BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第4章 集大成・ウィンターカップ

第252話 メインコート

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チーム メンバープロフィール

森島もりしま 海斗かいと

紅泉高校3年
184㎝78kg

誕生日:7/9

血液型:A

特徴:ややパーマのかかった髪が特徴。ディフェンスとスリーポイントの得意な3&Dタイプ。スモールラインナップでは柳澤の控えで、普段は外の苦手な佐藤の控えで登場する事が多い。が、葛山を下げる時にもディフェンスのテコ入れで重宝される。その為ラインナップ次第では紅泉の選手は5人全員がラフプレーを仕掛けてくるラインナップになる事も。
試合以外のコート外では寝てる事が多く、大会のロッカールームでもよく、長椅子を1人で占領して寝てる事も。

特技:ゴミ箱にゴミを投げ入れる事

趣味:誰かしらをからかうこと

得意教科:物理、化学

苦手教科:英語

得意なプレイ:ディフェンス、スリーポイント

バスケを始めたきっかけ:中学で部活に入って

密かな悩み:いくら寝ても眠い



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大会4日目が終わり、星垓高校のミーティングルーム














星垓メンバーは明日対戦する紅泉のスカウティング中。












映像は、この日の北陵戦









そして、近畿大会決勝の洛阪戦。














映像には、ガードの橋本がボールを運ぶ場面。











唐沢「キャプテンの橋本君は攻守で穴がなく、巧みなゲームメイクからアシストを量産し…自分で点も取れる。ディフェンスでもスティールが上手い」










新城(上手いが故にダーティーさも巧みに審判から隠してやってる訳か…)









唐沢「今日の試合でも見た通り、堂林君のディフェンスを前にしてもきっちりとボールを運びボールキープしている。彼からボールを奪うのは至難の技でしょう」












続いて映像は6番・佐藤が映る。













唐沢「彼は190㎝の身長に強靭なフィジカルと走力を兼ね備えたフォワードです。パワーを活かし押し切るドライブ、ポジション取りの上手さとパワーでもぎ取るリバウンド、そして脚力を活かしたディフェンスが得意です」









真田「…外のシュートは全然打たないっすね」












唐沢「おそらく苦手なのだと思われます。フリースローの確率もせいぜい60%くらい。フォワードとしては低い数字です。
現に洛阪との試合では…9㎝低い笹本君に外の勝負に持ち込まれ、フリースローは9本打って成功4本。試合全体でも6得点に抑えられている」









真田「なるほど…それを俺もやればいい訳ですね」












唐沢「そういうことです」
















バシィッ!











続いては、リバウンドをもぎ取る背番号10・柳澤。













唐沢「彼はパワーも雨宮君・佐藤君に次ぐ強さを持ち…そのバスケットIQの高さと運動量で縦横無尽に動くプレイヤーです。特にリバウンド数は雨宮君を抑えてチーム1なのを見てもディフェンスの名手の1人であるのは間違いない」










神崎「俺とはまた違ったディフェンダー…」
(身体能力では相手の方が上だろうな、多分…)













唐沢「ですがこの選手、得点能力はほとんどない。他のプレーはかなりの物なのですがシュートはほとんど打たない上に上手くはない。
フリースローも壊滅的なんだとか。現に北陵戦は終盤ベンチでした」









神崎「あえてこの柳澤と、さっきの佐藤に外から打たせる手も使えそうですね」
















ドッガァァァアアアアアアアアア!!!!














背番号5・雨宮が強烈なダンクを決める。












唐沢「そして紅泉の要注意人物の1人、雨宮君。縦にも横にも大柄ですが機動力は高い。ハードファウルもありますがゴール下では強烈なブロックショットも持っている。リムプロテクト能力はかなりのものです」














髙木「普通にプレーしても強いプレイヤーが…更にラフなプレーに来たら…」










唐沢「対戦相手を怪我させた回数では彼がダントツで多いんだとか。ですが彼の武器はそれだけではない」

















ビッ!













画面の中では雨宮がスリーを打つ。
















スパァッ!!














唐沢「このようにスリーもある。成功数、確率共にチームでは葛山君、橋本君に次ぐ数です。フリースローも75%程とセンターとしては高い…ですがシュートを武器とするには低い数字。北陵戦でもありましたね、終盤のフリースローミス」














髙木「明日のフロントコート…特にインサイドはハードだな。ファウルも選択肢に入れていかないと」















唐沢「そしてエースの背番号8・葛山君」















スパァッ!













映像では葛山が堂林からフェイダウェイでのミドルを沈めている。














唐沢「スタメンでラフなプレーをしてこない唯一の選手がこの葛山君。内外揃っているオールラウンダーで特にこのフェイダウェイ。堂林君、高松君、田村君からコンスタントに得点を奪えている」










涼真「…」












唐沢「ディフェンスでも特別な事がない限り、基本相手のガードやフォワードのエースのマークを担当するのは彼。U-18アンダーエイティーンにこそ選ばれてませんがかなりの実力者です」












須川「控えにもいい選手がいましたよね?」











唐沢「はい。特に注意が必要なのは2人。背番号7・森島君。3&Dタイプでラフなプレーもしてきます。12番の2年生・遠藤君はディフェンスに難があるようですがポイントガードからフォワードまで務められ、攻撃力で勝負する選手ですね。
それともう1人…インサイドの控えに1年生の200㎝のセンター・楠田君。線が細く技巧派のプレイヤーです」















ブツン!













映像が終わる。














新城(見たのは最後だけだが…映像で見る限り正直、いけ好かないチームだ)










唐沢「あまり好ましいチームではないですが…その相手が北陵を倒し、全国ベスト8まで進んできた事は紛れもない事実。少しでも油断したらすぐに足元をすくわれます」











一同、気を引き締める。












唐沢「全国制覇を成し遂げたいならばこういった事態と戦う事も当然、出てくる。そこで集中力を乱さず勝利の為にプレーできるか、自分を見失わないか。そこが大事です。肝に銘じておいてください」
















一同「「「はい!!!」」」













-都内のホテル-









ここでは、堂林と高松が対面。













堂林「…お前との対戦、大学まで伸びちまったな…。言い訳はしねえ。何とでも言え」












高松「…ああ。同情はしねえよ。運もあるだろうが、勝ち残った方が強いって事だからな」











堂林「その通りだ」












高松「北条には会ったのか?リベンジする予定だった相手の」













堂林「…少しな」











高松「…お前の果たせなかった日本一、お前と当たらなかった以上、俺が持っていかせてもらう」











堂林「そうかい。見届けるとするよ、最後まで…」




















-星垓高校ミーティング終了後-











もはや恒例となっている1年生での集い。













春香「みっちゃんの最後のスリー凄かったね!思わず叫んじゃったよ」









美保「あれだけ練習してたもんね。成果出たじゃない」










満月「えへへっ、ありがと」












紗妃「明日は大阪駿英かあ…あそこもみんな背が高いよね」










小春「昨年はウィンターの3位決定戦で負けてるとこだし…今日に続いて昨年のリベンジだね」














糸織里「男子は昨年の成績を超えたのとリベンジでダブルでおめでたですね!」










華音「おめでたって妊娠とか出産で使う言葉じゃなかったっけ…?」










糸織里「細かいことはいいんですよ!」












慎太郎「夏に続いてベスト8だからな。まあ対戦相手は予想と違ったけど」












涼真「…」













涼真は押し黙ったまま。












満月「どうしたの?」













賢「堂林さんとの対戦が実現しなくてへこんでるとかか?」











武蔵「まさか…」











涼真「まあ、それも関係なくはない」












翔太(なくはないんだ…)













慎太郎「まあ涼真は、明日当たる紅泉みたいなラフなチーム嫌いだもんな」












奈津実「なんで?」
(確かに汚いチームだとは思うけど)














涼真「別に…そういう戦い方もあるだろ。勝つためならさ。けどそれで怪我人が出てベストを出せずに負けたってのはなんか…ムカついてさ。伊達と筒井さんの怪我は故意なものじゃないかもしれねえけど…紅泉ってチームは調べたら今までにもしばしば相手の主力を負傷退場させてる。ラフプレーと切り離して考えるのは無理な話だろ」











満月「確かに…なんか正々堂々って感じはしないよね」












優花「明日はさながら北陵の敵討ち、みたいな?」














涼真「いや、そんなつもりは全くない。けれど紅泉を乗り越えなきゃ優勝どころかベスト4にすらなれないってなら…俺は俺のやり方で乗り越えてやる」













慎太郎(要は「正々堂々プレーしてその上で勝つ」って事か。結局北陵が負けて対戦できなくなったのが悔しいんじゃねえかよ)













しかし、この時は誰も思いもよらなかった。















涼真がどれだけ怒りに燃えていたのか












そして、いかれる涼真がどれだけ恐ろしいのか














翌日の試合で敵味方関係なく、知る事となる。





















-翌日-













12月27日。大会5日目。












この日からコートは1面だけとなり、バスケ界の日本中の目がこのコートに集まる事になる。










通称「メインコート」。














この舞台に立てるのは女子のベスト4、男子のベスト8の12チームのみ。













全国に数千ある高校から、ウィンターカップ出場を勝ち取れるのは男女100チームのみ。














そして、その100チームの中の、僅か12チーム。













強者の中の強者のみが立つ事を許され、同時に日本中が注目するという意味でプレッシャーもこれまでの比ではない。















第1試合(9:00~)女子準決勝
星垓(神奈川) - 大阪駿英女子(大阪)

第2試合(11:00~)女子準決勝
桃花学園(高校総体1位・愛知) - 聖ロザリア学園(愛媛)

第3試合(13:00~)男子準々決勝
博多第一(福岡) - 豊誠学園(香川)

第4試合(15:00~)男子準々決勝
県立柴田(愛媛) - 愛和工業大学附属(高校総体2位・愛知)

第5試合(17:00~)男子準々決勝
星垓(神奈川) - 紅泉(滋賀)

第6試合(19:00~)男子準々決勝
洛阪(高校総体1位・京都) - 舟栄(千葉)













朝8時。












試合開始まで1時間もあるのに観客席は既に立ち見の客も出始め、警備員が通路を確保している。













第1試合から星垓の女子が登場。











優花「すっご…」










奈津実「これが…ウィンターカップのメインコート…」










糸織里「プロの会場と言われても納得です…」












満月(こんな凄いところで戦えるんだ!よーし…燃えてきた!)















間もなく女子の準決勝、ティップオフ。




















……To be continued
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