BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第2章 インターハイ〜

第132話 覚悟しろ

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タイムアウトが開け、両チームのメンバーが出てくる。












星垓

G  #11  中山 慎太郎 1年 169㎝
G  #4   新城 敦史  3年 184㎝
F  #10 北条 涼真  1年 187㎝
F  #8  神崎 健太  2年 190㎝
C/F #12 皆藤 賢   1年 198㎝


北陵

G  #5   三上 直哉  3年 184㎝
G/F #6   堂林 和樹  3年 189㎝
F  #4   筒井 辰也  3年 193㎝
C/F #10  劉 子轩  3年 203㎝
C #15  伊達 裕之  1年 211㎝










伊達のフリースローから再開。













パス!









伊達、落ち着いて決める。






第3Q 残り1:58

星垓    63
北陵    63









続く星垓のオフェンス。







涼真をインサイドに切り込ませるスタックアウトのセットを狙ったが…









涼真(インサイドにヘルプがいる…?)












スタックアウトは、スクリーンやポジションの入れ替えでゴール下にスペースを作り、ドライブやそこからの合わせ、キックアウトからのアウトサイドシュートを狙うセットであるが








この時の北陵のディフェンスは、最も簡単なインサイドへのペネトレイトを封じ、その代わり逆サイドからのアウトサイドを捨てていた。








神崎、賢ではインサイドで髙木ほど安定した動き、そして得点が出来るとは言い難く











頼みの綱のアウトサイドは全員、北陵がゾーンを崩してでも外に出てくる為シュートをなかなか打てない。















ビッ!











涼真のドライブから外の慎太郎へのパス。









だが三上が思い切ってカバーしている為シュートを打てない。













慎太郎「なら、抜くだけだ!」











ダム!!









慎太郎、ドライブ。








だがすぐにゾーンに囲まれる。













そしてそれは新城も同様。















そしてディフェンスでは…











涼真は堂林の動きに着いて行き、マンマークで堂林には仕事をさせなかった。が…




















スパァッッツ!!











「ここで三上のスリー!!」











「堂林と並ぶもう1人のシューターにも当たりがきた!」














ダイヤモンドゾーンを敷いている星垓に対し、スリーポイントシューターで対抗される。













シューターをチェックすればゾーンが崩れ、手薄なインサイドを攻められる。






















第3Q残り2分、星垓は1度も点を取れなかった。


















そして、1度も北陵の攻撃を止められなかった。





















第3Q終了

星垓    63
北陵    72












髙木(クソ…俺は何やってんだ!追いついた直後にファウルトラブルで足引っ張って…その結果がこれかよ!)










グッ…







大事な時にコートに立てていなかった憤りのあまり握った拳が膝の上で震えていた。















コートからメンバーが戻ってくる。















新城「唐沢監督、ファウルアウトの危険はありますけど髙木をやはりインサイドに戻さないと…」












唐沢「いえ、まだです」











新城「でもこのままじゃ…」










唐沢「現状のこのメンバーで状況を打開できていないでしょう。髙木君を戻し追い上げたとしても仮に途中で髙木君が退場したらそこで試合終了ゲームオーバーです」









新城「それは…」










唐沢「確かに髙木君を欠いたままで勝てる程北陵は甘くない。ですが相手ももちろん髙木君をファウルアウトさせようと狙ってくる。髙木君を下げたとしても無論インサイド主体で来るでしょうけれど」








唐沢、作戦板を取り出す。







唐沢「髙木君がいなくなったら戦えません、では話にならない。全国制覇なんて夢のまた夢です」








唐沢、マグネットを1つずつ作戦板につけていく。








唐沢「まず、堂林君のマークはこれまで通り北条君」





涼真「はい」











唐沢「そして残りの4人のディフェンスもマンツーマン。新城君、小笠原君、皆藤君、神崎君で」











神崎「オフェンスはどうします?」








唐沢「そうですね…北条君と新城君のツーガードにお任せします」












星垓

G  #4   新城 敦史  3年 184㎝
F  #10 北条 涼真  1年 187㎝
F  #15 小笠原 大樹 1年 187㎝
F  #8  神崎 健太  2年 190㎝
C/F #12 皆藤 賢   1年 198㎝


北陵

G  #5   三上 直哉  3年 184㎝
G/F #6   堂林 和樹  3年 189㎝
F  #4   筒井 辰也  3年 193㎝
C/F #10  劉 子轩  3年 203㎝
C #15  伊達 裕之  1年 211㎝













-観客席-






春香「あーあ、慎ちゃん代えられちゃったよ」









優花「わかっちゃいたけど、髙木先輩もまだ出てはこないね」















星垓ボールからスタート。







スローワーは新城、涼真がボールを受ける。











涼真、右サイドのウイングへ。











新城は左ウイングへ。











三上「ツーガードか」











涼真、ミドルポストにボールを入れる。











そこには、スクリーンでマークが入れ替わった大樹が劉を背負いポストアップしていた。











劉203㎝、大樹187㎝。








だが体重はさほど変わらない。









加えて重心の低さと、そこから生み出されるパワーならば圧倒的に大樹が上。










ダム!!!










大樹、パワードリブルで劉をみるみる押し込んでいく。











劉「ぐ!」









大樹、ゴール下で振り向きリングを見る。








そこから一瞬だけ上体とボールを上に上げる。










劉、つい反応して跳んでしまう。













劉(しまた…!)←しまった、と言いたいが小さい「っ」が苦手












バス!!











大樹、インサイドでの1対1から力強く得点。











第4Q 残り9:48

星垓    65
北陵    72















-観客席-











霧谷「そうだ、そのプレイでいい」










近藤「あの流れなら一気に追いつこうとアウトサイドを選択するゲームメイクしがちだけど、よく我慢してきっちり返しにいったな、星垓は」









霧谷「ああ。さっきも言ったがインサイドはパワーでなら勝負できる。あれでいいんだ」
(さて、後はディフェンスか。どう止める?)










三上がボールを運ぶ。











星垓はゾーンを辞め、マンツーマンに。










三上(まあ妥当かな。スリーで点取ったからな)










ビッ!








パスが回っていく。








三上(マンツーマンなら、今はあそこだ)












ボールは、ハイポストの伊達へ。











賢「!!」
(やばい、止める方法なんてまだ思いついてない!)









ダム!









賢、耐える。









賢(髙木さんがあれだけ身体を張ってたんだ!簡単に諦めてたまるか!)











賢、髙木と同じくしっかりと身体を寄せる。










伊達、シンプルにワンドリブルで体勢を整え、スカイフックへ。









だが、これまでのフィジカルコンタクトが効いていたのか動きにそれほどキレはない。










堂林「伊達!!」












伊達がスカイフックを構えようという瞬間












バチッ!!









伊達「!!!」












ボールを叩く音がした。
そしてスカイフックを構えた伊達の手にボールはなかった。














伊達(く…!)
「北条!!!」










涼真「上手くいったぜ」











スカイフックは、シュートを構えられ、リリースされたが最後、触れたらゴールテンディングで得点となってしまう。









涼真は密かにヘルプに寄り、スカイフックを放つ前のモーションの途中でスティールしたのである。












霧谷「確かにあれしかねえ」




永島「それにしてもよく止めたな」






霧谷「髙木だ」





近藤「髙木…?」






霧谷「あれだけフィジカルコンタクトを続けてたんだ。伊達にも当然疲労はあるだろ。ましてやまだ1年だし身体もでききってない。動きにキレがなかったのはそのせいだな」
(だからこそスティールできたとも言える)











こぼれ球をすかさず涼真が自ら拾う。










涼真、自らフロントコートに持ち込み、完全に堂林に1対1を仕掛ける気満々。








堂林(こい)











ダム!!












バッ!!












涼真、シンプルなワンドリブルからジャンプシュート。














堂林「ぐ…」
(やっぱ届かねえ…!!)















スパッ!!
















第4Q 残り9:29

星垓    67
北陵    72













涼真(まだ終わってねえ…髙木さんがあれだけ踏ん張ってここまで競り合ってきたんだ…無駄にはしねえ!)















北陵がリスタートにいったボール。











筒井から三上へのボールを
















バシッ!!













三上「なっ!?」
(北条…?)












涼真が弾く。













が、このボールはコート外に出てアウトオブバウンズ。











ピッ!







審判「北陵ボール!」











堂林「こいつ…」













涼真から溢れんばかりの闘志と集中力がみなぎっていた。













涼真「覚悟しろよ、北陵。
本気の本気で行くからよ」
















……To be continued
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