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あとがき
スタッフの皆様へ
しおりを挟む感謝致します。
私小説、全300回。
定期的に掲載させていただき、約一年を掛けて拙くも脱稿致しました。
それもこれも私の私見を理解していただき「現代文学」のカテゴリへの投稿を許して下さったスタッフの皆様のお陰と感謝致します。
思えば「BL」と言うジャンル
に対して無知でした。
自分の回顧録を書きたいと思った時、自分がゲイである事から、当初「小説家になろう」の「ムーンライト・ノベルズ」と言うところに迷わず「BL」として投稿を始めました。
そちらについては、取っ掛かりの部分で「BL」だと言うだけで全て「R18」扱いをされる事に対し、多少なりとも疑問は感じました。
でも、自分の半生を振り返る時に同性愛は外せない項目でしたから、やはり「BL」としての投稿になるのかな?との安直な選択であった事は後悔せざるを得ません。
そしていざ投稿を開始し、周りの諸作品を眺めて仰天しました。
──結論として、ジャンルとしての「BL」とは「女性による女性のためのファンタジー」であると痛切に知らしめられました。
何せ私の人生に「異世界」やら「転生」は一切関係がないし、もちろん「魔法」とも「公爵家」とも無縁なら「魔物」に凌辱された経験もありません。オメガなんてとんでもないです=男の私は妊娠なんてしません。
また考慮の余地もなく「R18」扱いにされるのも理解しました。
「受け攻め」とキャラを決められ、そのハードな性描写は当事者である私ですら目を覆いたくなる恥ずかしさです。しかもその描写にリアルは感じられません。多くが絵空事です。
「ゲイのBL嫌い」と言う事が私の周りでは昔から言われていました。なるほど、この実情を知れば納得です。
ゲイのリアリティーなど皆無なストーリーと性描写は、当事者からすれば不愉快に感じても仕方がありません。
ただ、私は「BL」と謳う全ての作品を否定するつもりはありません。いわゆる「女性による女性のためのファンタジー(特にオメガなど)」も、ひとつの分野として読者が求めるものである以上、その存在意義は認めざるを得ません。
当節、男同士のストーリーを描いた小説、ドラマ、映画等、広範囲に同性愛が表現される時代となりました。それらを分かりやすく区分けする名称として「BL」のワードが、いわゆ腐女子の間だけでなく、多方面で使用されてい
るのが現状なのかな?と──。
昨今LGBTへの配慮も為されるご時世ですから「BL」を冠とした優秀な作品も多く発表されています。私としては、普通に男女のストーリーで「ラブ・ロマンス」「コメディ」「サスペンス」「ファンタジー」と多種多様なジャンルが有るのと同じように、同性愛を主軸とした人間ドラマでもジャンルに多様性が有って然るべきだと思っています。正にこれからは──。
──で、「ムーンライト・ノベルズ」から遅れてこの「アルファポリス」を知り、こちらで初めからやり直そうと思ったのです。
不本意な流れとなってしまった「ムーンライト」からはすっぱりと足を洗いました。
私はゲイですが、それだけが私の全てではありません。そして同時に、私の半生を語る時にゲイである事は欠かせなない重要事項でもあります。
私は、ただ包み隠さず、素直に自分の半生を振り返り、描きたかっただけなのです。
この「アルファポリス」を知り、初めにどのカテゴリに投稿しようかと迷いました。
ただ「BL」だけは嫌だと思いました。「ムーンライト」と同じ轍は踏みたくないと──。
一個人の回顧録(人生)をファンタジーにされたくはないのです。
色々考えて「ライト文芸」に投稿を始めました。ところが間もなく、突然私の私小説は何の通知もなく「BL」に強制変更されました。
これはショックでした。
もう、自分の書きたい物を発表する場所はないのか?と悲観しました。
確かに規約として、編集の意向で相応しいカテゴリに変更させる事もある、との内容は認知していました。
が、まさか再び自分の人生を振り返ったリアルが「異世界」やら「オメガ」やら「魔物」と同一に扱われる事になろうとは──。
そこで筆を折っても仕方のない心境に陥りましたが、私は駄目で元々と思い切り、自分の切実なる思いを「問い合わせフォーム」へ訴えたのです。
すると対応して下さったスタッフの方から「現代文学」ではどうですか?とのありがたいアドバイスをいただき、今日に至りました。
スタッフの方からの温かさを感じる対応からアルファポリスその物への好感度も上がり、俄然やる気に成れたのも脱稿出来た大きな要因です。
こちらのサイトをご利用の皆様の中には「どうしてこいつはBLじゃなく現代文学に投稿しているんだ?」と疑問に感じる方もいたかも知れません。「どうして現代文学で同性愛がまかり通るんだ?」と不快や違和感を覚えた方もいるでしょう。
無理矢理に私見を押し付けるつもりは毛頭ありませんが、ゲイの当事者として「BL(狭い本来の意味での)が、どうにも自分の感性と相容れない者もいるのだ」と、それだけでも認知していただけたら私としては助かります。
何はともあれこうして一年間にも渡る掲載が叶い、脱稿できたのはスタッフの皆さんのご厚意の結果だと受け止めております。
重ねて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
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みんなの感想(46件)
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(^o^)