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第5章 微笑みの影の危うい性
No,69 あれ?また反省会Part2
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【これは現在のお話】
こんにちは、現在の理久です。
例によって、この小説の原稿を親友の雪絵に下読みして貰いました。
──ジュンの件。
初恋の話以来の大激論となりました。
↓例によって電話での会話です。
雪「理久~!これって聞いてないわよ~!ジュンなんて名前、はじめて知ったわ?」
理「ごめんごめん!だと思う。ジュンの事は俺にとって黒歴史だったし、それに初体験のことは当時さすがに話にくかった」
雪「そうね、私の記憶では高校に入ってからも圭君のことが忘れられなくて、で、やがて部活内で気になる子が出来て、でもその平田君?全然一方的な片思いで辛かったって、それが私にとっての高校時代の理久のイメージよ?ジュンのジの字も出てこないわね」
理「うん、まず当時の俺と雪絵の関係だけど、何でも話せていたようで、実はあまり互いのSEXについては話せてないよね?」
雪「まあ、そう言われてみれば確かにそうね。いい加減大人になってからなら下ネタを肴にガハガハ飲んだりもしていたけれど、十代のあの頃はまだお互いに恥じらいってウブな感性もあったかもね」
理「そうなんだ。ジュンとの馴初めは、当時は恥ずかしくて雪絵にも話せなかった。一度秘密にしてしまった事はその後もずっと言えずじまいで、結局この歳になって、この小説のお陰で吐露できた感じ。そこは分かって欲しい」
雪「まあ、そうね……。そう言う言い方をすれば、私にだって未だに理久に言えずじまいな事が、無くもない」
理「え?なになに?!」
雪「うん、だからね、それはまたの機会として、今回このジュン君の事なんだけどね、私が思うに理久が責任を感じて、今のこの時に後悔する必要なんてまるで無いと思う」
理「そうなのかなぁ?俺は、やっぱ胸が痛むなぁ……」
雪「それはね、今の大人になった理久だからこそ思うことであって、当時の理久にそんな余裕は無かったはずよ?」
理「それはそうだけど……。あの時俺が頑張れば、ジュンをこちら側に引き戻す事も出来たんじゃないかと……」
雪「あのね、分かってる?当時の理久じゃ、ジュン君をこちら側に引き戻すどころか、逆に理久があっち側に引っ張られる危険も大有りだったのよ?私に言わせりゃ、よくぞこちら側に踏みとどまったものだわ。危ない危ない!」
理「ええっ?!俺があっち側に?うう~ん、そうかな~。でも、確かにあの頃同時進行で平田のことを好きになっていたから、だから平田に対する気持ちを無下には出来なかっのかも……」
雪「それにあれよ、あんまりベタな事は言いたくないけど、ジュン君は家庭や生い立ちに色々と問題が有ったんでしょう?両親からの愛が薄かったってのはSEX依存の大きな原因になるって何かで聞いたし、そんな難しい問題に立ち向かえるほど、当時の理久は大人じゃなかった」
理「それはそうだね。俺なんかに何か出来たんじゃないか、なんて、考えるだけ身のほど知らずなのかも知れないね」
雪「そうね。それに理久があちら側に引っ張られなかった理由も、何となく分かる気がする」
理「そうなの?」
雪「理久はSEXと愛を初めから最後まで関連付けて考えていた」
理「うん、それは考えていたと言うより、感じていた。だからジュンの本質が最後まで理解出来なかった」
雪「それはね、理久が生まれてからずっと、沢山の愛情に包まれて生きて来たからだと思うのよ?ジュン君とは決定的に違う、逆の生い立ち」
理「ええっ?俺が愛されて育った?それはちょっと恥ずかしいよ、てへてへ」
雪「おちゃらけなくていいわ。私は理久と出会った時からずっと感じてた。ああ、幸せな家庭で蝶よ花よと可愛がられて育った子なんだなって」
理「それってもしかして、俺が昔からよく言われるお坊ちゃまってやつ?色白だったからかな?」
雪「そうね。色白って見た目効果がさらに拍車を掛けたかも知れないわね。まあそれはとにかく、理久の育ちの良さは隠せないわ。でも、それって良いことだと私は思う。周りの人間をホッとさせるわ?」
理「お坊ちゃまと言えば、ジュンの方がずっとお金持ちの家だったけどな」
雪「だからね、何度も同じような事を言わせないで。ジュン君はお金には不自由しなかったけれど、愛には恵まれなかった。そして理久、あなたはそのまるで逆よ?あ、もしかしたら、ジュン君はそんな愛されオーラの強い理久だからこそ惹かれたのかも知れない。人は自分に無いものを追い求めたりするから」
理「う~ん、でも、とにかく俺はジュンを強引に切り離した。それだけは後悔している」
雪「そうね、ジュン君との出会いがあと十年後だったら、二人の関係は違っていたかもね」
理「そう思うと、ホントに人との出会いは不思議だね」
雪「まあ、あれよ、どんな人生になろうとも最終的には自己責任よ。もう一度言うけど、理久が責任を感じる必要は全くないわ、絶対に」
理「うん、ありがとう。雪絵のお陰で心が軽くなったよ。あとはその後、ジュンが幸せな大人になれていますようにって、只々祈るばかりだ」
雪「そうね。それは私も祈る。まあ、この祈りも何十年か遅いけどね。それにしても、やっぱり人との出会いって不思議なものね。こうして何十年も経ってから思い返して心を痛めるなんて……」
理「本当だね。不思議と言えば俺らの関係も不思議だよね」
雪「そうね、私達も不思議な関係と言えば確かにそうね」
理「ホントだね」
二人揃って
雪「しみじみ~」
理「しみじみ~」
雪「あ!ハッピー&アイスクリーム!!」
理「ややっ!負けた~」
雪「──って、何の事だか分からない人はお母さんかお婆ちゃんに聞きましょうwww」
理「って、ネットで検索しても出てきたよ?80年代の流行り言葉まで出てくるんだからネットって凄いね、ケラケラッ♡」
こんにちは、現在の理久です。
例によって、この小説の原稿を親友の雪絵に下読みして貰いました。
──ジュンの件。
初恋の話以来の大激論となりました。
↓例によって電話での会話です。
雪「理久~!これって聞いてないわよ~!ジュンなんて名前、はじめて知ったわ?」
理「ごめんごめん!だと思う。ジュンの事は俺にとって黒歴史だったし、それに初体験のことは当時さすがに話にくかった」
雪「そうね、私の記憶では高校に入ってからも圭君のことが忘れられなくて、で、やがて部活内で気になる子が出来て、でもその平田君?全然一方的な片思いで辛かったって、それが私にとっての高校時代の理久のイメージよ?ジュンのジの字も出てこないわね」
理「うん、まず当時の俺と雪絵の関係だけど、何でも話せていたようで、実はあまり互いのSEXについては話せてないよね?」
雪「まあ、そう言われてみれば確かにそうね。いい加減大人になってからなら下ネタを肴にガハガハ飲んだりもしていたけれど、十代のあの頃はまだお互いに恥じらいってウブな感性もあったかもね」
理「そうなんだ。ジュンとの馴初めは、当時は恥ずかしくて雪絵にも話せなかった。一度秘密にしてしまった事はその後もずっと言えずじまいで、結局この歳になって、この小説のお陰で吐露できた感じ。そこは分かって欲しい」
雪「まあ、そうね……。そう言う言い方をすれば、私にだって未だに理久に言えずじまいな事が、無くもない」
理「え?なになに?!」
雪「うん、だからね、それはまたの機会として、今回このジュン君の事なんだけどね、私が思うに理久が責任を感じて、今のこの時に後悔する必要なんてまるで無いと思う」
理「そうなのかなぁ?俺は、やっぱ胸が痛むなぁ……」
雪「それはね、今の大人になった理久だからこそ思うことであって、当時の理久にそんな余裕は無かったはずよ?」
理「それはそうだけど……。あの時俺が頑張れば、ジュンをこちら側に引き戻す事も出来たんじゃないかと……」
雪「あのね、分かってる?当時の理久じゃ、ジュン君をこちら側に引き戻すどころか、逆に理久があっち側に引っ張られる危険も大有りだったのよ?私に言わせりゃ、よくぞこちら側に踏みとどまったものだわ。危ない危ない!」
理「ええっ?!俺があっち側に?うう~ん、そうかな~。でも、確かにあの頃同時進行で平田のことを好きになっていたから、だから平田に対する気持ちを無下には出来なかっのかも……」
雪「それにあれよ、あんまりベタな事は言いたくないけど、ジュン君は家庭や生い立ちに色々と問題が有ったんでしょう?両親からの愛が薄かったってのはSEX依存の大きな原因になるって何かで聞いたし、そんな難しい問題に立ち向かえるほど、当時の理久は大人じゃなかった」
理「それはそうだね。俺なんかに何か出来たんじゃないか、なんて、考えるだけ身のほど知らずなのかも知れないね」
雪「そうね。それに理久があちら側に引っ張られなかった理由も、何となく分かる気がする」
理「そうなの?」
雪「理久はSEXと愛を初めから最後まで関連付けて考えていた」
理「うん、それは考えていたと言うより、感じていた。だからジュンの本質が最後まで理解出来なかった」
雪「それはね、理久が生まれてからずっと、沢山の愛情に包まれて生きて来たからだと思うのよ?ジュン君とは決定的に違う、逆の生い立ち」
理「ええっ?俺が愛されて育った?それはちょっと恥ずかしいよ、てへてへ」
雪「おちゃらけなくていいわ。私は理久と出会った時からずっと感じてた。ああ、幸せな家庭で蝶よ花よと可愛がられて育った子なんだなって」
理「それってもしかして、俺が昔からよく言われるお坊ちゃまってやつ?色白だったからかな?」
雪「そうね。色白って見た目効果がさらに拍車を掛けたかも知れないわね。まあそれはとにかく、理久の育ちの良さは隠せないわ。でも、それって良いことだと私は思う。周りの人間をホッとさせるわ?」
理「お坊ちゃまと言えば、ジュンの方がずっとお金持ちの家だったけどな」
雪「だからね、何度も同じような事を言わせないで。ジュン君はお金には不自由しなかったけれど、愛には恵まれなかった。そして理久、あなたはそのまるで逆よ?あ、もしかしたら、ジュン君はそんな愛されオーラの強い理久だからこそ惹かれたのかも知れない。人は自分に無いものを追い求めたりするから」
理「う~ん、でも、とにかく俺はジュンを強引に切り離した。それだけは後悔している」
雪「そうね、ジュン君との出会いがあと十年後だったら、二人の関係は違っていたかもね」
理「そう思うと、ホントに人との出会いは不思議だね」
雪「まあ、あれよ、どんな人生になろうとも最終的には自己責任よ。もう一度言うけど、理久が責任を感じる必要は全くないわ、絶対に」
理「うん、ありがとう。雪絵のお陰で心が軽くなったよ。あとはその後、ジュンが幸せな大人になれていますようにって、只々祈るばかりだ」
雪「そうね。それは私も祈る。まあ、この祈りも何十年か遅いけどね。それにしても、やっぱり人との出会いって不思議なものね。こうして何十年も経ってから思い返して心を痛めるなんて……」
理「本当だね。不思議と言えば俺らの関係も不思議だよね」
雪「そうね、私達も不思議な関係と言えば確かにそうね」
理「ホントだね」
二人揃って
雪「しみじみ~」
理「しみじみ~」
雪「あ!ハッピー&アイスクリーム!!」
理「ややっ!負けた~」
雪「──って、何の事だか分からない人はお母さんかお婆ちゃんに聞きましょうwww」
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