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モノローグ ②
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──潮風の届く丘にて
思い出の情景に揺蕩い、ふと気が付けば、和志は仔犬を膝に抱き上げ、眼下の海を眺めている。
そんな和志を見ていると、僕の瞳の中にはつい昨日の事のように、君の子供時代の姿が鮮明に浮かぶ。
突然、僕の前に現れたあの時の君は輝いていた。
健康的な明るい笑顔と、屈託も無い素直な態度。
僕はあの時、驚きと戸惑いと、あまりの衝撃に声を発する事も出来なかったよ?
君と初めて出会ったあの時。
あの、得体の知れない大きな動揺。
──それが一体何だったのか、今なら容易に察しが付くのに。
だけど僕は、あの頃の僕は、ただただ自分が分からなかった。
そして君が恨めしかった。
君を目にし、声を聞く度、僕の心はざわついた。
そんな自分を持て余し、訳の分からぬ自分に悩み、僕は君に冷たく接した。
どうしてこんな、酷い態度が取れるのか。
どうしてこんな、冷たい言葉が言えるのか。
──そんな自分に驚きながらも、結局僕には、そうする事しか出来なかった。
それでも君は優しかったね。
頑なな僕の心を包み込もうとするように、君はいつでも明るかった。
そんな君の笑顔が眩し過ぎて、僕は益々意固地になった。
そんな君に嫌われたくて、僕は君を無視し続けた。
あんなに胸が痛んでいたのに。
あんなに涙で、目が潤んでいたのに。
──Memories of you
あの日の事は忘れない。
僕を素直にさせてくれた、
あの運命の、夏の日の出来事。
思い出の情景に揺蕩い、ふと気が付けば、和志は仔犬を膝に抱き上げ、眼下の海を眺めている。
そんな和志を見ていると、僕の瞳の中にはつい昨日の事のように、君の子供時代の姿が鮮明に浮かぶ。
突然、僕の前に現れたあの時の君は輝いていた。
健康的な明るい笑顔と、屈託も無い素直な態度。
僕はあの時、驚きと戸惑いと、あまりの衝撃に声を発する事も出来なかったよ?
君と初めて出会ったあの時。
あの、得体の知れない大きな動揺。
──それが一体何だったのか、今なら容易に察しが付くのに。
だけど僕は、あの頃の僕は、ただただ自分が分からなかった。
そして君が恨めしかった。
君を目にし、声を聞く度、僕の心はざわついた。
そんな自分を持て余し、訳の分からぬ自分に悩み、僕は君に冷たく接した。
どうしてこんな、酷い態度が取れるのか。
どうしてこんな、冷たい言葉が言えるのか。
──そんな自分に驚きながらも、結局僕には、そうする事しか出来なかった。
それでも君は優しかったね。
頑なな僕の心を包み込もうとするように、君はいつでも明るかった。
そんな君の笑顔が眩し過ぎて、僕は益々意固地になった。
そんな君に嫌われたくて、僕は君を無視し続けた。
あんなに胸が痛んでいたのに。
あんなに涙で、目が潤んでいたのに。
──Memories of you
あの日の事は忘れない。
僕を素直にさせてくれた、
あの運命の、夏の日の出来事。
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