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第2章 インターハイ〜
第155話 決勝
しおりを挟む「ラスト1分切ったぞ!!!!!」
「最後まで集中!!!!!!」
そんな声が飛ぶのは白のユニフォーム、洛阪高校側から。
「最後まで走れ!!!!!!」
「差を詰めろ!!!1本!!!」
こちらは赤のユニフォーム、愛和工業大学附属側。
インターハイ最終日・最終試合
男子決勝
第4Q 残り56.4
洛阪 94
愛和工業大学附属 77
山下「洛阪はインターハイ2連覇…国体が来年から高校1年生までの参加になる事を考えれば最後の高校3大タイトル3冠に向けて…って感じですかね」
村上「昨日の星垓以外に苦戦らしい苦戦もしとらんし、その可能性は十分にあるな」
午前中の女子の決勝では、下馬評通り桃花学園が夏の女王の座に。
桃花学園 82
大阪駿英女子 65
前半から点差がつき、最大で20点離れる試合に。
控えも出場しての完勝だった。
そして…
洛阪高校のここ3年間の7回の全国大会で、6度目の優勝が近づいている。
高松は昨日の星垓戦(35得点)に続き、この日も37得点の活躍。
エースとして申し分ない働きで攻守でチームを牽引していた。
ディフェンスでも、マッチアップした武田の得点を僅か6点に抑える。
愛和は、2桁得点こそ武田以外の全員が記録していたが、いつもの爆発的な攻撃力が洛阪の組織立ったディフェンスに抑えられ、フィールドゴール成功率は40%程と不調。
結果として、今大会最もロースコアに抑えられていた。
新城「愛和は攻撃があまり機能してなかったな」
中澤「出だしはよかったんだけどな」
髙木「打たされたシュートがあれだけ多ければな。早打ちでも自分達のタイミングでシュートならまだいいけど…」
涼真「あの人を倒さないと日本一はない…」
慎太郎「そうだな。昨日も高松さんに最後やられたし」
涼真「それに堂林さんの北陵、霧谷さんの舟栄も、愛和も屋代も博多の2校も…」
慎太郎「ベスト4まで来れても強豪はまだまだ多いな」
涼真「まだ秋の国体も…ウィンターカップもある。日本一へのチャンスは俺にはあと2年あるけど…今の3年生と一緒に…今の3年の学年のライバル達と日本一を争えるチャンスは今年あと2回だけだ」
ブーッ!!!!
試合終了
洛阪 96
愛和工業大学附属 80
「「っしゃああああああ!!!!」」
ベンチから洛阪メンバーが飛び出す。
田村と大谷が飛び跳ねながら抱き合う。
塚森は床に突っ伏し喜びを表現する。
高松はその場で両拳を握り、腕を広げ咆哮する。
洛阪の優勝を祝う紙吹雪が飛ぶ。
記者席では村上も山下も立ち上がり拍手を送っている。
騒がしい体育館の中、両チームが健闘を讃え合う。
そして優勝した洛阪は、監督である吉永監督、主将の塚森、エースの高松、そして3年生を順番に胴上げ。
そして、優勝監督と主将のインタビューと続く。
愛和メンバーはその光景をベンチに座りながら眺める。
顔をタオルに伏せ泣くものもいれば、この光景を悔しさとして目に焼き付けようと目を逸らさない者もいる。
その後、男女のベスト4チームが参加し表彰式・閉会式が行われる。
《大会 最終順位》
優勝(ウィンターカップ第1シード確定)
京都府立洛阪高等学校
(2年連続4回目)
準優勝(ウィンターカップ第2シード確定)
愛知県立愛和工業大学附属高等学校
3位
神奈川県立星垓高等学校
秋田県立屋代工業高等学校
MVP(大会最優秀選手賞)
高松 晃良(洛阪高校#5)
個人スタッツ(AVG)
33.6得点、4.4アシスト、6.0リバウンド、1.8スティール、1.6ブロック
大会ベスト10
1stチーム(優秀選手賞表彰)
矢代 学(屋代工業高校#4)
羽田 勝美(愛和工業大学附属#4)
北条 涼真(星垓高校#10)
高松 晃良(洛阪高校#5)
大谷 宗輔(洛阪高校#8)
2ndチーム
新城 敦史(星垓高校#4)
佐藤 耕平(屋代工業高校#6)
堂林 和樹(北陵高校#6)
田中 徹也(博多第一#5)
セック・ンバイ・プーイエ(日南学園#5)
得点王
北条 涼真(星垓高校#10)
AVG41.4得点、5試合の総得点207得点(これも今大会1位)
アシスト王
塚森 隼人(洛阪高校#4)
AVG9.4(5試合の平均)
リバウンド王
レオポルト・ファイ(博多第一#10)
AVG13.0(4試合の平均)
-閉会式後-
新城「やっぱ涼真がベスト5か」
矢島「そりゃ、あんだけ点とってればな」
中澤「それにしても、昨日もし勝って決勝に行ってればウィンターカップは自動で出場になってたんだな」
※今年のウィンターカップは47都道府県代表に加え、インターハイの1位と2位、開催地の東京がもう1チームの計50チームのトーナメントになる。
真田「確かに…神奈川県は予選から熾烈ですからね」
それぞれが冬の出場権を賭けて戦う事になる県内の強豪達を思う。
新城「俺達を含めて1チームしか出れないのか」
小宮山「その前に主力組は国体もあるだろ。多分来週には国体の招集の案内があるし、今年は少年男女が「現行の出場年齢」※での最後の大会だから全県出場での大会だし」
※この年までは高校1~3年が少年男女の出場年齢。来年度から少年男女は「中学3年生と高校1年生、そして早生まれの高校2年生」が出場年齢となる。それ以上の選手が国体に出るには成年男女に出場する必要がある。
新城「まずは国体選考で神奈川県代表の選手の座を勝ち取らないとな」
髙木「県内のライバルだけじゃなく、同じ星垓の選手すら選考のライバルになるからな」
この2人は昨年も選ばれている。
その為、国体選考の過酷さを知っている。
中澤「とりあえず今週は残り練習も休みになるし、3日ゆっくり身体休めてそこからだな」
平井「私達3年は受験だし授業あるけどね」
髙木「げぇっ…」
矢島「思い出させるなよ…」
インターハイが終わり、高校でバスケットボールをする者にとっての1つの区切りとなる。
そして休む間もなく、新たな戦いが幕を開ける。
次回、新章突入。
インターハイ編~完~
……To be continued
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