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第11章 パラサイト奇談
No,123 名探偵ナッキーの.:*.※:
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【これは大学3年のお話】
大学3年になったばかりの頃、俺は偶然にもゲイ雑誌の文通欄を通してルカと鉢合わせした。
それ以降「ルカとキノちゃん」の関係が、「ナッキーと理久」の関係に進化した。
そのナッキーだけど、
大の仲良しだったから互いの恋愛沙汰は何でも話し合っていた。
当然、サトシとの事もリアル・タイムで報告していた。
サトシとの訳の分からない四角関係が露呈し、俺の片思いが呆気なく破局したあの時も、ナッキーは親身に俺の話を聞いてくれた。
ナッキーいわく、
「だからさ、結婚詐欺したり上手にヒモに収まったりする奴って、決していい男じゃないって言うじゃない?」
「うん、そうだね。確かにすごくカッコいい奴が近付いてきたら、え?怪しいな!って、むしろ気付く」
「てか、サトシが近付いて来た訳じゃなくて、理久から行ったんだよね?岡さんも奈保子先輩もね」
「う、うん、そうだな確かに」
「さながらサトシが花で理久達は蜜蜂のように吸い寄せられた。
これはもう、サトシの持って生まれた才能かもよ?ジゴロ的な…」
「えーっ、そんな風には思いたくないな、仮にも1年間好きで堪らなかったんだよ?あのボ~ッとしていて極端に口下手なサトシが、そんなやり手だったとは絶対に思えないし」
それを聞いて、ナッキーが眉をひそめた。
「う~ん、でも、客観的に聞いていると色々と変!」
と、おでこに人差し指をくっ付け、ホームズか金田一張りに推理を始めた。
(ちなみに、ナッキーと話す時の理久は自分の事を俺って称する
→これ条件反射)
「とにかくぶっちゃけて言えば、一年間に三人もの人間がサトシの部屋に出入りしていて全く鉢合わせしないって、そ~んな奇跡的な偶然が起こり得るのかな?」
「あ!それは俺達も思った!岡さんも奈保子先輩も不思議がってた!」
「ちなみにサトシ、バイトが忙しかったって言うけど、昼は大学があるんだから夜のバイトだよね?」
「ああ、夜だよ?結構遅くなるって言ってたから、俺はいつも奴の休みの日に押し掛けてた」
「その休みって?」
「毎週、月、木が休みって言ってた」
「ふ~ん……。例えばさ、岡さんには火、金が休み。奈保子先輩には水、土が休みって言ってたとしたら?」
「それなら確かに、俺たち三人が鉢合わせってないだろうけど…」
ナッキーがニヤリと笑った。
さすがに俺も気が付いた。
「おいおい待てよ!でも、それって月曜日から土曜日まで全部休みってことじゃね?」
「だから~っっ!理久ちゃん良く考えろ!それだとサトシ、バイトなんてしてないよね?!」
「ええっ?!ま、まさか?!」
ナッキーが俺の顔を覗き込む。
「てか月曜から土曜まで毎日順番に飯の種がやって来る。欲しい物も買って来る。もはや、バイトの必要無いんじゃない?」
俺は呆然とつぶやいた。
「でもって、日曜日は一人でのんびりホリデーか?」
「ふふふっ♪考えようによっては十分に有り得る話だね。サトシ、中々やるじゃん!傑作♪」
「おいおい待てよ!いくら何でもサトシ、そこまでじゃないと思うんだけど!」
「キャハッ!理久ったら憤慨して真っ赤になってる!可愛いかも」
「な、なんだよ」
「理久ちゃ~ん、そんな変な所にお金使うくらいならさ、たまには可愛いナッキーちゃんの生活費も援助して~?なんちゃって」
「いやいや!ナッキーはしっかりしてて、ちゃっかりしてて、何をやらせても要領良くて、全く俺の助けなんて要らないだろ?そんなところが、どうも俺から見ると今ひとつ盛り上がらないんだよな。
……顔が良すぎるのかな?」
「だよね~。理久はとことん地味でぼ~っとしていて、冴えな~い奴に弱いんだもんね~」
「ナッキーはその美貌でおじ様達を魅了しといてね。沢山貢がせて俺にもおこぼれ頂戴な?」
「あ、オレ、それが苦手なんだよな。年上の人が好みなわりに甘えるのが下手。おねだりなんて出来ないよ。無理無理」
「だよな、マジな話そんなだから年上の人からは生意気に見えちゃうのかもよ?」
「てか、この頃あんまり年上の人とばっか付き合うのも疑問なんだよね。考えたくないけど、この人オレのどこが好きで付き合ってるのかな?とか疑っちゃう」
「そうなの?」
「ジェネレーション・ギャップで共通の話題もないのに、結局オレの顔なのかな?とか思っちゃったりね。今までちゃんとオレの中身を見てくれた人なんて、いたのかなぁ?」
「そんな事ないよ♪ナッキーは顔だけじゃないよ?他にもいいとこ沢山あるし」
「……って、理久はオレの顔の事なんて眼中にないから※.:*:・☆」
「え?なに?」
「だから、理久はオレの顔なんて全然気にしないだろ?
だから※.:*:※.:*:・ってこと!」
「え?ナッキー、わざとモゴモゴ言ってるだろ?
それってマイブームか?
この頃多いぞ?そのモゴモゴ」
「もういいよ!」
──と臆測の夜は更ける。
サトシを傍観していた大学最後の一年間。
いつもサトシと一緒にいた新入生の女の子は、ちゃんとサトシの「彼女」だったのかな?
当時の僕と岡さんは、そこまでは追及しなかった。
今となっては謎ばかり。
ああ、摩訶不思議なパラサイト奇談。
サトシもちやんと社会人やってるのかな?
ちょっと心配………
大学3年になったばかりの頃、俺は偶然にもゲイ雑誌の文通欄を通してルカと鉢合わせした。
それ以降「ルカとキノちゃん」の関係が、「ナッキーと理久」の関係に進化した。
そのナッキーだけど、
大の仲良しだったから互いの恋愛沙汰は何でも話し合っていた。
当然、サトシとの事もリアル・タイムで報告していた。
サトシとの訳の分からない四角関係が露呈し、俺の片思いが呆気なく破局したあの時も、ナッキーは親身に俺の話を聞いてくれた。
ナッキーいわく、
「だからさ、結婚詐欺したり上手にヒモに収まったりする奴って、決していい男じゃないって言うじゃない?」
「うん、そうだね。確かにすごくカッコいい奴が近付いてきたら、え?怪しいな!って、むしろ気付く」
「てか、サトシが近付いて来た訳じゃなくて、理久から行ったんだよね?岡さんも奈保子先輩もね」
「う、うん、そうだな確かに」
「さながらサトシが花で理久達は蜜蜂のように吸い寄せられた。
これはもう、サトシの持って生まれた才能かもよ?ジゴロ的な…」
「えーっ、そんな風には思いたくないな、仮にも1年間好きで堪らなかったんだよ?あのボ~ッとしていて極端に口下手なサトシが、そんなやり手だったとは絶対に思えないし」
それを聞いて、ナッキーが眉をひそめた。
「う~ん、でも、客観的に聞いていると色々と変!」
と、おでこに人差し指をくっ付け、ホームズか金田一張りに推理を始めた。
(ちなみに、ナッキーと話す時の理久は自分の事を俺って称する
→これ条件反射)
「とにかくぶっちゃけて言えば、一年間に三人もの人間がサトシの部屋に出入りしていて全く鉢合わせしないって、そ~んな奇跡的な偶然が起こり得るのかな?」
「あ!それは俺達も思った!岡さんも奈保子先輩も不思議がってた!」
「ちなみにサトシ、バイトが忙しかったって言うけど、昼は大学があるんだから夜のバイトだよね?」
「ああ、夜だよ?結構遅くなるって言ってたから、俺はいつも奴の休みの日に押し掛けてた」
「その休みって?」
「毎週、月、木が休みって言ってた」
「ふ~ん……。例えばさ、岡さんには火、金が休み。奈保子先輩には水、土が休みって言ってたとしたら?」
「それなら確かに、俺たち三人が鉢合わせってないだろうけど…」
ナッキーがニヤリと笑った。
さすがに俺も気が付いた。
「おいおい待てよ!でも、それって月曜日から土曜日まで全部休みってことじゃね?」
「だから~っっ!理久ちゃん良く考えろ!それだとサトシ、バイトなんてしてないよね?!」
「ええっ?!ま、まさか?!」
ナッキーが俺の顔を覗き込む。
「てか月曜から土曜まで毎日順番に飯の種がやって来る。欲しい物も買って来る。もはや、バイトの必要無いんじゃない?」
俺は呆然とつぶやいた。
「でもって、日曜日は一人でのんびりホリデーか?」
「ふふふっ♪考えようによっては十分に有り得る話だね。サトシ、中々やるじゃん!傑作♪」
「おいおい待てよ!いくら何でもサトシ、そこまでじゃないと思うんだけど!」
「キャハッ!理久ったら憤慨して真っ赤になってる!可愛いかも」
「な、なんだよ」
「理久ちゃ~ん、そんな変な所にお金使うくらいならさ、たまには可愛いナッキーちゃんの生活費も援助して~?なんちゃって」
「いやいや!ナッキーはしっかりしてて、ちゃっかりしてて、何をやらせても要領良くて、全く俺の助けなんて要らないだろ?そんなところが、どうも俺から見ると今ひとつ盛り上がらないんだよな。
……顔が良すぎるのかな?」
「だよね~。理久はとことん地味でぼ~っとしていて、冴えな~い奴に弱いんだもんね~」
「ナッキーはその美貌でおじ様達を魅了しといてね。沢山貢がせて俺にもおこぼれ頂戴な?」
「あ、オレ、それが苦手なんだよな。年上の人が好みなわりに甘えるのが下手。おねだりなんて出来ないよ。無理無理」
「だよな、マジな話そんなだから年上の人からは生意気に見えちゃうのかもよ?」
「てか、この頃あんまり年上の人とばっか付き合うのも疑問なんだよね。考えたくないけど、この人オレのどこが好きで付き合ってるのかな?とか疑っちゃう」
「そうなの?」
「ジェネレーション・ギャップで共通の話題もないのに、結局オレの顔なのかな?とか思っちゃったりね。今までちゃんとオレの中身を見てくれた人なんて、いたのかなぁ?」
「そんな事ないよ♪ナッキーは顔だけじゃないよ?他にもいいとこ沢山あるし」
「……って、理久はオレの顔の事なんて眼中にないから※.:*:・☆」
「え?なに?」
「だから、理久はオレの顔なんて全然気にしないだろ?
だから※.:*:※.:*:・ってこと!」
「え?ナッキー、わざとモゴモゴ言ってるだろ?
それってマイブームか?
この頃多いぞ?そのモゴモゴ」
「もういいよ!」
──と臆測の夜は更ける。
サトシを傍観していた大学最後の一年間。
いつもサトシと一緒にいた新入生の女の子は、ちゃんとサトシの「彼女」だったのかな?
当時の僕と岡さんは、そこまでは追及しなかった。
今となっては謎ばかり。
ああ、摩訶不思議なパラサイト奇談。
サトシもちやんと社会人やってるのかな?
ちょっと心配………
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