガシィッ!








本庄、永島と近藤の2枚のスクリーンを使い高松のマークを外す。







ビッ!






そこに岩倉からドンピシャのパス。









高松(シュータープレー!)










本庄、シュートを構える。








だが、高松が追いついてくる。










ビッ!








本庄、シュートモーションからのパス。









高松「!?」








ボールは、ローポストへ。







霧谷「ナイスパァス!」





そこには、パスした後の岩倉のスクリーンを使い、切れ込んだ霧谷。









ドムッ!!!








霧谷、遅れてディフェンスに来た田村相手に強力なパワードリブル。






田村「うぐっ...!」







田村、上体がのけ反る。











バス!!!









霧谷、すかさずワンハンドジャンパーでゴールを奪う。









舟栄メンバー「「「よーし!!!」」」





第1Q 残り9:22

洛阪        2
舟栄        2









堂林「ありゃ...トライアングルオフェンスか?」






伊達「え?そうなんすか?」







三上「いや、わかんなかったけど...」






筒井「普通のセットプレーかと思ってた...」







堂林「いやセットプレーの1つなのは間違いないんだけどさ、トライアングルもできてたしそこからの動きもそうかな~って
まあ、1プレー見ただけだけど」










中嶋「まずは両チーム、エースが1本ずつ取りましたね」





山下「なにか、この試合を象徴するような入り方な気がしました。超高校級のエースを共に擁する2チーム同士の」





村上「どちらも火がついたら手に負えない選手だからな...どちらのエースがチームをより勢いにのせるのか」










コートでは、洛阪のオフェンス。









塚森「...ん?」









舟栄のディフェンスに変化。








トップにいる塚森には相変わらず近藤がマークについているが







その後ろには霧谷、永島が縦に並んでいる。







両ウイングには岩倉、本庄がディフェンスを構える。
舟栄のフォーメーションは、上から見ると1-3-1のゾーンの形。





塚森「まさか...」







塚森、そのままドリブルでトップから左サイドへ。







舟栄のディフェンスは、これに対しパスコースを切るような動き。








塚森(普通の1-3-1じゃない!マッチアップゾーンだ!)








塚森、すかさずサインを出す。








塚森「3番!」









インターハイ準決勝の星垓戦でも見せた形。
人とボールが止まらず常に動く。









そして、何本目かのパス。










右ウイングで塚森がボールを受ける。










ダム!!








ディフェンスに出てきた岩倉をカウンターで抜く。









ゴール前にはディフェンスがいない。


舟栄のゾーンは、知らず知らずのうちに逆サイドに固められていた。









バッ!









塚森、レイアップに跳ぶ。










だが










突如、そのコース上に近藤が立ち塞がった。









塚森「!?」








ガシィッ!









塚森、止まりきれず近藤と接触。









ピピーッ!!











審判「オフェンスチャージ!白4番塚森!」









舟栄メンバー「「「いよしゃあああ!!!!!」」」








舟栄メンバー、一斉に立ち上がる。










塚森、目の前で倒れている近藤を助け起こす。








塚森「やってくれるじゃねえかよ、完璧に崩したと思ったのに」








近藤「悪いがこっちも負けたくないんでね」









中嶋「途中までは洛阪の思い通りだったように見えましたが...近藤君、ビッグプレーですね」






山下「舟栄はこの後のオフェンスで是非とも決めたいところ...!」









サイドから舟栄のスローイン。









近藤(ここで得点して、主導権を持って来る...!)







ビッ!







近藤、まずは右ウイングから右ローポストの永島にボールを入れる。








大谷(勝負に来るか...?)






ビッ!






永島、すぐにボールを近藤に戻す。








永島はそのまま、右コーナーの本庄にスクリーンをかけにいく。









ビッ!







近藤、受け取るや否やすぐさまパス。






ボールはハイポストに。








霧谷がボールを受け取る。







高松(なるほど...5番永島がスクリーンをかけにいったのはカモフラージュか。本命は...霧谷にハイポストからの1対1のスペースを与えること...!)








ダム!!








霧谷、受け取るや否やドリブル...ではなくバウンズパス。








高松「何?」








ボールは左サイド、広いスペースに走り込んだ岩倉へ。









キュキュッ!






すぐさま笹本がマークに行くものの








ダム!!!








岩倉、笹本へローポストでパワープレー。














堂林「なるほど」
(確かにそこが1番、舟栄が勝っているマッチアップだ)







181㎝77kgの笹本に対し、岩倉は187㎝84kg。
フィジカルでは岩倉が圧倒的に上回る。









ダム!!








笹本「ぐっ...」
笹本の上体がのけ反る。









バス!!!











岩倉、ワンハンドジャンパーでゴールを奪う。








第1Q 残り8:48

洛阪        2
舟栄        4









舟栄メンバー「「「よぉぉーーし!!」」」






近藤「っし!」
(まずは上々の出だし!)









霧谷「戻るぞ!ディフェンス!」









舟栄、自陣で1-3-1の陣形を構える。









大谷がリスタートのボールを入れる。









塚森「なるほど...」







高松「本気で勝つ気らしいな、ウチ洛阪に」
(面白い。そうでなくっちゃな)











塚森「6番!」







ホーンズセットを組んだ洛阪。






塚森のサインから、再び洛阪メンバーが走り始める。









ビッ!










何本目のパスか










左ローポストで大谷がボールを受ける。






周囲に選手はいない。







舟栄の5人は、今度はインサイドで大谷を迎え撃つ永島以外、綺麗に4人とも外に釣りだされていた。









大谷(勝負だ)










ダム!!!






大谷、パワー勝負。背中をぶつける。







キュキュッ!






永島、身体を張ってこれに対抗する。








ダム!!!







大谷、更に身体をぶつける。







キュッ!








しかし、永島は崩れない。
大谷の侵入を許さない。












伊達「うおっ...」
(すんげーぶつかり合い...)









大谷(いや、まだまだ)






背後の永島に目を向け、3度目のパワー勝負を仕掛けようという瞬間











バチッ!








大谷「!?」








手元のボールが弾かれる。








逆サイドから忍び寄った本庄だった。










ボールはコートを転がり











ガシィッ!!









霧谷「うらぁ!」









高松「ぐ...チッ」









ルーズボール争いの末、霧谷が手にする。










霧谷「走れ!」








塚森「戻れ!!」








ボールは、霧谷から近藤へ。









近藤が猛スピードでボールを運ぶ。










キュキュッ!











洛阪メンバー、流石に戻りが早い。








近藤をマークする塚森に加え、5人がきっちり戻ってくる。









霧谷「チッ」
(流石に簡単に速攻はできねえか)










舟栄、いつものトライアングルオフェンスを組み立てようとする。









が、ボールが回るもののチャンスがなかなか巡ってこない。










ビッ!









ボールは幾人かを経由して、右ウイングの近藤へ。







24秒タイマーは残り13秒程。






仕切り直しかと思われた次の瞬間












ビッ!










近藤、スリーポイントシュート。









塚森「なっ...」









マッチアップしていた塚森を含め、全員が虚を突かれたこのシュートが













スパァッッ!!!












舟栄メンバー「「「っしゃあああ!!!!」」」









綺麗にリングに吸い込まれる。











第1Q 残り8:48

洛阪        2
舟栄        7









三上「見事なシュートだったな、警戒も薄かったし」








堂林「さて、舟栄は最高のスタートを切った。洛阪は...どうする?」












……To be continued
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