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第4章 集大成・ウィンターカップ
第263話 ベスト4、最後の椅子
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チーム メンバープロフィール
レオポルト・ファイ
博多第一高校3年
206㎝96kg
誕生日:3/2
血液型:B
特徴:奨学金の話を理由にセネガルからやってきた黒人留学生。心優しく陽気な性格で来日してすぐにチームメイトとも打ち解けた。
典型的な正統派センターで、ローポストやミドルポストからのポストプレー、ランニングプレーからのレイアップなどが主な武器。ディフェンスでも恵まれた身体能力を生かしリバウンドやブロックで躍動する。
バスケ歴は比較的短くまだまだ課題も多いものの、真面目で練習熱心な事もあり日々成長を続けている。
フランス語と英語、日本語(まだ拙いが)の3ヶ国語を話すことができる。
特技:チームメイトのモノマネ(あまり似てない)
趣味:散歩、露天風呂巡り
得意教科:数学、英語
苦手教科:古典、現代文
得意なプレイ:ポストプレー、ブロックショット
バスケを始めたきっかけ:セネガルにいた頃に友達とやってみて
密かな悩み:風呂が好きなのだが、入浴時間がチームで決められていて長時間入れない
-----------------------------
第4Q 残り9:05
星垓 81
紅泉 61
ダム…
紅泉・橋本がボールを運ぶ。
糸織里「うまっち…ここにきて凄いパフォーマンス…」
華音「確かに凄い…んやけど…」
紗妃「なんか…張り詰めた糸のような、鋭いナイフのような…」
春香「なんか…怖い…」
コート中央にて、全体を見渡すような位置にいる涼真。
マッチアップ相手の葛山とは少し距離がある。
橋本(だが、今の北条のディフェンスを前に迂闊な事はできねえ。おそらくゾーンに入ってる上に今までセーブしてた物を解き放ってきてやがる…)
ダム!!
橋本、ドライブを選択。
キュッ!
中まで切り込まず、ミドルレンジでストップし、プルアップでジャンプシュート。
慎太郎も懸命についていったが、如何せん身長差もありシュートに対し手を伸ばすのが精一杯だった。
スパァッ!
第4Q 残り8:47
星垓 81
紅泉 63
紅泉、どうにか第4Qの初得点。
橋本「よし!ディフェ…」
ダム!!!
シュートを決めた橋本が戻る中、星垓は素早くリスタート。
ボールを受けた涼真が電光石火のスピードでボールを運んでいく。
他の星垓メンバーもそれに続き猛スピードで走る。
だが今回は、紅泉の他のメンバーもディフェンスに戻っている。
ダム!!!
涼真、構わずトップから高速ドライブ。
ゴール前には雨宮、葛山、柳澤と3人のディフェンス。
葛山(1対3でも突っ込んでくるつもりか…!)
雨宮(舐めやがって…!)
柳澤(止めてやる…!)
だが…
葛山「!?」
突っ込んできた涼真、既にボールを持っていない。
雨宮「な…!?」
柳澤「何処に…?」
ビッ!!
涼真の後方、スリーポイントラインから真田がシュートを放つ。
スパァッッ!!!!
第4Q 残り8:39
星垓 84
紅泉 63
星垓メンバー「「「きたぁぁぁ!!!!」」」
「うわああああ!?ここでシューター・真田のスリー!!」
「紅泉が決めて、ここからという時に!これはデカい!」
「いやその前!いつパスしたんだ!?」
真田「なんだ…?今のは…?」
(ノーマークだったし思わず思いっきり打っちまったが…)
髙木「見えなかった…」
新城「とんでもねえな…」
(つくづく味方でよかったぜ…)
-星垓ベンチ-
唐沢「これは…」
中澤(…見えた?今の)
矢島(いや、全然…)
-観客席でも-
春香「え?なになに?」
美保「一体何が…?」
紗妃「魔法…?」
小春「まさかそんな…でも…」
佳奈絵「凄いねえ…もぐもぐ」
華音「…」
(あ、ここにもいたわ、魔法使い)
満月「……」
筒井「なんだありゃ…コート外から見てんのに全然見えなかったぞ?」
三上「気づいたら真田がシュートを打っていたというか…」
伊達「見えないパス…」
堂林「ははっ、ありゃすげえな」
(おそらく俺も、多分高松も真似できねえぜ、あんなの)
この試合を見ていた大半の者はおろか、シュートを決めた真田ですらもいつ、どのようにパスをしたか理解が追いついていない。
慎太郎「ははっ、やるじゃん」
(俺もレパートリーに加えようかな)
またしても場内が騒然とする中、紅泉のリスタート。
バチッ!!
葛山「あっ…!?」
橋本「何…!?」
スローインのボールが橋本に渡ろうという時、手が伸びてきた。
慎太郎「ご馳走様!」
ゴール下、慎太郎がこのボールを奪う。
橋本「くっ…!」
(またこいつか!)
橋本と葛山が直ぐにディフェンス。
慎太郎「おっと」
(怖い怖い、パス出して俺は逃げますよっと)
ビッ!
慎太郎、その場でボールを投げ上げ、ゴール下から避難する。
橋本「何!?」
葛山「ボールは…?」
その空中に舞うボールに、猛スピードで飛び込んでくる白のユニフォーム。
涼真「ドンピシャだぜ!慎太郎!」
涼真、空中でこのボールをキャッチ。
雨宮「させるか…!」
近くにいた雨宮、涼真のジャンプに合わせて跳びシュートを片手でブロックせんとする。
ガシィッ!!
両者、空中で接触。
涼真「フン!!!!」
涼真、接触にも構わずボールを両手で保持し
ドッガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!
強烈なボースハンドダンクをアリウープで叩き込む。
ピピーッ!!!
審判が笛を鳴らす。
雨宮「ぐおっ!」
雨宮、着地に失敗しフロアに転がる。
涼真、リングに両手でぶら下がりながら審判の方を見る。
審判の手は、雨宮を指していた。
審判「ファウル!黒5番!カウントワンスロー!」
星垓メンバー「「「いよぉーしゃああぁぁ!!!!!!」」」
第4Q 残り8:35
星垓 86
紅泉 63
山下「せ、星垓の…というか北条君のラッシュが止まらない…」
中嶋「これは…一気に試合を決めてしまった…」
村上「あれが高校1年なんだものな…未だかつてこんな化け物見たことないぞ」
ドノバン『凄い…!なんて選手だ…』
カニンガム『素晴らしい…この殺戮本能、バスケIQ、身体能力、そしてスター性!まさかアジア…日本でこんな選手と巡り会えるとは…!』
ドノバン『ええ…2年後に真っ先にリクルートすべき選手は決まりましたね…』
カニンガム『後は…ヤツと相見えた時にどのようなプレーをできるか…』
ドノバン『はい…あの選手はおそらく…世代では世界最高の選手でしょうから…』
パシュッ!
涼真、フリースローも決め3点プレーを完成。
第4Q 残り8:35
星垓 87
紅泉 63
堂林「決まったかな」
筒井「ああ。星垓は強いな」
三上「敵討ちしてくれたようなもんだな」
筒井「やめろよ、なんか複雑な気持ちになる」
堂林「…」
(まだ残り8分半もあるが…もうこの試合は紅泉が北条に蹂躙されて終わるだろう。
残るベスト4の椅子は1つ…この後の試合…高松が取るか、霧谷が取るか…)
堂林の予想した通り、ここからは一方的な展開に。
点を取り返そうと焦る紅泉は、4ファウルの佐藤、柳澤を下げて森島、遠藤を投入。
攻撃力を強化した。
だが、星垓は涼真が試合を支配し、得点だけでなくチャンスメイクも行う。
結果、紅泉は雨宮、遠藤も4つ目のファウルを犯し
橋本、葛山もファウル3つとファウル数が首を絞め思うようなディフェンスをできない。
手負いの紅泉を、涼真の攻撃力が完膚なきまでに破壊した。
涼真はドライブ、プルアップのミドルシュート、スリーポイント、フリースローと様々な得点パターンから決めまくり
涼真にディフェンスが集中すれば外から新城や真田、慎太郎が
中では髙木が得点を奪う。
この第4Q、紅泉が上げた得点は13
それに対し、星垓の積み上げた得点は49にも及んだ。
ブーッ!!!!
試合終了
星垓 121
紅泉 74
星垓高校、夏に続いてベスト4進出。
エースの北条涼真は40分フルで出場し、今大会最多得点の59得点に加えて14リバウンド、9アシスト、5スティール、7ブロックの大活躍。
うち、31点を第4Qだけで奪っていた。
男子の最終試合のウォーミングアップが始まる中、各社の記者達は挙ってこの1年生エースの記事を書くためにインタビューに殺到した。
そして会場は、歴史的パフォーマンスを目にした余韻からか
いつまでも異様などよめきに包まれていた。
-試合後、星垓ロッカールーム-
試合に出ていた選手は、着替えてマッサージを受ける等している。
新城「ふぅ…流石に今日は疲れたな…」
髙木「もうこの大会3試合目だもんな、疲れも溜まるさ」
神崎「今日勝ってベスト4って事は…明日勝とうが負けようがもう2試合あるって事っすよね」
真田「決勝か、3位決定戦か…」
須川「そんなとこまで来たんだな、俺達」
中澤「今日も戻って明日のスカウティングだな」
矢島「愛和だっけ、相手」
小宮山「国体では神奈川も負けてるし、リベンジマッチかな?」
慎太郎「そっすね…生半可な相手じゃない上に…ウチの涼真にも負けず劣らずの化け物もいるんで…」
武蔵「で、そのウチの化け物は?」
賢「まだインタビューから戻ってきてないけど…あと監督も」
ガチャッ
ロッカールームの扉が開く。
入ってきたのは唐沢監督と涼真。
涼真、インタビュー疲れか目に生気はない。
唐沢「お待たせしました。では戻りましょうか。明日のスカウティングしましょう」
一同「「「はい!!」」」
慎太郎「大丈夫か?涼真」
涼真「…もうインタビューなんてしたくない」
その頃、会場では
ブーッ!!!
第1Q 残り10:00
洛阪 0
舟栄 0
この日の最終試合が開始しようとしていた。
洛阪(ユニフォーム白)
4 塚森 隼人 3年 182㎝
11 笹本 渉 2年 181㎝
5 高松 晃良 3年 193㎝
6 田村 大和 3年 196㎝
8 大谷 宗輔 3年 203㎝
舟栄(ユニフォーム緑)※オフィシャルは「青」で呼ぶ
6 近藤 太一 3年 180㎝
4 岩倉 翔大 3年 187㎝
11 本庄 智洋 2年 191㎝
7 霧谷 昭哉 3年 196㎝
5 永島 隼人 3年 199㎝
山下「平均身長は同じくらい」
中嶋「そしてどちらかが大きく優ったり劣ったりしているマッチアップもない。
対戦カードとしては、これが決勝と言われても違和感のないカードですね」
村上「だが、経験という意味では洛阪が圧倒的に勝っている。
洛阪メンバーは1年次のインターハイ決勝の敗戦以降、同じ高校生相手には負けていない。
対して舟栄は…1年次はIHベスト16、国体ベスト8、WCベスト16。
2年次はIHベスト8、国体で初戦敗退、WCベスト8。
そして今年は…IHベスト16、国体ベスト4…」
山下「舟栄メンバーも経験豊富ではあるんですが…洛阪メンバーはその更に上を行っていると…」
ビッ!
レフェリーがジャンプボールのトスを投げ上げる。
バシィッ!
僅かに大谷が勝り、ボールは塚森の元へ。
塚森、しっかりボールキープ。
塚森「よし!まず1本だ!」
塚森、ゆっくりとボールをフロントコートにドリブルで運ぶ。
他の洛阪メンバーは、いつものホーンズセットのポジション。
岩倉「ナンバーコール!」
近藤「4番!!」
永島「8番!!」
岩倉「11番!!」
本庄「6ばーん」
霧谷「5番!!!!」
準々決勝最後の大1番が、始まった。
……To be continued
レオポルト・ファイ
博多第一高校3年
206㎝96kg
誕生日:3/2
血液型:B
特徴:奨学金の話を理由にセネガルからやってきた黒人留学生。心優しく陽気な性格で来日してすぐにチームメイトとも打ち解けた。
典型的な正統派センターで、ローポストやミドルポストからのポストプレー、ランニングプレーからのレイアップなどが主な武器。ディフェンスでも恵まれた身体能力を生かしリバウンドやブロックで躍動する。
バスケ歴は比較的短くまだまだ課題も多いものの、真面目で練習熱心な事もあり日々成長を続けている。
フランス語と英語、日本語(まだ拙いが)の3ヶ国語を話すことができる。
特技:チームメイトのモノマネ(あまり似てない)
趣味:散歩、露天風呂巡り
得意教科:数学、英語
苦手教科:古典、現代文
得意なプレイ:ポストプレー、ブロックショット
バスケを始めたきっかけ:セネガルにいた頃に友達とやってみて
密かな悩み:風呂が好きなのだが、入浴時間がチームで決められていて長時間入れない
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第4Q 残り9:05
星垓 81
紅泉 61
ダム…
紅泉・橋本がボールを運ぶ。
糸織里「うまっち…ここにきて凄いパフォーマンス…」
華音「確かに凄い…んやけど…」
紗妃「なんか…張り詰めた糸のような、鋭いナイフのような…」
春香「なんか…怖い…」
コート中央にて、全体を見渡すような位置にいる涼真。
マッチアップ相手の葛山とは少し距離がある。
橋本(だが、今の北条のディフェンスを前に迂闊な事はできねえ。おそらくゾーンに入ってる上に今までセーブしてた物を解き放ってきてやがる…)
ダム!!
橋本、ドライブを選択。
キュッ!
中まで切り込まず、ミドルレンジでストップし、プルアップでジャンプシュート。
慎太郎も懸命についていったが、如何せん身長差もありシュートに対し手を伸ばすのが精一杯だった。
スパァッ!
第4Q 残り8:47
星垓 81
紅泉 63
紅泉、どうにか第4Qの初得点。
橋本「よし!ディフェ…」
ダム!!!
シュートを決めた橋本が戻る中、星垓は素早くリスタート。
ボールを受けた涼真が電光石火のスピードでボールを運んでいく。
他の星垓メンバーもそれに続き猛スピードで走る。
だが今回は、紅泉の他のメンバーもディフェンスに戻っている。
ダム!!!
涼真、構わずトップから高速ドライブ。
ゴール前には雨宮、葛山、柳澤と3人のディフェンス。
葛山(1対3でも突っ込んでくるつもりか…!)
雨宮(舐めやがって…!)
柳澤(止めてやる…!)
だが…
葛山「!?」
突っ込んできた涼真、既にボールを持っていない。
雨宮「な…!?」
柳澤「何処に…?」
ビッ!!
涼真の後方、スリーポイントラインから真田がシュートを放つ。
スパァッッ!!!!
第4Q 残り8:39
星垓 84
紅泉 63
星垓メンバー「「「きたぁぁぁ!!!!」」」
「うわああああ!?ここでシューター・真田のスリー!!」
「紅泉が決めて、ここからという時に!これはデカい!」
「いやその前!いつパスしたんだ!?」
真田「なんだ…?今のは…?」
(ノーマークだったし思わず思いっきり打っちまったが…)
髙木「見えなかった…」
新城「とんでもねえな…」
(つくづく味方でよかったぜ…)
-星垓ベンチ-
唐沢「これは…」
中澤(…見えた?今の)
矢島(いや、全然…)
-観客席でも-
春香「え?なになに?」
美保「一体何が…?」
紗妃「魔法…?」
小春「まさかそんな…でも…」
佳奈絵「凄いねえ…もぐもぐ」
華音「…」
(あ、ここにもいたわ、魔法使い)
満月「……」
筒井「なんだありゃ…コート外から見てんのに全然見えなかったぞ?」
三上「気づいたら真田がシュートを打っていたというか…」
伊達「見えないパス…」
堂林「ははっ、ありゃすげえな」
(おそらく俺も、多分高松も真似できねえぜ、あんなの)
この試合を見ていた大半の者はおろか、シュートを決めた真田ですらもいつ、どのようにパスをしたか理解が追いついていない。
慎太郎「ははっ、やるじゃん」
(俺もレパートリーに加えようかな)
またしても場内が騒然とする中、紅泉のリスタート。
バチッ!!
葛山「あっ…!?」
橋本「何…!?」
スローインのボールが橋本に渡ろうという時、手が伸びてきた。
慎太郎「ご馳走様!」
ゴール下、慎太郎がこのボールを奪う。
橋本「くっ…!」
(またこいつか!)
橋本と葛山が直ぐにディフェンス。
慎太郎「おっと」
(怖い怖い、パス出して俺は逃げますよっと)
ビッ!
慎太郎、その場でボールを投げ上げ、ゴール下から避難する。
橋本「何!?」
葛山「ボールは…?」
その空中に舞うボールに、猛スピードで飛び込んでくる白のユニフォーム。
涼真「ドンピシャだぜ!慎太郎!」
涼真、空中でこのボールをキャッチ。
雨宮「させるか…!」
近くにいた雨宮、涼真のジャンプに合わせて跳びシュートを片手でブロックせんとする。
ガシィッ!!
両者、空中で接触。
涼真「フン!!!!」
涼真、接触にも構わずボールを両手で保持し
ドッガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!
強烈なボースハンドダンクをアリウープで叩き込む。
ピピーッ!!!
審判が笛を鳴らす。
雨宮「ぐおっ!」
雨宮、着地に失敗しフロアに転がる。
涼真、リングに両手でぶら下がりながら審判の方を見る。
審判の手は、雨宮を指していた。
審判「ファウル!黒5番!カウントワンスロー!」
星垓メンバー「「「いよぉーしゃああぁぁ!!!!!!」」」
第4Q 残り8:35
星垓 86
紅泉 63
山下「せ、星垓の…というか北条君のラッシュが止まらない…」
中嶋「これは…一気に試合を決めてしまった…」
村上「あれが高校1年なんだものな…未だかつてこんな化け物見たことないぞ」
ドノバン『凄い…!なんて選手だ…』
カニンガム『素晴らしい…この殺戮本能、バスケIQ、身体能力、そしてスター性!まさかアジア…日本でこんな選手と巡り会えるとは…!』
ドノバン『ええ…2年後に真っ先にリクルートすべき選手は決まりましたね…』
カニンガム『後は…ヤツと相見えた時にどのようなプレーをできるか…』
ドノバン『はい…あの選手はおそらく…世代では世界最高の選手でしょうから…』
パシュッ!
涼真、フリースローも決め3点プレーを完成。
第4Q 残り8:35
星垓 87
紅泉 63
堂林「決まったかな」
筒井「ああ。星垓は強いな」
三上「敵討ちしてくれたようなもんだな」
筒井「やめろよ、なんか複雑な気持ちになる」
堂林「…」
(まだ残り8分半もあるが…もうこの試合は紅泉が北条に蹂躙されて終わるだろう。
残るベスト4の椅子は1つ…この後の試合…高松が取るか、霧谷が取るか…)
堂林の予想した通り、ここからは一方的な展開に。
点を取り返そうと焦る紅泉は、4ファウルの佐藤、柳澤を下げて森島、遠藤を投入。
攻撃力を強化した。
だが、星垓は涼真が試合を支配し、得点だけでなくチャンスメイクも行う。
結果、紅泉は雨宮、遠藤も4つ目のファウルを犯し
橋本、葛山もファウル3つとファウル数が首を絞め思うようなディフェンスをできない。
手負いの紅泉を、涼真の攻撃力が完膚なきまでに破壊した。
涼真はドライブ、プルアップのミドルシュート、スリーポイント、フリースローと様々な得点パターンから決めまくり
涼真にディフェンスが集中すれば外から新城や真田、慎太郎が
中では髙木が得点を奪う。
この第4Q、紅泉が上げた得点は13
それに対し、星垓の積み上げた得点は49にも及んだ。
ブーッ!!!!
試合終了
星垓 121
紅泉 74
星垓高校、夏に続いてベスト4進出。
エースの北条涼真は40分フルで出場し、今大会最多得点の59得点に加えて14リバウンド、9アシスト、5スティール、7ブロックの大活躍。
うち、31点を第4Qだけで奪っていた。
男子の最終試合のウォーミングアップが始まる中、各社の記者達は挙ってこの1年生エースの記事を書くためにインタビューに殺到した。
そして会場は、歴史的パフォーマンスを目にした余韻からか
いつまでも異様などよめきに包まれていた。
-試合後、星垓ロッカールーム-
試合に出ていた選手は、着替えてマッサージを受ける等している。
新城「ふぅ…流石に今日は疲れたな…」
髙木「もうこの大会3試合目だもんな、疲れも溜まるさ」
神崎「今日勝ってベスト4って事は…明日勝とうが負けようがもう2試合あるって事っすよね」
真田「決勝か、3位決定戦か…」
須川「そんなとこまで来たんだな、俺達」
中澤「今日も戻って明日のスカウティングだな」
矢島「愛和だっけ、相手」
小宮山「国体では神奈川も負けてるし、リベンジマッチかな?」
慎太郎「そっすね…生半可な相手じゃない上に…ウチの涼真にも負けず劣らずの化け物もいるんで…」
武蔵「で、そのウチの化け物は?」
賢「まだインタビューから戻ってきてないけど…あと監督も」
ガチャッ
ロッカールームの扉が開く。
入ってきたのは唐沢監督と涼真。
涼真、インタビュー疲れか目に生気はない。
唐沢「お待たせしました。では戻りましょうか。明日のスカウティングしましょう」
一同「「「はい!!」」」
慎太郎「大丈夫か?涼真」
涼真「…もうインタビューなんてしたくない」
その頃、会場では
ブーッ!!!
第1Q 残り10:00
洛阪 0
舟栄 0
この日の最終試合が開始しようとしていた。
洛阪(ユニフォーム白)
4 塚森 隼人 3年 182㎝
11 笹本 渉 2年 181㎝
5 高松 晃良 3年 193㎝
6 田村 大和 3年 196㎝
8 大谷 宗輔 3年 203㎝
舟栄(ユニフォーム緑)※オフィシャルは「青」で呼ぶ
6 近藤 太一 3年 180㎝
4 岩倉 翔大 3年 187㎝
11 本庄 智洋 2年 191㎝
7 霧谷 昭哉 3年 196㎝
5 永島 隼人 3年 199㎝
山下「平均身長は同じくらい」
中嶋「そしてどちらかが大きく優ったり劣ったりしているマッチアップもない。
対戦カードとしては、これが決勝と言われても違和感のないカードですね」
村上「だが、経験という意味では洛阪が圧倒的に勝っている。
洛阪メンバーは1年次のインターハイ決勝の敗戦以降、同じ高校生相手には負けていない。
対して舟栄は…1年次はIHベスト16、国体ベスト8、WCベスト16。
2年次はIHベスト8、国体で初戦敗退、WCベスト8。
そして今年は…IHベスト16、国体ベスト4…」
山下「舟栄メンバーも経験豊富ではあるんですが…洛阪メンバーはその更に上を行っていると…」
ビッ!
レフェリーがジャンプボールのトスを投げ上げる。
バシィッ!
僅かに大谷が勝り、ボールは塚森の元へ。
塚森、しっかりボールキープ。
塚森「よし!まず1本だ!」
塚森、ゆっくりとボールをフロントコートにドリブルで運ぶ。
他の洛阪メンバーは、いつものホーンズセットのポジション。
岩倉「ナンバーコール!」
近藤「4番!!」
永島「8番!!」
岩倉「11番!!」
本庄「6ばーん」
霧谷「5番!!!!」
準々決勝最後の大1番が、始まった。
……To be continued
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