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二粒目 美貌蔓 ~『美人というのも皮一重』の巻~
その五 秋桂楼の美女のからくりが、わかってしまいました!
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途中で誰かに呼び止められることもなく、舟は、無事に戴家の船着き場に到着した。
筵をどかしてみると、女の人は上着を被ったまま、寝息を立てて眠っていた。
「起こすのも可哀想ですね。俺が、抱えていきましょう」
そう言って、思阿さんは、女の人をひょいっと抱き上げて、お邸の建物まで運んでいった。
あの人ったら、思阿さんの腕の中で、気持ちよさそうに眠っている……、いいなあ……。
ん? 何を考えているんだろう、わたしは?!
玄関に迎えに出てきた侍女に、学亮さんが、客間を一つ用意させた。
思阿さんが客間へ運んでいき、そこにある寝台へ下ろしても、まだ女の人は目覚めなかった。
◇ ◇ ◇
「深緑さん、あの人は、秋桂楼の裏の潜り戸から出てきたのですよね?」
「ええ。服装から考えて、あの店で芸妓をしている人ではないかと思うのですが――」
「俺もそう思います。後から出てきた店の男たちは、相当慌てていましたからね。何かあって、黙って店を抜け出してきたのでしょう」
わたしたちは、朝餉をいただいた部屋に集まり、軽い午餐をとりながら、先ほど運び込んだ女の人について話していた。
念のため、侍女たちは下がらせてある。
学亮さんが、「うーん」と言いながら、少し困った顔をした。
「あの人が秋桂楼の芸妓であるとすると、勝手にうちに連れてきたことが知れた場合、ちょっとまずいことになるかもしれません。その、よその店の芸妓をさらっていったと思われて――」
「『助けてください』と言っている人を、放っておくわけにはいきません! こちらにご迷惑をかけることになるというのなら、わたしたちは、あの人を連れてここを出ます。そして、どこかの廟の宿坊にでも泊めてもらいます」
わたしが立ち上がり、すぐにでも出て行きそうなそぶりを見せたので、学亮さんは慌てて椅子から腰を上げ謝った。
「申し訳ありません! そのようなつもりで言ったのではありません。わたしだって、困っている人を助けることに異論はないのです。ただ、相手が秋桂楼なので、自分のところから逃げ出した芸妓がうちにいるとわかれば、どんな難癖をつけてくるかと――」
確かにね――。一番関わりたくない相手と、関わることになってしまったわよね。
でも、彼女が「助けてください」と言って逃げてきたということは、秋桂楼には、いろいろと人には言えない秘密があるのかもしれないということで……。
「学亮坊ちゃま――」
外から声がかかり、学亮さんが部屋の扉を開けると、女の人に付き添っていた侍女が立っていた。
「坊ちゃま、ご歓談中のところ申し訳ありません。先ほど運び込まれた女の方が、お目覚めになりました。こちらが戴家のお邸であるとお伝えすると、坊ちゃまに会って話がしたいとおっしゃいまして――。こちらに、お連れしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、かまわないよ。歩くのが辛そうなら、こちらから伺うけれど」
「いえ、それは大丈夫のようです。では、すぐにお連れいたします」
やがて、侍女に伴われて、女の人が姿を見せた。もう、上着を被ってはいなかった。
美しい卵形の顔、長いまつげに縁取られた大きな黒い瞳、艶やかで小ぶりな赤い唇、右の目尻にある黒子も魅力的だ――。
なんて、きれいな人だろう! こんな芸妓がそろっているなら、確かに秋桂楼は人気が出るわね。
一瞬、彼女に見とれていた学亮さんが、あわてて部屋へ招き入れた。
「も、もう、体調は、よくなりましたか? わ、わたしは、この家の息子で、戴学亮と申します。父は、春霞楼の楼主・戴洪亮です。こちらは、我が家のお客人で、薬水売りの深緑さんとそのお連れの思阿さんです」
「ありがとうございました。もう、大丈夫です。わたしは、秋桂楼の芸妓で、芳菊と申します。学亮様のことは、以前より存じ上げております。そして――」
そう言うと、芳菊さんは、わたしの方をじっと見た。
美女にそんなふうに見つめられると、何だかすごくドキドキしてしまうのだけど――。
「深緑さん、もしかしたらあなたは、夕べ、春霞楼の芸妓の腹下しを治したという薬水売り様でございませんか?」
「えっ? あ、は、はい……確かに……、うわっ?!」
返事をするかしないかのうちに、芳菊さんが、突然わたしに駆け寄り抱きついてきた!
ほわっと、いい香りがした。
「あ、あの……、あの、芳菊さん……?!」
「ああ、やっぱり! ……夕べ、あなたの薬水の噂を聞いて、どうしても、あなたに会わなきゃと思ったんです……。あなたに頼めば、もしかして……、わたしを助けてくださるかもしれない……。
今日、妓楼の窓から運河を眺めていたら、学亮様が乗っている舟が見えて……。あなたに会わせてもらおうと、何もかも放り出し、舟に駆け寄ってしまいました! ああ、嬉しい! あなたにお目にかかることができて……」
一気に自分の思いを吐き出すと、わたしに取り縋ったまま、芳菊さんはしくしくと泣き始めた。
何とか宥めて涙を拭かせ、空いていた椅子に座らせた。
学亮さんがお茶をすすめると、彼女はほんの一口だけ飲んだあと、大きな溜息をついた。
落ち着いた頃合いを見て、わたしは芳菊さんに問いかけた。
「あのう、どうして、そんなにわたしに会いたかったのでしょうか? 良かったら、詳しいご事情をお聞かせいただけませんか?」
というわけで、彼女から聞いた話をまとめると――。
秋桂楼では、地方の小さな村々を回って、芸妓になってもいいという娘を集めている。
なぜか、容姿は問わない。年齢は、すぐ店に出られる十代半ば以上。結構な給金が約束される。
もちろん、娘の家には、それなりの支度金も支払われる。
結婚前に、ちょっとだけ町の暮らしを味わって、自分のお金も蓄えて、と考える娘は少なくないから、存外、希望者はいるらしい。
秋桂楼の芸妓は、毎朝、美貌水というものを渡されて、顔に塗るように言われる。
不思議なことに、この美貌水を毎日顔に塗っていると、どんどん顔立ちが変化して、どんな娘も五日ほどで、絶世の美女に変貌する――。
「でも、妓楼の仕事が終わって床につき、次の朝を迎えると、元の自分の顔に戻ってしまうのです。それも、少しだけ老けてやつれて――。ふた月も塗り続けると、十ぐらい老けてしまうそうなので、恐ろしがって、そうなる前にみんな店を辞めていきます。
ただ、中には美貌水で手に入れた美しさを手放したくなくて、秋桂楼を離れられなくなった芸妓もいます。もう、半年以上、毎朝美貌水を塗って働き続けている人も――」
芳菊さんの話をもとに計算すると、ふた月で十なら、半年では三十ということよね。
十六で店に来たとしたら、半年で……四十六?! それは大変だわ!
「わたしは、店に来てひと月たちました。美貌水を塗っていれば、今のように美しい顔でいられますが、寝起きの顔は元々の自分の顔ですし、明らかに少しずつ年をとり、やつれてきています。
もう、お金なんてどうでもいい、秋桂楼に来た頃の顔に戻って、早く故郷の村に帰りたいと思うようになりました。村には、夫婦約束をした人もいるので……。でも、そんなこと絶対に無理ですよね。過ぎた時間は取り戻せませんもの。
それが、昨夜、店の男たちが噂しているのを聞いてしまったんです。春霞楼で芸妓たちが腹を下し騒ぎになったが、たまたま逗留していた薬水売りの特別な薬水で事なきを得たらしい、とにかく、強力な薬水らしいと――」
「それで、わたしに会って、薬水で顔を元に戻せぬか相談してみようと考えたのですね?」
「はい……」
どうなんだろう? 蘭花酒の毒性すら浄化した、天下無敵の快癒水だもの、摩訶不思議な美貌水にも、効果はあるかもしれないわね?
今度、雅文に会ったら、いろいろと詳しく聞き出さなくちゃ!
「わかりました。試してみましょう。わたしの薬水は、体の気の流れを整えるものですから、やつれたお顔にも何か効果はあると思います。その代わり、これを飲んだらもう二度と、美貌水は効かなくなるかもしれません。秋桂楼にも戻れません。それでも、よろしいのですね?」
「はい。かまいません。それこそ、わたしが望んだことですから」
わたしは、快癒水の瓶と盃を行李から取り出して、盃を快癒水で満たすと、芳菊さんに手渡した。
芳菊さんは、盃をじっと見て、こくりと唾を飲み込んだ。
そして、私たちが見守る中、迷いを振り切るように、盃の快癒水を呷った。
その直後、芳菊さんは、何かの幻術にでもかかったかのように、突如意識を失い、椅子の背にもたれてしまったのだった。
筵をどかしてみると、女の人は上着を被ったまま、寝息を立てて眠っていた。
「起こすのも可哀想ですね。俺が、抱えていきましょう」
そう言って、思阿さんは、女の人をひょいっと抱き上げて、お邸の建物まで運んでいった。
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「深緑さん、あの人は、秋桂楼の裏の潜り戸から出てきたのですよね?」
「ええ。服装から考えて、あの店で芸妓をしている人ではないかと思うのですが――」
「俺もそう思います。後から出てきた店の男たちは、相当慌てていましたからね。何かあって、黙って店を抜け出してきたのでしょう」
わたしたちは、朝餉をいただいた部屋に集まり、軽い午餐をとりながら、先ほど運び込んだ女の人について話していた。
念のため、侍女たちは下がらせてある。
学亮さんが、「うーん」と言いながら、少し困った顔をした。
「あの人が秋桂楼の芸妓であるとすると、勝手にうちに連れてきたことが知れた場合、ちょっとまずいことになるかもしれません。その、よその店の芸妓をさらっていったと思われて――」
「『助けてください』と言っている人を、放っておくわけにはいきません! こちらにご迷惑をかけることになるというのなら、わたしたちは、あの人を連れてここを出ます。そして、どこかの廟の宿坊にでも泊めてもらいます」
わたしが立ち上がり、すぐにでも出て行きそうなそぶりを見せたので、学亮さんは慌てて椅子から腰を上げ謝った。
「申し訳ありません! そのようなつもりで言ったのではありません。わたしだって、困っている人を助けることに異論はないのです。ただ、相手が秋桂楼なので、自分のところから逃げ出した芸妓がうちにいるとわかれば、どんな難癖をつけてくるかと――」
確かにね――。一番関わりたくない相手と、関わることになってしまったわよね。
でも、彼女が「助けてください」と言って逃げてきたということは、秋桂楼には、いろいろと人には言えない秘密があるのかもしれないということで……。
「学亮坊ちゃま――」
外から声がかかり、学亮さんが部屋の扉を開けると、女の人に付き添っていた侍女が立っていた。
「坊ちゃま、ご歓談中のところ申し訳ありません。先ほど運び込まれた女の方が、お目覚めになりました。こちらが戴家のお邸であるとお伝えすると、坊ちゃまに会って話がしたいとおっしゃいまして――。こちらに、お連れしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、かまわないよ。歩くのが辛そうなら、こちらから伺うけれど」
「いえ、それは大丈夫のようです。では、すぐにお連れいたします」
やがて、侍女に伴われて、女の人が姿を見せた。もう、上着を被ってはいなかった。
美しい卵形の顔、長いまつげに縁取られた大きな黒い瞳、艶やかで小ぶりな赤い唇、右の目尻にある黒子も魅力的だ――。
なんて、きれいな人だろう! こんな芸妓がそろっているなら、確かに秋桂楼は人気が出るわね。
一瞬、彼女に見とれていた学亮さんが、あわてて部屋へ招き入れた。
「も、もう、体調は、よくなりましたか? わ、わたしは、この家の息子で、戴学亮と申します。父は、春霞楼の楼主・戴洪亮です。こちらは、我が家のお客人で、薬水売りの深緑さんとそのお連れの思阿さんです」
「ありがとうございました。もう、大丈夫です。わたしは、秋桂楼の芸妓で、芳菊と申します。学亮様のことは、以前より存じ上げております。そして――」
そう言うと、芳菊さんは、わたしの方をじっと見た。
美女にそんなふうに見つめられると、何だかすごくドキドキしてしまうのだけど――。
「深緑さん、もしかしたらあなたは、夕べ、春霞楼の芸妓の腹下しを治したという薬水売り様でございませんか?」
「えっ? あ、は、はい……確かに……、うわっ?!」
返事をするかしないかのうちに、芳菊さんが、突然わたしに駆け寄り抱きついてきた!
ほわっと、いい香りがした。
「あ、あの……、あの、芳菊さん……?!」
「ああ、やっぱり! ……夕べ、あなたの薬水の噂を聞いて、どうしても、あなたに会わなきゃと思ったんです……。あなたに頼めば、もしかして……、わたしを助けてくださるかもしれない……。
今日、妓楼の窓から運河を眺めていたら、学亮様が乗っている舟が見えて……。あなたに会わせてもらおうと、何もかも放り出し、舟に駆け寄ってしまいました! ああ、嬉しい! あなたにお目にかかることができて……」
一気に自分の思いを吐き出すと、わたしに取り縋ったまま、芳菊さんはしくしくと泣き始めた。
何とか宥めて涙を拭かせ、空いていた椅子に座らせた。
学亮さんがお茶をすすめると、彼女はほんの一口だけ飲んだあと、大きな溜息をついた。
落ち着いた頃合いを見て、わたしは芳菊さんに問いかけた。
「あのう、どうして、そんなにわたしに会いたかったのでしょうか? 良かったら、詳しいご事情をお聞かせいただけませんか?」
というわけで、彼女から聞いた話をまとめると――。
秋桂楼では、地方の小さな村々を回って、芸妓になってもいいという娘を集めている。
なぜか、容姿は問わない。年齢は、すぐ店に出られる十代半ば以上。結構な給金が約束される。
もちろん、娘の家には、それなりの支度金も支払われる。
結婚前に、ちょっとだけ町の暮らしを味わって、自分のお金も蓄えて、と考える娘は少なくないから、存外、希望者はいるらしい。
秋桂楼の芸妓は、毎朝、美貌水というものを渡されて、顔に塗るように言われる。
不思議なことに、この美貌水を毎日顔に塗っていると、どんどん顔立ちが変化して、どんな娘も五日ほどで、絶世の美女に変貌する――。
「でも、妓楼の仕事が終わって床につき、次の朝を迎えると、元の自分の顔に戻ってしまうのです。それも、少しだけ老けてやつれて――。ふた月も塗り続けると、十ぐらい老けてしまうそうなので、恐ろしがって、そうなる前にみんな店を辞めていきます。
ただ、中には美貌水で手に入れた美しさを手放したくなくて、秋桂楼を離れられなくなった芸妓もいます。もう、半年以上、毎朝美貌水を塗って働き続けている人も――」
芳菊さんの話をもとに計算すると、ふた月で十なら、半年では三十ということよね。
十六で店に来たとしたら、半年で……四十六?! それは大変だわ!
「わたしは、店に来てひと月たちました。美貌水を塗っていれば、今のように美しい顔でいられますが、寝起きの顔は元々の自分の顔ですし、明らかに少しずつ年をとり、やつれてきています。
もう、お金なんてどうでもいい、秋桂楼に来た頃の顔に戻って、早く故郷の村に帰りたいと思うようになりました。村には、夫婦約束をした人もいるので……。でも、そんなこと絶対に無理ですよね。過ぎた時間は取り戻せませんもの。
それが、昨夜、店の男たちが噂しているのを聞いてしまったんです。春霞楼で芸妓たちが腹を下し騒ぎになったが、たまたま逗留していた薬水売りの特別な薬水で事なきを得たらしい、とにかく、強力な薬水らしいと――」
「それで、わたしに会って、薬水で顔を元に戻せぬか相談してみようと考えたのですね?」
「はい……」
どうなんだろう? 蘭花酒の毒性すら浄化した、天下無敵の快癒水だもの、摩訶不思議な美貌水にも、効果はあるかもしれないわね?
今度、雅文に会ったら、いろいろと詳しく聞き出さなくちゃ!
「わかりました。試してみましょう。わたしの薬水は、体の気の流れを整えるものですから、やつれたお顔にも何か効果はあると思います。その代わり、これを飲んだらもう二度と、美貌水は効かなくなるかもしれません。秋桂楼にも戻れません。それでも、よろしいのですね?」
「はい。かまいません。それこそ、わたしが望んだことですから」
わたしは、快癒水の瓶と盃を行李から取り出して、盃を快癒水で満たすと、芳菊さんに手渡した。
芳菊さんは、盃をじっと見て、こくりと唾を飲み込んだ。
そして、私たちが見守る中、迷いを振り切るように、盃の快癒水を呷った。
その直後、芳菊さんは、何かの幻術にでもかかったかのように、突如意識を失い、椅子の背にもたれてしまったのだった。
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