BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第4章 集大成・ウィンターカップ

第222話 試行錯誤

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チーム メンバープロフィール

岩倉いわくら 翔大しょうだい

舟栄高等学校3年
187㎝84kg

誕生日:6/1

血液型:A

特徴:短髪が逆立っているのが特徴の強豪・舟栄の主将。187㎝の長身で2番シューティングガードから4番パワーフォワードまで務められる程プレーの幅も広い。チームに霧谷、本庄というスコアラー達がいる為サポートに回る事が多いが、中学の時は後輩である本庄をも凌ぐスコアラーでもあった。
卒業後は関東1部の明池大学への進学が決まっている。

特技:テーピングの早巻き

趣味:切手集め

得意教科:現代文

苦手教科:特になし

得意なプレイ:アウトサイドシュート、ディフェンス、ドライブ

バスケを始めたきっかけ:小学校4年でミニバスに入団して

密かな悩み:記念切手とかを買いに行きたいが、部活の休みが全然なく自分で買いにいけない事も多い



-----------------------------














ブーッ!!!











休憩の後、星垓と豊誠学園の練習試合が行われる。












唐沢「この試合はスタートをいつもと変えます。他のメンバーもどんどん試していきますので準備しておくように。明日以降行うゲームも同様です」













星垓メンバー「「「はい!!!」」」










豊誠学園(ユニフォーム白)


4 古沢 雅紀   183㎝ 3年
5 山内 正博   185㎝ 3年
10 神崎 玲太   193㎝ 2年
6 丸山 凌成   196㎝ 3年
15 菊田 陽介   204㎝ 1年



星垓(ユニフォーム青)


11 中山 慎太郎  169㎝ 1年
17 日向 翔太   166㎝ 1年
10 北条 涼真   191㎝ 1年
13 須川 雄大   191㎝ 2年
12 皆藤 賢    199㎝ 1年









金子「星垓はガードが170以下…片や豊誠学園はビッグラインナップ」








鳥川「星垓は新城も髙木もベンチか…コートには1、2年しかいねえな」















ビッ!












ジャンプボールが投げ上げられる。
















バチッ!












古沢「よし」











ジャンプボールは菊田が制する。













古沢には慎太郎がきっちりマーク。












他のメンバーは賢がゴール下に陣取り、両ショートコーナーに涼真と須川が、ハイポストには翔太が陣取る。












古沢(なるほど、ゾーンか。クロックには確かに嫌な手だ)










古沢、ボールコントロールしつつ他のメンバーが動くのを見る。












古沢(ボールハンドラーの俺にはハイポストのヘルプとマンマークでドライブをさせづらくして…インサイドプレーはフロントコートのゾーンで囲む考えか)









ダム!!!








古沢、あえてドライブ。
トップから右サイド気味に侵入していく。










キュキュッ!!









慎太郎と翔太の2人に囲まれる。










山内「こっちだ!」










左のウイングに上がってきた山内がボールを呼ぶ。












ビッ!












古沢から山内へのパスが入る。










古沢(これでフロントコート陣が山内に寄って…ショートコーナーにパスを落とせばディフェンスはいない。シュートが打てる)












だが。











キュキュッ!










山内の眼前には、今しがた古沢のディフェンスをしていた翔太。









これにより左ショートコーナーにいた須川は動かず。














古沢(まさか…前の2人だけでトップから両ウイングまでカバーしてる…?)











ガン!!










結局、パス回しから神崎玲太のシュートが外れる。












リバウンドは須川。











すぐさま慎太郎にアウトレットパス。












慎太郎「1本!!」













古沢(マッチアップはどうする?俺は 11番中山、菊田は12番、丸山は13番須川としても…後の2人をどうする?)













本来であればスタメンがそのまま出てくるのを予想し、涼真にディフェンス力のある山内、真田に神崎玲太をつける予定だった豊誠学園。











ひとまず、そのまま山内が涼真につき、神崎玲太は翔太にマーク。











慎太郎、左ウイングの翔太にパス。











翔太、すぐさま慎太郎にリターンパス。











その瞬間













ダッ!










翔太、一気にインサイドに向けて走る。













ビッ!










間髪入れず、そこに慎太郎からのリターン。












神崎玲太「くっ…!」
(速い…!)











ギブ&ゴーのプレーで翔太が神崎玲太を置き去りにする。













キュキュッ!










菊田がヘルプに出るも翔太、リングに向かって跳躍。













バッ!











それを見て菊田も跳躍。














クッ…










翔太、リング真下で菊田に身体を預け、リングで菊田のブロックを阻止。











そのままダブルクラッチから腕だけを伸ばし、回転をかけてシュートを放つ。















バス!!!













古沢「!!!!」












身長差、実に38㎝もある中菊田をかわしシュートを決める。












星垓メンバー「「「よーし!!!」」」







新城「出たよ…」
(身体をきっちり預けてるから不用意にぶつかりにいけばファウルになる。そこから腕を伸ばしてレイアップ…)











髙木「ああやって身体くっつけられると翔太のシュートは止められねえんだよな…」
(身長こそないが…ゴール下でディフェンスにブロックさせず決めるテクニックは一級品だ)













続いての星垓のディフェンスも、1-1-3。












古沢「チッ」











古沢、ドライブで攻め込むのを諦めパスを選択。









ボールは、ハイポストの菊田へ。










キュキュッ!!









たちまち賢と翔太に囲まれる。











賢はパワープレーに備えつつ上からのシュートに備え、翔太は不用意にボールを下げようものならたちまちスティールせんとばかりに懐に潜り込む。







おまけに両サイドにはヘルプにいけるよう涼真と須川の両ウイングが待ち構えている。









ビッ!











菊田も攻めるのを諦めてパス。










ガン!!










このオフェンスも、古沢がディフェンスを崩し切れないままに放ったシュートで終わってしまう。












リバウンドは再び須川。












古沢(させるか…!)











古沢、アウトレットパスを受け取ろうとした慎太郎をマーク。











だが。











ビッ!











須川のパスは翔太へ。












翔太「走れ!!」












星垓メンバーがその言葉を合図に走り出す。












翔太は猛スピードでボールを運ぶ。













ビッ!












豊誠学園メンバーが戻るより早く星垓メンバーがフロントコートになだれ込む。








翔太、ディフェンスを振り切った涼真にパス。














涼真「よし」












バス!!












レイアップで速攻をフィニッシュする。













その後豊誠学園は主に古沢のスリーや神崎、丸山らのミドルで得点するも、星垓のオフェンスをほとんど止めることはできず、星垓のゾーンも攻めあぐねる。














ブーッ!














やむなく開始から4分で豊誠学園がタイムアウト。














前半 残り5:52

豊誠学園   9
星垓     17












金子「星垓のゾーン…1-1-3はなんつーか特殊な動き方をしてるな」







岩田「そうか?」










金子「普通はもっとウイングの2人がディフェンスに絡むんやけど…星垓は違う。前にポジションを置いてるガードの2人が異常なまでに動いとるんよ。
あの2人でトップと両ウイングを全部カバーして…おまけにハイポストにボールが入った時はどちらかがダブルチームに行っとるしな。要はあの2人がひたすらボールと追いかけっこしてるんや」










澤村「それは…体力がもつんか?」











金子「いや…普通に考えて無理やろ…体力ある奴でも人間である以上、もってハーフゲームをフルで走れたらええ方…普通なら1ピリもてば上々や。まあこれは練習試合やし、星垓の監督さんは色々試しとるのかもな」












タイムアウト後豊誠学園は神崎に替えて間島を投入し機動力と攻撃力を更に上げ、古沢と間島のガードコンビが得点を上げ食らいつくも、















スパァッ!!!













星垓「「「スリー!来たあああ!!!」」」











中澤「いいシュートだ!翔太!」













このゲームでは、ついにベンチ入りと出場を果たした翔太がドライブにミドル、スリーと爆発力を発揮。













翔太を警戒すれば、涼真や慎太郎が空く。
















スパァッ!!!












矢島「いいぞ須川!」













金子「アウトサイドはあの13番須川もおる」












岩田「スタメンじゃなく下級生主体でもこのチームは強い…」











途中出場で武蔵や大樹、福島らも出場し











それぞれの持ち味で貢献する。










そして終わってみれば…







ブーッ!!!
















試合終了

豊誠学園   46
星垓     58









豊誠学園との練習ゲームを、新城ら上級生を出さずに快勝。













下級生の活躍が目立ったゲームだったが、何と言ってもこの試合で1番目立ったのは、星垓のガード2人だった。
















翔太、20分で17得点、2アシスト。









慎太郎、同じく20分で13得点、2アシスト。
















金子「星垓1年のガードコンビは弱点らしい弱点が上背しかない。その上2人ともスピード、得点力、ゲームコントロール能力どれを取っても全国屈指のレベルや。さしずめ…『チョロQコンビ』ってとこやな」








岩田「それよか、この試合はあの北条が全然目立ってへんかったけど」











澤村「確かに…」









金子「目立ってなかったというより、ミスが多すぎや。まあ病み上がりなのもあるんやろうけど」







涼真はこの試合、得点は10得点のみ。
その分6アシストも記録していたのだが、何よりミスが多かった。
それも、パスミスが。












唐沢「ふむ」
(なるほど、何をやろうとしているかはわかりました)









慎太郎(まあ、あのパスは俺もまだ完全に扱える訳じゃないし)










涼真(なかなかイメージ通りにはいかないな…)











涼真がこのを開花させる事になるのは、まだまだ先の事である。












それから3校は、メンバーを替えながら繰り返しハーフゲームを繰り返す。







あくまで練習試合なので、新しい事を各チーム試したりと試行錯誤の面もあった為、負けた試合も無論あった。








1日目、2周目







星垓     49
近学大阪   42


豊誠学園   51
近学大阪   38


豊誠学園   46
星垓     44











2日目の1周目


星垓     47
近学大阪   45


豊誠学園   41
近学大阪   44


豊誠学園   36
星垓     45










そして…








唐沢「ラスト1周…3チーム共ベストメンバーで試合する事になりました。この2日で試したセットオフェンスや戦術を交えつつ…勝ちに行きますよ」










星垓メンバー「「「はい!!!」」」












唐沢「スタメンは新城君、真田君、北条君、神崎君、髙木君のいつもの5人。他のメンバーも準備しておいてください」











そして、コートに向かう涼真に慎太郎が声をかける。










慎太郎「涼真」








涼真「ん?」









慎太郎「プレーするな。いつも通りやれよ」









涼真「どういう事だ?」








慎太郎「お前がやろうとしてるプレーは、意識して使いこなせるプレーじゃない。むしろお前の本来の実力を殺してしまう事になる。
お前なら焦らずプレーしていけば『ここにこうパスすべき』ってのが自ずとわかるようになってくるはずだ。無理して試すんじゃなくて自分のプレーに集中しろ。そうすればいずれわかる時が来る」







涼真「…わかった」












そしてその日の最後の1周













星垓     59
近学大阪   32


豊誠学園   46
近学大阪   39


豊誠学園   34
星垓     53









涼真は近学大阪との試合で32点、豊誠学園との試合で29点を上げ、星垓が2試合とも快勝して練習試合を終えるのだった。



















……To be continued
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