BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第2章 インターハイ〜

第129話 衝撃のスラムダンク

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新城「攻略しに行く…?」









唐沢「そうです。勝つために最善を尽くします」










唐沢、作戦板を取り出す。












唐沢「まずインサイド。伊達君には髙木君をぶつけます。3ファウルですがそんな事言ってられません。攻守ともフィジカルにプレイして伊達君の体力を削ってください」










髙木「はい」










唐沢「もう1人のインサイド、劉君には神崎君」









神崎「はい…!」









唐沢「身長差があるとは言え、神崎君は技術で渡り合えている。加えてパワーなら神崎君が上だ。ここもフィジカルコンタクトで体力を削りつつマークすること」









神崎「わかりました」















唐沢「そして堂林君ですが、ここまでと同じく北条君にお任せします」







涼真「了解です」














唐沢「そして後半スタートの後の2人ですが、新城君と小笠原君」











新城「はい!」









大樹「はい!!」










唐沢「新城君はゲームメイクで、小笠原君はフロントコートでフィジカルな戦いを期待します」









唐沢は続いて、それ以外のメンバーに目を向ける。









唐沢「真田君は前半、アウトサイドをよくあれだけ決めました。一旦休憩です。勝負所で君のアウトサイドに頼る事がまだあるかもしれない。準備しておいてください」





真田「はい!」








唐沢「皆藤君もインサイドでよく頑張りました。髙木君が3ファウルなので休ませるタイミングもあると思います。君の力を見せてください」









賢「わかりました!」

















ミーティングが終わる。











慎太郎(ちぇっ…このデカい相手じゃ俺の出番もないかな)














唐沢「中山君」








唐沢、ちょいちょいと手招き。











慎太郎「何ですか?」






唐沢「後半、いつでもいけるよう用意しておきなさい。どこかのタイミングで北条君を最大限活かす事が必要になると思われる」













慎太郎「涼真を…」












唐沢「全員でやれる事をやって勝ちにいきます。頼みますよ」



























-北陵のロッカールーム-













いつものように早々とミーティングが終わり、メンバーは談笑している。






ギリ…






そんな中、堂林は険しい表情。







三上「おい堂林、すげー顔怖いんだけど」











堂林「え?」












鳴沢「え?じゃねえよ、歯ぎしりもうるせえし」









堂林「悪い、気が付かなかったわ」










伊達「てか星垓、すげえガシガシ当たってくるんすけど…疲れる…」








劉「たぶ(ん)そこが狙いな(ん)じゃないですか?ファウルも狙いながら強く当たて体力なくならせるために」

※「ん」と小さい「つ」が苦手な劉(発音出来る時もあるが)








納見「後半は1度スタメンに戻そう。高さを意識するあまり技巧派のプレイヤーばかりになっていたからな。体力を消耗するのは百も承知だがパワープレイでインサイドも狙っていけ」











北陵メンバー「「「はい!!!」」」



















そして後半が始まる。





第3Q 残り10:00

星垓    40
北陵    45









星垓

G  #4   新城 敦史  3年 184㎝
F  #10 北条 涼真  1年 187㎝
F  #15 小笠原 大樹 1年 187㎝
F  #8  神崎 健太  2年 190㎝
C  #7  髙木 悠介  3年 198㎝


北陵

G  #5   三上 直哉  3年 184㎝
G/F #6   堂林 和樹  3年 189㎝
F  #4   筒井 辰也  3年 193㎝
C/F #10  劉 子轩  3年 203㎝
C #15  伊達 裕之  1年 211㎝














山下「星垓は新城君がコートに戻ってきましたね…そして北条君を2番に」





村上「対して北陵はスタメンに戻して来たな。普段着の戦いを仕切り直す、という事か」











ブーッ!!!












後半は北陵ボールからスタート。









劉のスローインから三上がボールを受ける。














星垓のディフェンスはポジション通りのマンツーマン。












まず三上は、ハイポストに入ってきた伊達にボールを入れる。










髙木、伊達に密着するような厳しい当たり。











伊達「く…早速…」










伊達、外の堂林にパス。










バシッ!!!











涼真、堂林がキャッチする直前でこのボールを弾く。














ピッ!









審判「北陵ボール!」












堂林「チッ」











村上「今のはナイス反応だったな」








山下「え?」
(結果的に北陵ボールでは…)






村上(今のパスを堂林がキャッチしていたら…体勢の悪かった北条は抜かれ、ヘルプも備えていなかったから楽々と点を取られていただろう…狙って弾いたのかたまたまなのか…)














筒井「行くぞ!」







北陵のスローインから再開。












堂林、今度はしっかりとボールを受ける。














涼真、ディフェンスを構える。
















三上「うお…」
(なんつーか…隙がない上に迫力が…ほんとに1年かよ)















堂林「甘い」














ダム!!











堂林、左ドライブ。




涼真と身体が触れるギリギリを抜いていく。








涼真「!!」









涼真、半歩遅れる。












バッ!










そのままレイアップ。








涼真に上手く体を預け、ブロックを回避。



















涼真「外れるぞ!」
(このシュートはリングから逸れてる!)















そして涼真、気づく。















涼真「まさか…」

















(シュートじゃ…ない?)


















バス!!












リングギリギリの位置で伊達がこのボールに触れ、リングに押し込む。














第3Q 残り9:42

星垓    40
北陵    47














「すげえええええ!?」










「シュートと見せかけてアリウープだと!?」

















堂林「ナイス」









伊達「ドンピシャだったんで」














バチン!!














堂林と伊達、ハイタッチ。












涼真「野郎やっろぉ~…やってくれるぜ」











言葉とは裏腹に涼真の口元は笑っている。













新城(火がついてきたか…?後半最初涼真にやらせてみるか)













新城が神崎からのリスタートのボールを受け、ボールを運ぶ。














新城、ボールを左ウイングに。
















バシッ













ボールを受けたのは涼真。













涼真「行くぜ」

















ダム!!!
















涼真、いつもとは違い左へドライブ。
※利き手が右な事もあり、得意の右コーナーからベースライン沿いのドライブが圧倒的に多い











堂林「馬鹿が…」
(ドライブにキレがねえよ)













当然の如くコースに回り込まれ、ドライブを止められる。














左ショートコーナーで止まった涼真。













堂林(パスしかねえだろ)











だが…














ダム!!!!!












涼真、背中を堂林にぶつけポストプレイ。












堂林「んだと?」
(パワーで押し込んでくるつもりか)















だが、そこに筒井がミドルポスト側からヘルプに来る。











新城「こっちだ!」














新城、左コーナーでボールを受けに来る。
















涼真、ドリブルが緩む。











筒井(アウトサイドへパスか…)









堂林(リバウンドに備えないとな)
















筒井と堂林のダブルチームのプレッシャーが一瞬だが緩んだ。
















キュキュッ!!!!












ダム!!!












堂林「!!!」














涼真、急に腰を落とし堂林の体を回転の軸に利用しスピンムーブでいきなりペネトレイト。










堂林「しまった…!!!」













堂林、涼真のスピードもあり完全に抜かれる。














伊達「行かすか!」











逆サイドからリバウンドへの動きを見せていた伊達、素早く危険を察知しヘルプに。












ダン!!!













涼真と伊達が同時に跳ぶ。












伊達のブロックで伸ばした両腕はリングの上まで伸びている。











涼真、空中で伊達と強く接触しながら伊達の腕を左手でブロックし…

























ドッガアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!!!






















強烈なトマホークでのスラムダンクを伊達の頭上から叩き込んだ。














伊達「ぐふあっ…」












ドゴォン!















伊達、フロアに背中から落ちる。
















涼真はリングからぶらさがったまま。














ピーッ!!!!















審判の笛が鳴る。















伊達「く…」














伊達、体を打ったものの大きな怪我はないようですぐに起き上がる。
















新城(どっちだ…?)
















筒井(ディフェンスファウル、オフェンスファウル、どっちの可能性もある)


















審判のジャッジは…
















































審判「バスケットカウント!ファウル!白15番伊達!ブロッキング!」



















涼真「っしゃあ!!!」












涼真、珍しく吠える。













それ程の会心の一撃だった。













「っしゃあああああ!!!」









「高校最長身を!吹っ飛ばしたあああ!!!」













春香「やったああ!!」







満月「うん!うん!」
















星垓の応援席が、ベンチが、大歓声をあげる。














反対に北陵側はどよめきが起きたものの、涼真の見せたビッグプレイに消沈する。

















星垓、北陵の関係席だけではない。













この場面を目撃した多くの観客が













リアルタイムで試合をネットやテレビで見ていた視聴者が













驚きと感嘆の声を上げる。














涼真がフリースローラインに向かう最中も館内はまだどよめいている。














審判「ん?」







審判、何かに気づく。































ピピピッ!!













審判「レフェリータイム!」












「え?」







「なんでだ?」














怪我で誰かが倒れてる訳でもない。










だが、審判が試合を中断した。






















審判「ダンクでリングが曲がってる!修繕するぞ!」


















見ると、涼真が今しがたダンクしたリングがバックボードの支柱ごと、涼真のぶらさがった左側に大きく傾いていたのだ。























両チームの選手がベンチに戻る中、主審レフェリーがマイクで会場に状況説明する。




















主審レフェリー「え~…会場の皆様に試合の中断についての説明をいたします。
先程のダンクシュートにてリングがバックボードごと傾いてしまい、このまま続行しますとシュートや試合の公平性を欠きますので修繕が終わるまで中断させて頂いております」




















山下「前代未聞の中断ですね…」







村上「北条だけのパワーとは思えんがな。そういえば一昨日の試合、星垓と豊誠学園の試合であの菊田が強烈なダンクをしていたのもあのリング、昨日の舟栄と星垓の試合でもあのリングだったからな、ダメージが蓄積されていたのかもしれん」








山下「北条君も霧谷君も強烈なダンクを結構してましたからね…」





















涼真のこのダンクでの試合の中断は、後に日本のバスケ史でも有名な場面として記憶に残ることになる。

















高校最速のスピードを持つとも言われる堂林を鮮やかに抜き去り











日本人最長身センター、伊達を吹き飛ばし











リングがバックボードごと曲がり、試合が中断されるほどの強烈なスラムダンクをバスケットカウントで叩き込んだ衝撃インパクトは…





















あまりにも大きかった。







































……To be continued
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