BUZZER OF YOUTH

Satoshi

文字の大きさ
上 下
217 / 268
第4章 集大成・ウィンターカップ

第215話 テスト勉強と進路と

しおりを挟む
プロフィール

唐沢からさわ 武徳たけのり

星垓高等学校 HCヘッドコーチ

誕生日:6/9

血液型:A

特徴:細身で背の高い、やや白髪の混じった髪。近眼(というか老眼がはじまった)の為デスクにいる時や作戦板を使う時はメガネをかける。
横浜ブルーウォリアーズ在籍の時代におよそ10年、既にベテランであった涼真の父・壱馬の薫陶を、壱馬が亡くなるまで受けた1人。当時からゆくゆくは教育者としてバスケを教える事を目標としていた。
壱馬の亡くなった年に選手を38歳で引退。その年からコーチングの勉強をして翌年、39歳にして星垓高校のコーチに就任。215話現在満45歳。
選手時代からシステマチックかつ周到な作戦を立てる事に定評があり、コーチ職に就いた今その手腕は全国屈指。

趣味:釣り

密かな悩み:老眼で新聞が読みづらくなった



-----------------------------



















ウィンターカップ予選の翌週。











星垓高校の体育館は静まり返っている。












星垓高校はテスト期間の真っ最中。


1年生同士で集まり、勉強会を開催している。












慎太郎「予選の翌週からテスト期間とかマジかよ…何もできる気がしねえ」
(筋肉痛だから身体休められるのはいいけど)









涼真「普段の積み重ねをしないからそうなるだろうが。バスケでは普段の積み重ね、するだろ?」










満月「よく偏差値高い星垓に入れたよね」








慎太郎「それはスポ推だから。全中優勝してるし」









満月「ちぇっ…いいなぁ」←中3時、神奈川県4位














慎太郎「うう…古典マジなんなんだよ…呪文じゃん」











一同、しばらく勉強に集中し一息入れる。













涼真「さっきので気になったんだけど、そういや今年の中学ってどうなったんだろ?8月下旬に全中あったはずだけど…どうなったか正直、確認する余裕なかったし」













武蔵「たしか全中優勝は新潟の柴丸だな」








慎太郎「へぇ~…昨年織田とか北陵の伊達のいたとこか。確かいい下級生もいたもんなそういや。名前なんだっけ」










武蔵「全中のMVPは白鳥って奴だよ。昨年も涼真のマーク担当してたし」











涼真(…全然覚えてねえ)←白鳥相手に全中決勝で48点取った人











武蔵「で、準優勝は東裁大相模、と」











慎太郎「マジ!?あいつらすげえじゃん」












涼真「誰いたっけ、後輩」











武蔵「エースだったのはガードの石塚…フォワードに2年生の北条 涼太、センターに本多かな」












美保「北条…って…もしかして弟?」









涼真「そうだよ」








慎太郎「のぼる(石塚)に涼太に顕人けんと(本多)か」










涼真「なるほど、道理で8月末くらいからしばらく機嫌悪かったわけだ。涼太め、普段から能力にかまけてサボりがちだからそうなる」













糸織里「うまっちは練習の虫ですもんね!」










武蔵「来年の1年生は楽しみだな。なんたって『セブンスターズ』が高校に入ってくる訳だからな」











優花「セブンスターズ?」









奈津実「何そのタバコの銘柄みたいな名前」





満月(タバコて…)













武蔵「今の中3の代の男子バスケ界には7人のスーパースターがいるんだよ」












慎太郎「へえ…」













武蔵「共通点としては…7人ともジュニアオールスター、全中プレ大会、そして全中本戦の3つの大会全てでチームをベスト8以上に導いてるんだ。
7人ともチームも県も違うから、全国で互いに幾度も鎬を削りあってるらしい」












涼真「相模が全国準優勝なら…実力的にその7人に入ってるのは登か?」
(正直実力的に登しか記憶にないのもあるが…)









武蔵「ああ」









満月「MVPの白鳥って選手は?」










武蔵「そいつもそう」













美保「そしたらあと5人、そんな選手がいる訳ね」












武蔵「相模の石塚に柴丸の白鳥。他には…東京・大東の高梨、東福岡の日比谷、京都・北山の沖田、南札幌の早坂、庄内六の門馬。ポジションはガードからセンターまでバラバラだけど、この7人を総称して『セブンスターズ』だってさ」









慎太郎「よく知ってんじゃん」









武蔵「月バスに載ってたし」







春香「てか7人とも3つの大会で全国ベスト8以上って…ほとんどその7人で上位独占してたって事じゃん」










武蔵「そゆこと」










涼真(まあ、来年どいつと当たっても薙ぎ倒すだけだけど)











春香「そういえばさ、涼ちゃん達の代の時は?そういうスター達はいなかったの?」












武蔵「それは…うん、東裁大相模に怪物が2人固まってたし…相模と柴丸、それと九州の名門・東福岡中の3強時代だったからなぁ…俺達が中学の時の3年間って」













翔太「うちらみたいに東京で優勝しても、組み合わせによっては全中に出れるとは限らなかった時代だったしね…実際相模に負けて全中出場阻まれたし」












小春「…てか、勉強は?」












一同「「「あ…」」」















そして翌週。













勉強会の成果もあってか、全員が赤点を回避する事に成功。
(約1名、ギリギリだったが)















そしてあっという間に11月も下旬。














-部活後、部室にて-








「「何いいいいい!?」」








「「関東1部の拓緑大学!?」」





新城「まあ、そういう事だ」














新城、スカウトで関東1部の強豪・拓緑大学への進学が決定。













真田「おめでとうございます!先輩!」












新城「ありがとな。これで心置き無く部活に専念できるぜ」












福島「他の先輩方は決まってないんすか?」













髙木「俺は筑雅大学」













「「「何いいいいいいい!?」」」












朝「つ、筑雅って…昨年インカレ優勝してて、今年もオータムリーグ優勝してインカレ優勝候補筆頭の…」














髙木「そういう事だ。同じ関東1部だし、新城とは大学で対戦する事になるな」













中澤「俺は一般推薦だけど、東海1部の愛和学泉大学に決まったよ」










矢島「俺は指定校推薦で、関東3部の城智大学だ」












小宮山「俺は普通に受験かな。第1志望は神奈川国立大学だ」













平井「私も受験だね。親戚いるから関西の大学受ける予定よ」














須川「じゃあ、みんなバラバラになっちゃう訳っすね」











新城「そうだな。その分、ウィンターカップを思い出にしようぜ」











髙木「来週には涼真も小宮山も復帰だしな。あと1ヶ月…追い込んでかないと」













ちなみに涼真は怪我の検査の為、この日は不参加。












そして帰り道。女子バスケ部1年の面々が帰りつつ話している。















糸織里「ねえねえみずっち!今日はまだ早い時間だし、うまっちのお見舞いでも行きません?」










満月「え?今から?」









小春「来週復帰だし、お見舞いって程でもないと思うけど…ふぐ」







小春、糸織里に口を塞がれる。












糸織里「細かい事はいいんですよ!みずっちがお見舞いにいけばうまっちも喜びますよ!」








満月「私が?」







美保「でも治り具合も知りたいしいいんじゃない?」









春香「私もさんせー!」









紗妃「やれやれ」









満月「じゃあ…ちょっとだけね」
















満月と紗妃、小春、糸織里、そしてマネージャーの春香と美保は涼真の家へ。












ピンポーン!














「はーい」










応対に出たのは、母の寿美江。













寿美江「あらいらっしゃい」










糸織里「うま…じゃなかった、涼真君のお見舞いに来ました!」




小春(流石に母親の前であだ名呼びはこらえたわね…)











寿美江「あら、わざわざありがとう。部屋に居ると思うから上がってちょうだい」











寿美江、家の中へ満月達を促す。















涼真の部屋は2階。













コンコン…











涼真「どぞー」












室内から、こころなしか固い涼真の声がする。













春香「涼ちゃーん!お見舞いに来…た」













涼真はバランスボールの上にいた。












満月「…何してんの?」










涼真「体幹のトレーニングだよ」









一同「「「…は!?」」」










涼真「よっと」








涼真、怪我をしてない片足で飛び降りる。











涼真「じっとしてるのもストレス溜まるし。体幹鍛えておいて当たり負けないようにしないとな」












女子勢、固まったまま。












涼真「ん?どしたん」














満月「危ないでしょうがあああああ!!!!!!!」











いきなり満月が叫ぶ。












涼真「危なくねえよ、そんなヘマしな…」











満月「万が一があったら、どうするつもりだあああああああ!!!!!!!!」
















涼真「お、おおう…頭がキーンとする…」














満月「はぁ…はぁ…」











小春「どうどう」










紗妃「一瞬で疲労困憊する程の大声…」











糸織里「みずっち…声だけでうまっちにダメージを…」















満月を落ち着かせた後、涼真が話す。














涼真「インターハイでも国体でも、体力だの当たりの強さだのが課題だったからさ。冬に全国で勝つ為にも鍛えておかないと」










満月「だからってやっていい事と悪い事あるでしょうよ」









涼真「うん、まあそれはそうなんだけど…あのウィンターカップ予選の後だと、どうしてもな」














満月「うん…」
(気持ちはわかる…)













涼真「出れない俺を、先輩達がまた全国まで連れてってくれた。また俺とプレーしたいって言ってくれた。自分達の為でもあるんだろうけど、また俺にチャンスをくれたのは先輩達なんだ」










糸織里「あっちゃん先輩ものっぽ先輩も、うまっちに向かってガッツポーズしてましたもんね」








※あっちゃん先輩←新城
のっぽ先輩←髙木
の事らしい










涼真「みんなに託すしか…見てるしかなかった県予選だけど、これ以上ない形で俺の想いに応えてくれた。なら俺も、全国制覇に導く事でそれに応えたい。その為にもやれる事をやるしかねえんだ」












美保「…うん、そうだね」










満月「でも無理はダメだよ。まったく…」


















涼真の復帰まで、あともう少し。





















……To be continued
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

【ショートショート】雨のおはなし

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

処理中です...