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モノローグ ⑫
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──潮風の届く丘にて
親友に戻った──あの頃に良い思い出なんて何も無い。
あの頃は、本当に酷い状態だった。
あれならむしろ、後先考えずにきっぱり僕が出て行けば良かった。
折半していた家賃の事も、
負担してくれていた親の事も、
そしてピアノを抱えた和志の事も、何も考えずに飛び出せば良かった。
親友に戻った以上、無理に別々に暮らす理由もない。
僕達は変わらず一緒に暮した。
でも、いつまでもこんな不自然な暮らしが続くはずないって、
本当は分かっていたね、
──二人とも。
夢色のときめきは苛立ちに変わり、微笑みは苦笑に変わってしまった。
僕は君から目を背けた。
君のピアノを聴かなくなった。
僕の心に、アンダンテ・スピアナートはもう響かない──。
けれど、想い出は優しいね。
時を隔てて今振り返れば、
確かにそこに君はいた。
多くの苦悩に苛まれても、
それでも一緒に君がいた。
あの頃の二人があったから、
僕たち今、こうしていられる。
和志と二人、
こうしていられる。
──Memories of you
あの不自然で無理な生活、
僕がそれを終わらせた──。
親友に戻った──あの頃に良い思い出なんて何も無い。
あの頃は、本当に酷い状態だった。
あれならむしろ、後先考えずにきっぱり僕が出て行けば良かった。
折半していた家賃の事も、
負担してくれていた親の事も、
そしてピアノを抱えた和志の事も、何も考えずに飛び出せば良かった。
親友に戻った以上、無理に別々に暮らす理由もない。
僕達は変わらず一緒に暮した。
でも、いつまでもこんな不自然な暮らしが続くはずないって、
本当は分かっていたね、
──二人とも。
夢色のときめきは苛立ちに変わり、微笑みは苦笑に変わってしまった。
僕は君から目を背けた。
君のピアノを聴かなくなった。
僕の心に、アンダンテ・スピアナートはもう響かない──。
けれど、想い出は優しいね。
時を隔てて今振り返れば、
確かにそこに君はいた。
多くの苦悩に苛まれても、
それでも一緒に君がいた。
あの頃の二人があったから、
僕たち今、こうしていられる。
和志と二人、
こうしていられる。
──Memories of you
あの不自然で無理な生活、
僕がそれを終わらせた──。
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