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第20章 僕のこの恋は夏生色

No,273 現在=歴野家の日常

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【これは現在のお話】

 こんにちは、現在の理久りくです。

 今にして思うと、母親の自宅介護中は毎日が行き当たりばったりの繰り返しで、まさに付け焼き刃の連続でした。
 要するに修羅場でした。
 本当に、良く乗り切れたものだと我ながら感心します。

 母親を施設にゆだね、ホッとしてはたと気付きました。
(これで母親の介護は心配ないけど、あれ?日常の家事はどうする?)と──。

 ここに至ってようやく歴野家では「家政婦」と言うワードが浮かんできました。
 いやいや!
 これは母親の自宅介護中にこそ思い付かなければならないワードでした。
 今思うに訪問介護ヘルパーさんやらデイサービスやらにお世話になっており、要するに散々助けられている事に恐縮し、そのうえ一般の家政婦さんの存在にまで気が回らなかったのだと思います。
(恐らく皆がパニックで、誰もそれに気付かなかった)
 あ、それに、あの時点ではもし家政婦さんの存在に気付いても、その利用は中々経済的に難しかったかも知れない──。

 現在、歴野家には皆井さんと言う頼もしい家政婦さんが通って来ます。
 歴野家の日常は一転して規則正しいものとなりました。


※──────────※


 現在、父親は仕事を完全に引退し、二匹のワンコと一緒にのんびり健康に暮らしています。俺と夏生の関係性も、未だにどう認識しているか謎です。
 ただ、夏生を初めから好意的に(ピント外れに?)受け入れてくれた「ありがたい人」である事に間違いはありません。
 今では「夏生もここで一緒に住めばいいのに」なんてお気楽な発言もしてくれます。まあ、こんな事を言えるのは母がいなくなったからですけど………。

 そんな父は毎朝8時には朝ドラを観ながら前日皆井さんが準備してくれた朝食を取り、ワンコ達と散歩に出たりしています。
 俺は例によって締め切り次第の不規則な生活だから、この時間はほとんど寝てます。

 11時、皆井さん出勤。
 前日やり残した色々を片付けてくれた後、昼食を用意してくれます。
 俺は基本、正午に起床して三人で一緒にランチします。
(俺にとっては朝ごはん)
 三人とは俺と父と皆井さんです。うちではこちらから頼んで、家政婦さんにも一緒に昼食を摂る事にして貰っています。
 人とのコミュニケーション不足な父親の為です。優しい皆井さんは父親に笑顔で接してくれます。

 俺の一日は午後から始まるので
す。ここから仕事の本格始動。
 父はワンコ達とランデブー。
 皆井さんは家事に大忙し。
 17時──夕食の準備を済ませた皆井さんが退勤します。

 19時頃夏生が帰宅──毎日直接「歴野家」に帰って来ます。
 俺と父と夏生と、三人で夕食。皆井さんが夕食を作ってくれるようになってから、夏生は毎晩うちで夕食を食べるようになりました。
 夏生→風呂も歴野家で済ませます。(広いし、自分ちの風呂掃除したくないから)

 俺の仕事→夜の部開始。
 暇な時は夏生と過ごします。
(締め切り前はここから完徹)

 予定外にHな気分の時は夏生の部屋に行っちゃいます。
(事後、賢者になったら事務所に戻ってそこから仕事再開)

 朝方就寝して正午まで入眠。

──と、これが平日の基本的パターンなのかな?
(例外として、時々早起きして現場に行かなきゃいけない日もある)


 土曜、日曜は家政婦の皆井さんのお休みです。
 夏生も休みだから基本、俺も休むことにしています。

 土日にはいくつかのパターンがあります。

 ①→夏生の部屋で二人っきりで過ごしたりお出掛けする。金曜の夜から日曜の夕方までは父親の事は放ったらかして二人で楽しむ。
 初めのうちは気を使ってお弁当とか用意したけど、どうやら父は父で食いたいラーメン屋に行ったりして楽しんでいるようです。ちなみにうちのワンコ達はお留守番の出来る人達なので心配は要りません。

 ②→波奈が来て昼に庭でバーベキューだとか、夜にすき焼きだとか焼肉だとか、ホーム・パーティを企画してくれる。
 そんな時は俺達も喜んで波奈に呼ばれます。義兄や姪っ子甥っ子もやって来てワイワイやっています。もちろん夏生も家族同様で、誰もとやかく言いません。
 そして、やっぱ夜は夏生の部屋にしけ込む。仕事休みだから♡

 ③→締め切り前で大忙し。土曜も日曜もあったもんじゃない。夏生が雑用を手伝いに来てくれたりするけど、やっぱ夏生には休んで欲しい。
 普段怠けて、追い込まれている自分が悪い!悪戦苦闘→とにかく仕事!



 こんな感じで暮らしてます。
 取り立てて事件も起こらず、平凡な毎日を過ごしています。

(結婚生活の真似ごと?)

 夏生にめとられて幸せかも♡


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