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二粒目 美貌蔓 ~『美人というのも皮一重』の巻~
その六 秋桂楼の秘密を探りたいので、思阿さんに一肌脱いでもらいました!
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しばらくすると、芳菊さんの口から、きらきらした靄のようなものが溢れ出てきて、彼女の顔全体を覆った。
靄越しに、芳菊さんの顔形が、見る間に変わっていくのがわかった。
少しだけ苦しい表情をしているが、大きな痛みなどはないようだ。
やがて、靄が消えたとき、そこには芳菊を名乗っていた人とは全くの別人が座っていた。
十六、七と思われるその娘さんは、ぽっちゃりと丸い顔をしていて、ぷっくり膨らんだ唇には自然な赤みがさしていた。美女とは言いにくいけれど、それはそれで年相応の可愛らしい顔だ。
彼女は、快癒水の力で元の顔を取り戻したのだった。快癒水、恐るべし!
やがて、芳菊さんが、閉じていた目をゆっくりと開いた。
手を顔にやって、不安そうにいろいろなところを撫でている。
彼女の顔が変わる様子を、固唾を飲んで見つめていた学亮さんは、はっとして我に返ると急いで侍女を呼んだ。
「鏡を! 手鏡を一つ、持ってきておくれ!」
学亮さんは、侍女から手鏡を受け取ると、それを芳菊さんに差し出した。
こわごわと、手にした手鏡をのぞき込む芳菊さん――。
見開いた両目には、たちまち涙が盛り上がり、はらはらとその丸い頬をこぼれ落ちていった。
「あ、ああ……、わ、わたしの顔です……。秋桂楼に来る前の、本当の自分の顔に戻ることができました……。あ、ありがとうございます! 深緑様、ありがとうございます!」
手鏡を抱きしめて、涙ながらにお礼の言葉を繰り返す芳菊さんを見ていたら、わたしも思わずもらい泣きしてしまった。
手巾を探して、懐の辺りをもぞもぞと探っていたら、目の前に白い手巾が差し出された。
「どうぞ、使ってください」
思阿さんが、微笑んでいた。ふーん、意外と気が利くところがあるのね!
お礼を言って手巾を受け取り、涙を拭いたのだけど、最後に鼻までかんでしまった……。
使い終わった手巾は、自分の懐に入れた。
あとで、ちゃんと洗って返しますから、と言って――。
「両親は、わたしたちが出かけた後に起きてきて、今は店へ戻っているそうです。わたしはこれから店へ行き、美貌水を使った秋桂楼の商売について、父やほかの妓楼の楼主に話してみます。わたしの話を聞けば、おそらく楼主組合が相談し、秋桂楼を調べることになるでしょう。
だから、芳菊さんは何も心配せずに、しばらくこの邸で体を休めてください。必ず、生まれ故郷へ帰れるようにしますから」
「学亮様、何とお礼を申せば良いか……」
再び涙に暮れた芳菊さんは、侍女に付き添われ客間へと戻っていった。
その後ろ姿を見送ったあと、まだまだ興奮冷めやらぬという感じで、学亮さんはわたしの方へ向き直ると言った。
「いやはや、たまげました! 素晴らしい薬水ですね。まさに奇跡の妙薬です。おそらく調剤の方法などは、門外不出のものなのでしょう。昨日に続き、今日も驚かせていただきました。
こちらがお誘いしたのに、普斎のご案内は、ここまでということになりました。申し訳ありません。この後、深緑さんたちはどうされますか?」
「町の様子もわかってきたので、後は、案内をしていただかなくても観光はできそうです。わたしたちのことは、心配しないでください。それよりも――」
そう、わたしはわたしで、秋桂楼のことが気になっている。
あのとき店の裏で感じた、おかしな寒気の原因を知りたい。
そして、できれば秋桂楼が、どうやって美貌水を手に入れているのかを調べてみたい。だってこれは、どうやらわたしが探す種核に関係があることのような気がするのだもの。
夏先生の考えを早く聞いてみたいのだけど――。
わたしは、ちらりと思阿さんを見た。
夏先生とゆっくり話すには、思阿さんと別行動をとる必要がある。
思阿さんから離れて、夏先生の考えを聞く時間を、どうしたら作れるかしら?
思阿さんが、わたしから離れてできる仕事といったら……。そうか!
「学亮さん、わたしたちも春霞楼に連れて行っていただけませんか? 昨晩は、あの騒ぎで妓楼の中をよく拝見できませんでしたので――。
そうだわ! こう見えて、思阿さんの本業は詩人なんです。芸妓さんたちは、宴席で詩作を披露することもあるのですよね? 思阿さんに、詩の講義をお願いしてはいかがでしょうか?」
「それはいい! 是非、うちの芸妓たちにご教示ください、思阿さん。お願いいたします」
考えてみれば、自称・修業中の旅する詩人なだけで、実際に、思阿さんが詩について語ったり、詩作に励んだりするところを、わたしも見たことがない。
そろそろ、その実力をご披露いただいてもいい頃よね。
「そ、それは……、ちょっと……。俺は、今は、深緑さんの用心棒ですから!」
「いいんですよ、わたしに遠慮しなくても! たまには、ご自分の本業にも励まなくては、修業の旅をしている意味がないじゃないですか!」
「いや、しかし……」とか「ご教示などとは」とか、ぶつぶつ言っている思阿さんを、押し込むようにして舟に乗せ、わたしたちは春霞楼へ舳先を向けた。
◇ ◇ ◇
昼どきの繁華街は、茶館や酒楼に出入りする人で賑わっていた。
いくつかの妓楼からは、芸妓たちが歌舞音曲の稽古に励む、雅な音が漏れ聞こえてきた。
お邸の下回りの者が知らせに走ってくれていたようで、春霞楼の門前で、如賢さんが待っていた。
「深緑さん、昨晩あなたの薬水で回復した芸妓たちが、是非お礼を申したいと言って待っております。お顔を出していただけますか?」
「あ、はい、もちろんです!」
洪亮様が待つ離れに行くという学亮さんとは、玄関の前で別れた。
思阿さんとわたしは、如賢さんに案内され、春霞楼の店の中へ入った。
店の玄関から近い寄付のような場所に、三人の愛らしい芸妓が待っていた。
如賢さんによると、三人とも最近ようやく一人前の芸妓として、店に出られるようになったばかりの娘だということだ。
この娘たちなら、控えの間に美味しそうなお菓子があったら、よく確かめもせずに食べてしまうわよね。
たぶん、わたしだってそうすると思う……。
「わたしは、春霞楼の芸妓で春黛と申します。こちらの二人は、春蕾と春柔でございます。深緑様、昨晩は、貴重な薬水をお分けいただき、ありがとうございました。おかげさまで、皆このように元気になりました!」
三人の中で一番の年嵩らしい春黛さんが、少しもじもじしながらわたしに礼を述べた。
ほかの二人も、にこにこしながらわたしの方を見て、恥ずかしそうに軽く頭を下げた。
「皆さん、お元気になられて良かったです。今日は、こちらにいる詩人の思阿さんが、皆さんに詩作の手ほどきをしてくれることになりました。頑張ってくださいね」
「まあ、嬉しい! こんな素敵な方にご教示いただけるんですね!」
「詩を作るよりも、お顔ばかり見つめてしまいそうですわ!」
「思阿様、これまでに作った詩も、見ていただけますか?」
きゃっきゃとはしゃぐ芸妓たちから逃れるように、困り顔の思阿さんは、廊下を歩き出したわたしの後に慌てて付いてきた。
そういえば、思阿さんは、宴席ではいつもお酒を飲んでばかりで、女の人にお酒をすすめることはあっても、打ち解けて話すところを見たことがない。
もしかして、女の人と話すのが苦手なのかしら?
ごめんなさい、思阿さん!
わたしが、夏先生と話をしている間、頑張って芸妓さんたちの詩の先生を務めてくださいね!
わたしは、心の中でこっそり詫びておくことにした。
その後、わたしたちは如賢さんに、妓楼の中をざっと案内してもらった。
素晴らしい細工を施した家具や、楼内にさりげなく飾られた絵画や七宝の作品を鑑賞した。いかにも、上客が訪れる高級な妓楼という感じだ。
しばらくすると、妓楼の下回りの女の子が、「皆さん、広間に揃いました」と告げに来た。
わたしは、庭を見せてもらうことにして、二人を広間へ送り出した。
よし、これでようやく一人になれたわ!
夏先生と今後のことを話し合わなくては――。
わたしは、人目を気にしつつ、ひっそりと静まりかえった中庭へ出た。
建物から死角になっている場所を探し、庭石に腰を下ろした。
「老夏、出てきてください。今は、だれも周りにいませんから、大丈夫ですよ!」
わたしの呼びかけに答えるように、虫籠の蓋が開き、夏先生がひょっこりと顔を出した。
夏先生は、虫籠の中で、芳菊さんが語った秋桂楼の秘密をしっかり聞いていたようだ。
「秋桂楼の美貌水には、種核が関係しておるとみてよいじゃろう。美しくなりたい者の欲とそれで金儲けをしたい者の欲をこやしにして、顔を変える水などという禍々しいものの材料になる草木が育ったのであろうな。
あの妓楼の周囲では、草木が皆枯れておった。育った種核が、地中でも何か悪さをしているということかもしれぬ。」
「秋桂楼に入り込んで、直接調べる必要がありますね?」
「そうじゃな――」
―― カサッ……
えっ? 誰? いや、誰もいないはずなのだけど……。
「深緑さん? そこで話をしているのは、深緑さん、ですよね?」
うわっ?! そ、その声は?!
靄越しに、芳菊さんの顔形が、見る間に変わっていくのがわかった。
少しだけ苦しい表情をしているが、大きな痛みなどはないようだ。
やがて、靄が消えたとき、そこには芳菊を名乗っていた人とは全くの別人が座っていた。
十六、七と思われるその娘さんは、ぽっちゃりと丸い顔をしていて、ぷっくり膨らんだ唇には自然な赤みがさしていた。美女とは言いにくいけれど、それはそれで年相応の可愛らしい顔だ。
彼女は、快癒水の力で元の顔を取り戻したのだった。快癒水、恐るべし!
やがて、芳菊さんが、閉じていた目をゆっくりと開いた。
手を顔にやって、不安そうにいろいろなところを撫でている。
彼女の顔が変わる様子を、固唾を飲んで見つめていた学亮さんは、はっとして我に返ると急いで侍女を呼んだ。
「鏡を! 手鏡を一つ、持ってきておくれ!」
学亮さんは、侍女から手鏡を受け取ると、それを芳菊さんに差し出した。
こわごわと、手にした手鏡をのぞき込む芳菊さん――。
見開いた両目には、たちまち涙が盛り上がり、はらはらとその丸い頬をこぼれ落ちていった。
「あ、ああ……、わ、わたしの顔です……。秋桂楼に来る前の、本当の自分の顔に戻ることができました……。あ、ありがとうございます! 深緑様、ありがとうございます!」
手鏡を抱きしめて、涙ながらにお礼の言葉を繰り返す芳菊さんを見ていたら、わたしも思わずもらい泣きしてしまった。
手巾を探して、懐の辺りをもぞもぞと探っていたら、目の前に白い手巾が差し出された。
「どうぞ、使ってください」
思阿さんが、微笑んでいた。ふーん、意外と気が利くところがあるのね!
お礼を言って手巾を受け取り、涙を拭いたのだけど、最後に鼻までかんでしまった……。
使い終わった手巾は、自分の懐に入れた。
あとで、ちゃんと洗って返しますから、と言って――。
「両親は、わたしたちが出かけた後に起きてきて、今は店へ戻っているそうです。わたしはこれから店へ行き、美貌水を使った秋桂楼の商売について、父やほかの妓楼の楼主に話してみます。わたしの話を聞けば、おそらく楼主組合が相談し、秋桂楼を調べることになるでしょう。
だから、芳菊さんは何も心配せずに、しばらくこの邸で体を休めてください。必ず、生まれ故郷へ帰れるようにしますから」
「学亮様、何とお礼を申せば良いか……」
再び涙に暮れた芳菊さんは、侍女に付き添われ客間へと戻っていった。
その後ろ姿を見送ったあと、まだまだ興奮冷めやらぬという感じで、学亮さんはわたしの方へ向き直ると言った。
「いやはや、たまげました! 素晴らしい薬水ですね。まさに奇跡の妙薬です。おそらく調剤の方法などは、門外不出のものなのでしょう。昨日に続き、今日も驚かせていただきました。
こちらがお誘いしたのに、普斎のご案内は、ここまでということになりました。申し訳ありません。この後、深緑さんたちはどうされますか?」
「町の様子もわかってきたので、後は、案内をしていただかなくても観光はできそうです。わたしたちのことは、心配しないでください。それよりも――」
そう、わたしはわたしで、秋桂楼のことが気になっている。
あのとき店の裏で感じた、おかしな寒気の原因を知りたい。
そして、できれば秋桂楼が、どうやって美貌水を手に入れているのかを調べてみたい。だってこれは、どうやらわたしが探す種核に関係があることのような気がするのだもの。
夏先生の考えを早く聞いてみたいのだけど――。
わたしは、ちらりと思阿さんを見た。
夏先生とゆっくり話すには、思阿さんと別行動をとる必要がある。
思阿さんから離れて、夏先生の考えを聞く時間を、どうしたら作れるかしら?
思阿さんが、わたしから離れてできる仕事といったら……。そうか!
「学亮さん、わたしたちも春霞楼に連れて行っていただけませんか? 昨晩は、あの騒ぎで妓楼の中をよく拝見できませんでしたので――。
そうだわ! こう見えて、思阿さんの本業は詩人なんです。芸妓さんたちは、宴席で詩作を披露することもあるのですよね? 思阿さんに、詩の講義をお願いしてはいかがでしょうか?」
「それはいい! 是非、うちの芸妓たちにご教示ください、思阿さん。お願いいたします」
考えてみれば、自称・修業中の旅する詩人なだけで、実際に、思阿さんが詩について語ったり、詩作に励んだりするところを、わたしも見たことがない。
そろそろ、その実力をご披露いただいてもいい頃よね。
「そ、それは……、ちょっと……。俺は、今は、深緑さんの用心棒ですから!」
「いいんですよ、わたしに遠慮しなくても! たまには、ご自分の本業にも励まなくては、修業の旅をしている意味がないじゃないですか!」
「いや、しかし……」とか「ご教示などとは」とか、ぶつぶつ言っている思阿さんを、押し込むようにして舟に乗せ、わたしたちは春霞楼へ舳先を向けた。
◇ ◇ ◇
昼どきの繁華街は、茶館や酒楼に出入りする人で賑わっていた。
いくつかの妓楼からは、芸妓たちが歌舞音曲の稽古に励む、雅な音が漏れ聞こえてきた。
お邸の下回りの者が知らせに走ってくれていたようで、春霞楼の門前で、如賢さんが待っていた。
「深緑さん、昨晩あなたの薬水で回復した芸妓たちが、是非お礼を申したいと言って待っております。お顔を出していただけますか?」
「あ、はい、もちろんです!」
洪亮様が待つ離れに行くという学亮さんとは、玄関の前で別れた。
思阿さんとわたしは、如賢さんに案内され、春霞楼の店の中へ入った。
店の玄関から近い寄付のような場所に、三人の愛らしい芸妓が待っていた。
如賢さんによると、三人とも最近ようやく一人前の芸妓として、店に出られるようになったばかりの娘だということだ。
この娘たちなら、控えの間に美味しそうなお菓子があったら、よく確かめもせずに食べてしまうわよね。
たぶん、わたしだってそうすると思う……。
「わたしは、春霞楼の芸妓で春黛と申します。こちらの二人は、春蕾と春柔でございます。深緑様、昨晩は、貴重な薬水をお分けいただき、ありがとうございました。おかげさまで、皆このように元気になりました!」
三人の中で一番の年嵩らしい春黛さんが、少しもじもじしながらわたしに礼を述べた。
ほかの二人も、にこにこしながらわたしの方を見て、恥ずかしそうに軽く頭を下げた。
「皆さん、お元気になられて良かったです。今日は、こちらにいる詩人の思阿さんが、皆さんに詩作の手ほどきをしてくれることになりました。頑張ってくださいね」
「まあ、嬉しい! こんな素敵な方にご教示いただけるんですね!」
「詩を作るよりも、お顔ばかり見つめてしまいそうですわ!」
「思阿様、これまでに作った詩も、見ていただけますか?」
きゃっきゃとはしゃぐ芸妓たちから逃れるように、困り顔の思阿さんは、廊下を歩き出したわたしの後に慌てて付いてきた。
そういえば、思阿さんは、宴席ではいつもお酒を飲んでばかりで、女の人にお酒をすすめることはあっても、打ち解けて話すところを見たことがない。
もしかして、女の人と話すのが苦手なのかしら?
ごめんなさい、思阿さん!
わたしが、夏先生と話をしている間、頑張って芸妓さんたちの詩の先生を務めてくださいね!
わたしは、心の中でこっそり詫びておくことにした。
その後、わたしたちは如賢さんに、妓楼の中をざっと案内してもらった。
素晴らしい細工を施した家具や、楼内にさりげなく飾られた絵画や七宝の作品を鑑賞した。いかにも、上客が訪れる高級な妓楼という感じだ。
しばらくすると、妓楼の下回りの女の子が、「皆さん、広間に揃いました」と告げに来た。
わたしは、庭を見せてもらうことにして、二人を広間へ送り出した。
よし、これでようやく一人になれたわ!
夏先生と今後のことを話し合わなくては――。
わたしは、人目を気にしつつ、ひっそりと静まりかえった中庭へ出た。
建物から死角になっている場所を探し、庭石に腰を下ろした。
「老夏、出てきてください。今は、だれも周りにいませんから、大丈夫ですよ!」
わたしの呼びかけに答えるように、虫籠の蓋が開き、夏先生がひょっこりと顔を出した。
夏先生は、虫籠の中で、芳菊さんが語った秋桂楼の秘密をしっかり聞いていたようだ。
「秋桂楼の美貌水には、種核が関係しておるとみてよいじゃろう。美しくなりたい者の欲とそれで金儲けをしたい者の欲をこやしにして、顔を変える水などという禍々しいものの材料になる草木が育ったのであろうな。
あの妓楼の周囲では、草木が皆枯れておった。育った種核が、地中でも何か悪さをしているということかもしれぬ。」
「秋桂楼に入り込んで、直接調べる必要がありますね?」
「そうじゃな――」
―― カサッ……
えっ? 誰? いや、誰もいないはずなのだけど……。
「深緑さん? そこで話をしているのは、深緑さん、ですよね?」
うわっ?! そ、その声は?!
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