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七粒目 野茨闇 ~『落花流水の情』の巻~
その七 「凍れる宮」の秘密を探るため、典薬寮へ行ったのですが……?!
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碧巌城の後宮には、后妃たちの住まいとして、十六の宮殿が建てられている。
その中に、長年にわたり空いたままになっている宮殿が一つある。
「白珠宮」という名の宮殿で、二百年以上使われていない。
長い間、時が止まったままのようになっていることから、白珠宮は、後宮の女官たちから、いつしか「凍れる宮」と呼ばれるようになった。
その昔、そこには皇后が住んでいたそうだが、皇帝の寵愛が、ある貴妃に注がれたことを嘆き悲しむうちに病を患い、若くして亡くなってしまったという。
その後、何人かの后妃がこの宮殿をあてがわれたらしいが、不吉な出来事が続き、やがて誰も住まなくなった――。
「いろいろな噂があるのです。夜中に亡くなった皇后の泣き声が聞こえるとか、月夜の晩には屋根の上に白い人影が見えるとか――。今でも、年に一度は、手入れや掃除のために人が入るのですが、中に入った者の内、必ず一人はその年のうちに亡くなるという話が、まことしやかに語り継がれています」
わたしたちは、寝室の隣の小さな居間に移動し、お茶を飲みながら、蘭玲姉様が語る「凍れる宮」の話に耳を傾けていた。
姉様の頬は、うっすらと紅をさしたような色になり、体に霊力が満ちてきたように見える。話をする声も、ずいぶんと張りが出てきた。
わたしは、姉様の茶碗に、少しだけ快癒水を垂らしながら尋ねた。
「なぜ、姉様は、天空花園からこぼれ落ちた種核が、『凍れる宮』にあると思ったのですか?」
「わたしは――、見たのですよ。種核と思われるものが、白珠宮へ落ちるのを――。
あれは、劉星様がお生まれになる前の晩のことでした。二日前から翠姫様に付き添っていた医師から、出産の兆しが見られると言われ、わたしは後宮典薬寮へ知らせに走りました。
その道すがら、怪しい気配を感じて空を見上げたところ、小さな光の球が夜空を横切り、白珠宮の屋根に吸い込まれるように消えるのを見たのです。嫌な予感がしましたけれど、その後、劉星様のご誕生やそれにまつわる儀式などで忙しい日々が続き、すっかり失念していました。
天空花園の件で、翠姫様に天帝様からお召しがあり、ようやくわたしは、白珠宮に落ちた光の球のことを思い出したのです。でも、翠姫様と雨涵が天界に戻ってからは、皇子のお世話に追われ、気になりながらも白珠宮に近づく機会はありませんでした。ですが――」
今から十日ほど前――。
「秀女選抜」が近づき、後宮内がその準備で慌ただしくなった頃、実家が織物商であることから、皇子に衣を贈ってくれた呉妃にお礼の品を届けるため、姉様は、呉妃のお住まいである柘榴宮を訪ねたそうだ。
柘榴宮は、白珠宮と同じ東の宮の一画にある。
柘榴宮に向かう途中、白珠宮の閉ざされた門の前を通ったとき、姉様は人の呻き声を聞いたという。
「小さな声でした。最初は、気のせいかと思い通り過ぎようとしたのですが、再び聞こえてきたので、わたしは、そっと門を押してみたのです。固定されているように見えた門が、人一人通り抜けられるぐらい開くことがわかりました。
門から頭を突き出し、中庭越しに声の出所を確かめていたときです。何者かに、後ろからきつい臭いがする布を顔に押し当てられ、わたしは気を失ってしまいました」
姉様は、柘榴宮の門の手前で倒れているところを、たまたま通りかかった女官に見つけられ翡翠宮に運ばれたそうだ。
そして、そのまま声も出せず意識も朦朧とし、寝付いてしまったということだ。
「白珠宮の屋根に落ちた光の球は、天空花園から落ちた種核に間違いあるまい。時期的にもぴったり合うようじゃしな。そして、それとは別に、いやそれを利用してかもしれんが、白珠宮で何か良からぬ企みが動き出したのじゃろう」
卓の上に移動し、茶器の縁についた茶を器用に嘗めながら、夏先生が言った。
「蘭玲が嗅がされたのは、弱い毒薬の一種じゃろう。皇子付きの侍女である蘭玲が、急に亡くなったり行方知れずになったりしては、さすがに騒ぎになるので、とりあえず白珠宮のことを誰にも伝えられないように、声や気力を奪ったということじゃな」
「老夏、後宮典薬寮の医師や薬師が手を尽くしても解毒することができなかった毒薬とは、どのようなものでしょうか?」
皇帝の命を受け、医師も薬師も必死で姉様の治療に取り組んだに違いない。
それでも、姉様の病状が良くならなかったということは、その毒薬が、医師やや薬師も扱ったことのない特別な物であったからだろう。
「おそらくは、魔界から持ち込まれた物であろうな」
「魔界から?!」
「深緑も見たじゃろう? 災媛が、花弁が落ちた蓮の花を刈り取っていったのを――。魔軍は、妍国の後宮をつかって、何かとんでもない災厄を人間界に引き起こそうとしているのかもしれん。蓮の花や白珠宮に落ちた種核を、それに利用するつもりではないじゃろうか?」
思阿さん――馮将軍は、巧林で、人間界に紛れ込んでいた災媛に気づき、廣武まで追跡していったのだった。
災媛は、一度魔界へ去った後、また人間界に戻ってきているのだろうか?
もしかしたら、すでにこの後宮に入り込んでいて……。
「白珠宮の異変に魔軍が関わっているのなら、深緑の力だけではどうにもならん。確かな証を掴んだなら、天帝様にお知らせするべきじゃと思うが――」
「そうですよ、深緑。勝手に動いて、わたしのようなことになっては、大事な務めも果たせませんよ!」
二人とも、今すぐにでも、わたしが白珠宮へ乗り込んでいくと思っているようだ。心配そうに、わたしの方を見ていた。
わたしは、確かに粗忽者ではありますが、そこまで考えなしじゃないですよ!
「だからといって、翡翠宮にとどまっていては何もわかりません。わたしは、陛下にお願いして、しばらくの間、後宮典薬寮で働かせていただこうと思うのです。
典薬寮には毎日大勢の人が出入りするはずです。そこで、わたしの薬水の評判を聞いて訪ねてきた人々から、白珠宮に関する噂や不思議な出来事などを聞き出してみるというのはどうでしょうか?」
「それはいいかもしれん。だが、もし、そういう連中の中に、魔軍の手の者が紛れていたらどうする? 今度は、おぬしが命を狙われるかもしれんぞ?」
そうなのだ――。わたしは、単なる庭番天女。
霊力は備えているが、それは、天の柄杓を使って、天水の力で種核を天へ返すためのもの。魔軍と戦う力なんてない……。
ああ、こんなとき、あの人がいてくれたら――。
「深緑……、おぬし……、今、思阿のことを考えていたじゃろう?」
「えっ?! ラ、老夏! へ、変なこと、言わないでください!」
「フォッ、フォッ、フォッ! 図星だったようじゃな?」
うっかり思い浮かべてしまったけれど、わたしは、まだ思阿さんを許したわけじゃない。優しそうな顔をして、わたしのことをずっと騙して笑っていた――。
あの人は放浪の詩人なんかじゃなくて、天帝五軍の黄龍軍将軍だった……。
玄姫様の命に従って、しかたなく下天してきただけの……。
「まあ、深緑ったら、赤くなって……。もしかして、恋情の相手というのは――」
「もう、姉様まで! その話は、終わりにしてください!」
わたしは、わざとぷりぷりしながら、また来ることを約束して翡翠宮を後にした。
蘭玲姉様には、毒を嗅がせた人物がわかるまで、翡翠宮内で静かに過ごすように頼んだ。
その夜もまた、皇帝は天藍宮へ渡ってきた。
わたしは早速、昼間、翡翠宮で聞いたことを皇帝に伝え、わたしの計画を話した。さすがに魔軍のことは言えなかったが、皇帝も、間違いなく白珠宮で何か妙なことが起きていると考えたようだった。
わたしの話を聞き終わると、明日にでも、後宮典薬寮の寮長に引き合わせると言ってくれた。
◇ ◇ ◇
翌日――。
また天藍宮を留守にすることを、貞海様に詫びながら、わたしは迎えの薬師と一緒に、後宮典薬寮へ向かった。
典薬寮は、皇帝が政務を行う澄響宮からほど近い場所にあった。
寮長は、童永さんという壮齢の女の人だった。
蘭玲姉様が、わたしの薬水で回復するところを見ていたそうで、ぜひ、典薬寮の治療を手伝って欲しいと言われた。
「あなたの薬水は特別な物ですからね。もしかすると、後宮の外からも治療の要請があるかもしれません。あなたが一人で城内を移動するのは不便や危険も多かろうと陛下が心配されて、警護に当たる衛士を一人寄越してくださいました。
まだ、衛士に採用されて間もない者のようですが、たいそう腕が立つそうですし、立派な方のご推挙があったとかで、陛下の信頼が厚い人物のようです」
童永さんが、近くにいた女官に声をかけると、女官は奥の部屋へその衛士を呼びに行った。
やがて、女官と一緒に姿を現したのは――。
「シ、思阿さん……?!」
わたしの前に、衛士の格好をした思阿さんが、少し緊張した様子で立っていた。
その中に、長年にわたり空いたままになっている宮殿が一つある。
「白珠宮」という名の宮殿で、二百年以上使われていない。
長い間、時が止まったままのようになっていることから、白珠宮は、後宮の女官たちから、いつしか「凍れる宮」と呼ばれるようになった。
その昔、そこには皇后が住んでいたそうだが、皇帝の寵愛が、ある貴妃に注がれたことを嘆き悲しむうちに病を患い、若くして亡くなってしまったという。
その後、何人かの后妃がこの宮殿をあてがわれたらしいが、不吉な出来事が続き、やがて誰も住まなくなった――。
「いろいろな噂があるのです。夜中に亡くなった皇后の泣き声が聞こえるとか、月夜の晩には屋根の上に白い人影が見えるとか――。今でも、年に一度は、手入れや掃除のために人が入るのですが、中に入った者の内、必ず一人はその年のうちに亡くなるという話が、まことしやかに語り継がれています」
わたしたちは、寝室の隣の小さな居間に移動し、お茶を飲みながら、蘭玲姉様が語る「凍れる宮」の話に耳を傾けていた。
姉様の頬は、うっすらと紅をさしたような色になり、体に霊力が満ちてきたように見える。話をする声も、ずいぶんと張りが出てきた。
わたしは、姉様の茶碗に、少しだけ快癒水を垂らしながら尋ねた。
「なぜ、姉様は、天空花園からこぼれ落ちた種核が、『凍れる宮』にあると思ったのですか?」
「わたしは――、見たのですよ。種核と思われるものが、白珠宮へ落ちるのを――。
あれは、劉星様がお生まれになる前の晩のことでした。二日前から翠姫様に付き添っていた医師から、出産の兆しが見られると言われ、わたしは後宮典薬寮へ知らせに走りました。
その道すがら、怪しい気配を感じて空を見上げたところ、小さな光の球が夜空を横切り、白珠宮の屋根に吸い込まれるように消えるのを見たのです。嫌な予感がしましたけれど、その後、劉星様のご誕生やそれにまつわる儀式などで忙しい日々が続き、すっかり失念していました。
天空花園の件で、翠姫様に天帝様からお召しがあり、ようやくわたしは、白珠宮に落ちた光の球のことを思い出したのです。でも、翠姫様と雨涵が天界に戻ってからは、皇子のお世話に追われ、気になりながらも白珠宮に近づく機会はありませんでした。ですが――」
今から十日ほど前――。
「秀女選抜」が近づき、後宮内がその準備で慌ただしくなった頃、実家が織物商であることから、皇子に衣を贈ってくれた呉妃にお礼の品を届けるため、姉様は、呉妃のお住まいである柘榴宮を訪ねたそうだ。
柘榴宮は、白珠宮と同じ東の宮の一画にある。
柘榴宮に向かう途中、白珠宮の閉ざされた門の前を通ったとき、姉様は人の呻き声を聞いたという。
「小さな声でした。最初は、気のせいかと思い通り過ぎようとしたのですが、再び聞こえてきたので、わたしは、そっと門を押してみたのです。固定されているように見えた門が、人一人通り抜けられるぐらい開くことがわかりました。
門から頭を突き出し、中庭越しに声の出所を確かめていたときです。何者かに、後ろからきつい臭いがする布を顔に押し当てられ、わたしは気を失ってしまいました」
姉様は、柘榴宮の門の手前で倒れているところを、たまたま通りかかった女官に見つけられ翡翠宮に運ばれたそうだ。
そして、そのまま声も出せず意識も朦朧とし、寝付いてしまったということだ。
「白珠宮の屋根に落ちた光の球は、天空花園から落ちた種核に間違いあるまい。時期的にもぴったり合うようじゃしな。そして、それとは別に、いやそれを利用してかもしれんが、白珠宮で何か良からぬ企みが動き出したのじゃろう」
卓の上に移動し、茶器の縁についた茶を器用に嘗めながら、夏先生が言った。
「蘭玲が嗅がされたのは、弱い毒薬の一種じゃろう。皇子付きの侍女である蘭玲が、急に亡くなったり行方知れずになったりしては、さすがに騒ぎになるので、とりあえず白珠宮のことを誰にも伝えられないように、声や気力を奪ったということじゃな」
「老夏、後宮典薬寮の医師や薬師が手を尽くしても解毒することができなかった毒薬とは、どのようなものでしょうか?」
皇帝の命を受け、医師も薬師も必死で姉様の治療に取り組んだに違いない。
それでも、姉様の病状が良くならなかったということは、その毒薬が、医師やや薬師も扱ったことのない特別な物であったからだろう。
「おそらくは、魔界から持ち込まれた物であろうな」
「魔界から?!」
「深緑も見たじゃろう? 災媛が、花弁が落ちた蓮の花を刈り取っていったのを――。魔軍は、妍国の後宮をつかって、何かとんでもない災厄を人間界に引き起こそうとしているのかもしれん。蓮の花や白珠宮に落ちた種核を、それに利用するつもりではないじゃろうか?」
思阿さん――馮将軍は、巧林で、人間界に紛れ込んでいた災媛に気づき、廣武まで追跡していったのだった。
災媛は、一度魔界へ去った後、また人間界に戻ってきているのだろうか?
もしかしたら、すでにこの後宮に入り込んでいて……。
「白珠宮の異変に魔軍が関わっているのなら、深緑の力だけではどうにもならん。確かな証を掴んだなら、天帝様にお知らせするべきじゃと思うが――」
「そうですよ、深緑。勝手に動いて、わたしのようなことになっては、大事な務めも果たせませんよ!」
二人とも、今すぐにでも、わたしが白珠宮へ乗り込んでいくと思っているようだ。心配そうに、わたしの方を見ていた。
わたしは、確かに粗忽者ではありますが、そこまで考えなしじゃないですよ!
「だからといって、翡翠宮にとどまっていては何もわかりません。わたしは、陛下にお願いして、しばらくの間、後宮典薬寮で働かせていただこうと思うのです。
典薬寮には毎日大勢の人が出入りするはずです。そこで、わたしの薬水の評判を聞いて訪ねてきた人々から、白珠宮に関する噂や不思議な出来事などを聞き出してみるというのはどうでしょうか?」
「それはいいかもしれん。だが、もし、そういう連中の中に、魔軍の手の者が紛れていたらどうする? 今度は、おぬしが命を狙われるかもしれんぞ?」
そうなのだ――。わたしは、単なる庭番天女。
霊力は備えているが、それは、天の柄杓を使って、天水の力で種核を天へ返すためのもの。魔軍と戦う力なんてない……。
ああ、こんなとき、あの人がいてくれたら――。
「深緑……、おぬし……、今、思阿のことを考えていたじゃろう?」
「えっ?! ラ、老夏! へ、変なこと、言わないでください!」
「フォッ、フォッ、フォッ! 図星だったようじゃな?」
うっかり思い浮かべてしまったけれど、わたしは、まだ思阿さんを許したわけじゃない。優しそうな顔をして、わたしのことをずっと騙して笑っていた――。
あの人は放浪の詩人なんかじゃなくて、天帝五軍の黄龍軍将軍だった……。
玄姫様の命に従って、しかたなく下天してきただけの……。
「まあ、深緑ったら、赤くなって……。もしかして、恋情の相手というのは――」
「もう、姉様まで! その話は、終わりにしてください!」
わたしは、わざとぷりぷりしながら、また来ることを約束して翡翠宮を後にした。
蘭玲姉様には、毒を嗅がせた人物がわかるまで、翡翠宮内で静かに過ごすように頼んだ。
その夜もまた、皇帝は天藍宮へ渡ってきた。
わたしは早速、昼間、翡翠宮で聞いたことを皇帝に伝え、わたしの計画を話した。さすがに魔軍のことは言えなかったが、皇帝も、間違いなく白珠宮で何か妙なことが起きていると考えたようだった。
わたしの話を聞き終わると、明日にでも、後宮典薬寮の寮長に引き合わせると言ってくれた。
◇ ◇ ◇
翌日――。
また天藍宮を留守にすることを、貞海様に詫びながら、わたしは迎えの薬師と一緒に、後宮典薬寮へ向かった。
典薬寮は、皇帝が政務を行う澄響宮からほど近い場所にあった。
寮長は、童永さんという壮齢の女の人だった。
蘭玲姉様が、わたしの薬水で回復するところを見ていたそうで、ぜひ、典薬寮の治療を手伝って欲しいと言われた。
「あなたの薬水は特別な物ですからね。もしかすると、後宮の外からも治療の要請があるかもしれません。あなたが一人で城内を移動するのは不便や危険も多かろうと陛下が心配されて、警護に当たる衛士を一人寄越してくださいました。
まだ、衛士に採用されて間もない者のようですが、たいそう腕が立つそうですし、立派な方のご推挙があったとかで、陛下の信頼が厚い人物のようです」
童永さんが、近くにいた女官に声をかけると、女官は奥の部屋へその衛士を呼びに行った。
やがて、女官と一緒に姿を現したのは――。
「シ、思阿さん……?!」
わたしの前に、衛士の格好をした思阿さんが、少し緊張した様子で立っていた。
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