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第20章 僕のこの恋は夏生色
No,276 その後のみんな②
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【そして俺達も50代になった】
当然の事だけれど、みんな一緒に年を取る。
今回も、その後のみんなの様子をお知らせしたい。
※──────────※
親友のビアンちゃん→雪絵
=彼女は中学から大学までずっと鷹岡の女子校だったんだけれど、卒業後は東京の会社に勤務した。
高校、大学の時も仲良かったけれど、一緒に東京だった頃にも良く会っていたっけ。丁度、隼人と付き合っていた頃だ。
そのうち父親の関連会社を任されて外国へ行った。向こうで知り合った同性の恋人と今でもずっと暮してる。
帰国した時は必ず会って親交を深めている。東京でもだけれど、彼女の実家はここ鷹岡だ。そう、彼女との仲が長続きするゆえんだ。
案外タッチとも相性が良くて、一緒に東宝劇場にも行ったそうだ。遅ればせながら、今になって宝塚歌劇にハマってる。
数年前、雪絵から珍しい問い合わせがあった。
「最近、テレビで舞台中継を観てから宝塚に興味津々なのよ。近いうちに東京に行くからチケットが欲しいんだけど、どうしたらいいかしら?」
って持ち掛けられた。
僕が夢中だった時には全然興味を示さなかったのに、人の心の変化は面白くて不思議だ。
宝塚のチケットなんて今の僕ではどうしようもないからタッチを紹介した。そしたら二人で意気投合したと言うことだ。
僕にとっての古い親友二人が、今になって仲好しになるなんて全く思いもしなかった。
みんなで楽しく飲みたいな♪
※──────────※
さて、最後に隼人…………
これは、実は夏生の知らない秘密がある。
この私小説を書き始め、隼人の事を締め括るに当たって僕は悩んだ。自分自身の心に決着を付ける意味でも、この際ここに書いてしまいたいと………
隼人の結婚を機に別れたのに、そのあと隼人からの未練たらたら攻撃が凄かった。
本文でも書いた通り、僕は断固としてそれを拒絶した。
──と言う事にはなっているが、電話や手紙に留まらず、時として部屋を直撃されるし、帰宅するとドアの前に座り込んでいるしで、あの、その、だから…………
当時の夏生には内緒だったけれど、時々単発的に受け入れてしまった。
それは頻回でこそなかったけれど、実は俺が帰郷するまで度々続いた。つまり俺の「愛の巡礼」の期間中、時々「箸休め」的に、隼人につまみ喰いされていたのだ。
どうやら彼女とのSEXがとても困難で苦しんでいたけど、それはもはや僕の関知するところではなかった。
それに女性の扱いを知らない僕には何のアドバイスも出来なかった。
(僕は僕で愛の巡礼に彷徨っていた頃だし……)
隼人には実家の情報は与えなかった。
だから僕が帰郷する事で、隼人との縁は完全に切れた。
今はどこでどうしているやら?
彼女とは円満にやっているのやらどうやら?
僕には全く分からない。
今回これを書くにあたり、事前に夏生に告白した。
「夏生ちゃ~ん、実は隼人と別れた当時、あの、その、実はその後も隼人にせがまれて、つまり……何度かその……」
「もうそんな昔話はどうでもいいよ。大体そんな事、当時からバレバレの見え見えだったし」
って、
「ええっ?!そうだったの?」
「それに理久、隼人につまみ喰いされたみたいに言い訳するけど、当時欲求不満でつまみ喰いしてたのは理久の方だろ?オレ、ちゃんと気付いてたから」って……
そうか、夏生ちゃんにはとっくにバレていたのか。
何でもお見通しなんですね。
なるほど………
トホホ
「大体にして理久、オレをちゃん付けで呼ぶ時はろくな話じゃないな」
なんて言われた。
やっぱ俺って分かり易い?
※──────────※
さて、「最後に隼人」って言ったけど、やはりここで夏生に触れたい。
夏生とはずっと仲好しで上手くやってる。両家の家族とも円満だ。
──そして月日は過ぎた。
これは普通の夫婦にも言えるのだろうけど、俺たちの間に愛だの恋だの、浮かれた雰囲気が徐々に消えていった。
あ、いや、消えたわけではない。高揚感がおさまって来たのかな?
今では恋人感覚なんて遠い昔の絵空事──SEXも形骸化して、ただの排泄処理のような気もする。
(だったら自己処理の方が簡単でお手軽)
二人は夫夫と言うより家族?
家族の絆は夫夫より大切?
そして……家族になると、もう恋人には戻れないのかな?
これは男女の夫婦でも一緒の問題なのかも知れないけれど、何だか……幸せなのに何故か淋しい。
こんなの俺の我儘なのかな?
倦怠期って……あるの?
──なんて思秋期の切ない悩みがむくむくと……。
次回からそんなお話に続きます。
当然の事だけれど、みんな一緒に年を取る。
今回も、その後のみんなの様子をお知らせしたい。
※──────────※
親友のビアンちゃん→雪絵
=彼女は中学から大学までずっと鷹岡の女子校だったんだけれど、卒業後は東京の会社に勤務した。
高校、大学の時も仲良かったけれど、一緒に東京だった頃にも良く会っていたっけ。丁度、隼人と付き合っていた頃だ。
そのうち父親の関連会社を任されて外国へ行った。向こうで知り合った同性の恋人と今でもずっと暮してる。
帰国した時は必ず会って親交を深めている。東京でもだけれど、彼女の実家はここ鷹岡だ。そう、彼女との仲が長続きするゆえんだ。
案外タッチとも相性が良くて、一緒に東宝劇場にも行ったそうだ。遅ればせながら、今になって宝塚歌劇にハマってる。
数年前、雪絵から珍しい問い合わせがあった。
「最近、テレビで舞台中継を観てから宝塚に興味津々なのよ。近いうちに東京に行くからチケットが欲しいんだけど、どうしたらいいかしら?」
って持ち掛けられた。
僕が夢中だった時には全然興味を示さなかったのに、人の心の変化は面白くて不思議だ。
宝塚のチケットなんて今の僕ではどうしようもないからタッチを紹介した。そしたら二人で意気投合したと言うことだ。
僕にとっての古い親友二人が、今になって仲好しになるなんて全く思いもしなかった。
みんなで楽しく飲みたいな♪
※──────────※
さて、最後に隼人…………
これは、実は夏生の知らない秘密がある。
この私小説を書き始め、隼人の事を締め括るに当たって僕は悩んだ。自分自身の心に決着を付ける意味でも、この際ここに書いてしまいたいと………
隼人の結婚を機に別れたのに、そのあと隼人からの未練たらたら攻撃が凄かった。
本文でも書いた通り、僕は断固としてそれを拒絶した。
──と言う事にはなっているが、電話や手紙に留まらず、時として部屋を直撃されるし、帰宅するとドアの前に座り込んでいるしで、あの、その、だから…………
当時の夏生には内緒だったけれど、時々単発的に受け入れてしまった。
それは頻回でこそなかったけれど、実は俺が帰郷するまで度々続いた。つまり俺の「愛の巡礼」の期間中、時々「箸休め」的に、隼人につまみ喰いされていたのだ。
どうやら彼女とのSEXがとても困難で苦しんでいたけど、それはもはや僕の関知するところではなかった。
それに女性の扱いを知らない僕には何のアドバイスも出来なかった。
(僕は僕で愛の巡礼に彷徨っていた頃だし……)
隼人には実家の情報は与えなかった。
だから僕が帰郷する事で、隼人との縁は完全に切れた。
今はどこでどうしているやら?
彼女とは円満にやっているのやらどうやら?
僕には全く分からない。
今回これを書くにあたり、事前に夏生に告白した。
「夏生ちゃ~ん、実は隼人と別れた当時、あの、その、実はその後も隼人にせがまれて、つまり……何度かその……」
「もうそんな昔話はどうでもいいよ。大体そんな事、当時からバレバレの見え見えだったし」
って、
「ええっ?!そうだったの?」
「それに理久、隼人につまみ喰いされたみたいに言い訳するけど、当時欲求不満でつまみ喰いしてたのは理久の方だろ?オレ、ちゃんと気付いてたから」って……
そうか、夏生ちゃんにはとっくにバレていたのか。
何でもお見通しなんですね。
なるほど………
トホホ
「大体にして理久、オレをちゃん付けで呼ぶ時はろくな話じゃないな」
なんて言われた。
やっぱ俺って分かり易い?
※──────────※
さて、「最後に隼人」って言ったけど、やはりここで夏生に触れたい。
夏生とはずっと仲好しで上手くやってる。両家の家族とも円満だ。
──そして月日は過ぎた。
これは普通の夫婦にも言えるのだろうけど、俺たちの間に愛だの恋だの、浮かれた雰囲気が徐々に消えていった。
あ、いや、消えたわけではない。高揚感がおさまって来たのかな?
今では恋人感覚なんて遠い昔の絵空事──SEXも形骸化して、ただの排泄処理のような気もする。
(だったら自己処理の方が簡単でお手軽)
二人は夫夫と言うより家族?
家族の絆は夫夫より大切?
そして……家族になると、もう恋人には戻れないのかな?
これは男女の夫婦でも一緒の問題なのかも知れないけれど、何だか……幸せなのに何故か淋しい。
こんなの俺の我儘なのかな?
倦怠期って……あるの?
──なんて思秋期の切ない悩みがむくむくと……。
次回からそんなお話に続きます。
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