BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第20話 準決勝!vs桐神学園!

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星垓vs桐神学園の試合が始まる。


星垓(ユニフォーム白)

G    #4  新城 敦史  3年 184㎝
G    #5  中澤 透   3年 176㎝
F    #13 北条 涼真  1年 187㎝
C/F  #9  神崎 健太  2年 190㎝
C    #7  髙木 悠介  3年 198㎝


桐神学園(ユニフォーム赤)

G    #15 新海 千尋 1年 174㎝
F    #14 櫻田 祥人 1年 184㎝
F    #4  長崎 健正 3年 185㎝
C/F  #5  青木 洸夜 3年 186㎝
C    #7  米田 昌幸 3年 191㎝


山下「センターの米田と髙木に7㎝の差がある以外は、身長で大きなミスマッチは見当たらない」

村上「桐神は上背はなくても技術では全員が一級品の物をもっている。星垓は片や運動能力の高い選手がそろっている。
技術vs運動能力の戦いになりそうだ」


審判がボールをトス。

高さを活かし髙木が勝つ。

新城「ナイス」

新城がボールを運ぶ。


村上「桐神はマンツーか」

新城に櫻田
中澤に新海
涼真に長崎
神崎に青木
髙木に米田

と、ガードの位置が逆になったマッチアップに。

新城「まずは…」

新城、右ローポストに陣取った髙木のところにボールを入れる。

米田、身体を寄せてディフェンスする。

髙木、ドリブルでパワープレイ。
体重をかける。

米田「くっ…」

体格差で押し込まれるも耐える。

髙木、そこから突如スピンムーブ。
全力で押し返す体制だった米田、これに反応できず。

バスッ!

ゴール下で髙木が力強くシュートを決める。

星垓メンバー「よっしゃあ!」

「まず先制!」



村上「やはりあそこでの1対1は髙木だな。U-18候補に目されているだけある」


長崎「取り返すぞ!」

青木「米田!切り替えるぞ!」

米田「オウ!」

新海がボールを運ぶ。


新城「ナンバーコール!」

中澤「15番!(新海)」
涼真「14番!(櫻田)」
神崎「5番!(青木)」
髙木「7番!(米田)」
新城「4番!(長崎)」


村上「星垓は櫻田につくのは同じ1年の北条か」

山下「彼はディフェンスもいいですしね。
ですが、櫻田くんのディフェンスは彼も苦労するんじゃないですか?加えてオフェンスでも彼は点取り屋。
彼がオフェンスディフェンス両面でここまで負担を負うのは1年生には荷が重い気も…」

村上「いや、星垓はおそらく北条メインではないだろう。
それだけの負担を1年生に強いるのは酷だとわかってるはずだ。
ま、かといって北条は中学の時から負けず嫌いだからオフェンスにも積極的なはずだがな」



新海「さすがに北条のディフェンスとなると櫻田も簡単にはボールを受けれないか…」

新海にも中澤がきっちりプレッシャーをかける。

新海「3番!」

中澤「ナンバープレーか?」


インサイドで青木と米田が固まる。
同時に櫻田が青木と米田が固まったところに向かい走る。

涼真「密集で振り切ってくる気か…!」

櫻田はインサイドで青木と米田、そしてディフェンスの神崎と髙木の4人もの間をスルスルと抜けて行く。

涼真「やべえ…」

涼真、櫻田を捕まえ切れない。

そして外では長崎が新海にスクリーン。

それを使いスライドからのバックステップで、スリーポイントラインから1、2m離れた位置でフリーになる新海。

新海、そこからコーナーへ向かい大きなパス。

そこには、涼真を振り切りフリーになりボールを受けた櫻田。

櫻田、スリーポイントシュート。

だが。
そこに涼真のブロックショットがドンピシャで飛んできた。


かに見えた。



ビッ!

涼真がボールをブロックするより一瞬早くボールは櫻田の手を離れた。


村上「リリースが早い!」


スパァッ!!

見事にリング中央を射抜く。

星垓    2
桐神学園  3


桐神メンバー「きたあああ!」

「早くも1本目!」



涼真「野郎…準々決勝までは手抜いてやがったな…リリースが早すぎんだろ」

新城「涼真のマンマークがいきなり破られた…」



観客席

慎太郎「あちゃあ~…ありゃ涼真に火がついたんじゃないか…?」

政史「負けず嫌いだからなぁ…」


涼真はオフェンスに向かう時、新城に一言。

涼真「先輩、次ボールください」

言葉は静かながらも燃えている。


ボールは幾人かを経由し、右45度ウイングの涼真へ。


涼真は自身の左へ目線を向ける。

長崎(来るか…?)

次の瞬間、涼真は右へのドライブ。

長崎「くっ…」

だが、長崎は半身遅れながらもついて行く。

涼真はそのまま離陸。
長崎もブロックせんと跳ぶ。

だが、涼真の腕は長崎の腕の遥か上。
それでも懸命に手を伸ばした長崎だったが、涼真は既にシュートを放っていた。

少し遅れて長崎の腕が涼真の手を叩く。

ピーッ!

バスッ!


審判が長崎のファウルを告げ、同時にレイアップシュートがリングをくぐった。


審判「赤4番!ハッキング!バスケットカウント!ワンスロー!」

どよめく会場。
そんな中涼真は何事もなかったかのように新城や髙木とハイタッチ後フリースローラインに。


慎太郎「やっぱり」

翔太「てかスリーポイントには3点プレーで返してくるのがすげえ…」


涼真、ボールを1回つき、フリースローを放る。

スパッ!

涼真、右手はそのフォロースルーの形のままバック走でディフェンスに戻る。


木村「かっこいい…」

宮本「絵になるね北条くんって」


櫻田のスリーの直後に涼真のスーパープレーでのお返し。
だが、桐神は動じない。

シンプルかつ確実に作ったノーマークから長崎がミドルを沈める。


星垓    5
桐神学園  5


その後も点の取り合いが続く。

スパッ!

インサイドで髙木がダブルチーム(2人にディフェンスされること)を引きつけて神崎へ合わせ、神崎がショートコーナーからのシュート。


バスッ!


桐神は米田がハイポストでボールを受け、ローポストの青木にボールを落とす。
そこから新海が米田のスクリーンでシザースカット。青木からパスを受けレイアップを沈める。


ドガアアアアアアアァ!

今度は涼真が神崎とのピックアンドロールから神崎がゴール下でフリーに。
ディフェンスがすぐさま反応したが冷静に髙木にパスをさばき、髙木がボースハンドダンク。


スパァッ!

再びゴール下の密集を使い、フリーになった櫻田。
スクリーンにかかった涼真の代わりに新城が懸命に追うもブロックは間に合わず櫻田がミドルを沈める。


村上「序盤から互いのオフェンスがディフェンスを上回っている。まさに殴り合いだな」

山下「もう2、3分もこの状態ですけど…ここからどう動くんでしょう」

村上「注目すべきポイントはいくつかあるが…まずはどっちが先に攻撃を失敗するか、それに尽きる。
両チームとも特定の誰かに頼るでもなくバランスよく点が取れてるうえに、コート上の全員が好調だ。
ここでシュートを誰かが外して、かつ相手にシュートを決められたとしたら…」

山下「流れが傾くと…?」

村上「そういうことだ」

会話の間にもゲームは進んでいく。
コートでは、このクォーター何度目かの星垓の攻撃が始まっていた。


第1Q 残り5:53

星垓    16
桐神学園  15


依然、ハイスコアゲーム。


To be continued…
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