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プロローグ 寝過ごしちゃいまして……わわっ! まさか天界追放?!
余話・一話目 女神・翠姫(ツイチェン)、思い人と出会い恋情を知る<後>
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その夏、妍国では、春先から雨量が少なかったこともあり、乾いた地表に強い日差しが照りつける日が続いていた。
農村では干魃を心配した人々が、翠姫廟に足繁く通い祈りを捧げていた。
人々は知る由もなかったが、原因は、魔軍が天帝軍との戦いで放った熱塊だった。
天帝軍が破壊し損ねた熱塊が一つ、人間界へ落ちてしまったのだ。
天帝は、豊穣の女神・翠姫に、妍国へ赴き上空を覆う熱塊を冷やし、雨を降らせて干魃を防ぐことを命じた。
しかし、熱塊により下天井の力が歪められ、下天した翠姫は、手下の天女ともはぐれ、行方知れずになってしまっていた。
敷物の上で目を覚ましたとき、林佳は、何もかもを思い出していた。
自分が翠姫であることも、何のために下天したのかも、そして、何をするべきなのかも――。
かたわらには、自分を介抱しているうちに眠ってしまったらしい、永芳が横になっていた。
翠姫は、彼女を起こさぬようにそっと立ち上がると、部屋の奥の木箱にしまっておいた萌葱色の衣に着替えた。
浩宇は留守だった。
老女が一人で世話をしている隣家の畑地の水やりを、日が落ちてからも手伝いに行っているのだろう。無骨そうに見えて心根の優しい男なのである。
別れを告げずに立ち去ることを寂しく思いながらも、どこかほっとしながら翠姫は家を出た。
翠姫は、村の翠姫廟を目指して、星明かりの道を走っていた。
隣家の畑地から、その姿を見かけた浩宇は、老女に断るのも忘れ、慌ててその後を追いかけた。
翠姫は、廟に着くと、すぐさま敷石にひざまずいた。
右手の人差し指をなめると、石の上に「斗」を描いた。
女神の霊力により呼び寄せられた地の水が、たちまち「斗」から溢れ出す。
溢れた水は、翠姫の足をぬらしながら大きな渦を作り始めた。
それを見た翠姫は、両手を頭上に挙げ七度打った。
それを合図に、水は渦巻きながら、巨大な龍の姿になって天へと勢いよく上り始めた。
龍を見送った翠姫は、くるりと振り返った。
そして、廟の門前で、呆然としながら事態を見守っていた浩宇を見て、寂しげに微笑んだ。
浩宇は、急いで翠姫の元に駆け寄り、有無を言わさず彼女を抱きしめた。
浩宇の胸に顔を埋めながら、翠姫が囁いた。
「浩宇どの、今までありがとうございました。ようやく、わたくしは、皆様の祈りに応えることができました。明日から妍国一帯に、三日三晩雨が降り注ぎます。溜め池には水が満ち、井戸にも水が戻ることでしょう。もう、干魃を心配することはありません。記憶をなくし、路頭に迷っていたわたくしを助けてくださったこと、天へ戻っても忘れません。あなたと母上様に、特別な加護を与えていただけるよう、天帝様に必ずお願いしておきますから」
「加護なんて、どうでもいい! そんなことより……行かないでくれ! ずっと、俺の家にいてくれ! 俺と母さんのそばにいてくれ……、これからも、ずっと、いつまでも……」
翠姫を離すまいと、ますます腕に力を込める浩宇の背中に腕を回し、翠姫も優しく彼を抱き返した。それが、彼女にできる精一杯の別れの挨拶だった。
抱き合う二人に向かって、天から白い雷光が走った。
強い力で弾かれた浩宇は、声を上げる間もなく敷石に転がった。
見上げると、天からまっすぐに降ろされた光の筒の中に、翠姫を抱き上げた楝色の人影が見えた。威厳に満ちた声で、その人影は言った。
「浩宇よ、世話をかけたな。そなたの助けもあって、ようやく、翠姫も役目を果たすことができた。これから、天界へ連れて帰る。そなたと母御には、余がいずれ加護を授けよう!」
光の筒は、一瞬眩しく輝いたかと思うと、瞬く間に天へと吸い込まれてしまった。
我に返ったとき、浩宇は、翠姫廟の敷石にひとり座り込んでいた。
◇ ◇ ◇
浩宇や永芳はもちろん、すべての村人の記憶から、翠姫――林佳の思い出が消えた。
三日三晩降り続いた雨が、畑地を潤し、人々の心に安らぎをもたらした。
その後、村は水に困ることもなくなり、今まで以上に良く作物が実るようになった。
天蚕の繭を使った商売も成功し、浩宇の家は財を蓄えたが、浩宇は生涯妻を娶ることはなかった。
村人は、ときどき、椚林の日だまりに座る浩宇を見かけた。
誰かを待っているかのように見えたが、誰かが彼を訪ねてくることはなかった。
そして、永芳を看取った後、浩宇は、天寿を全うしこの世を去った。
彼の死後、全ての財産は、その遺言により村の翠姫廟に寄進された。
◇ ◇ ◇
天界に戻った翠姫は、ふた月の間、一度も目を覚ますことなく眠り続けた。
人間界でしばらく過ごした後、急激に多量の霊力を使ったためと思われた。
しかし、様子を見に来た医薬と生命の女神・紅姫は、翠姫が人間界で負った深い「瑕」が、彼女を眠らせ夢の中にとどめていることに気づいた。
目覚めてからも、翠姫は、何をするでもなくぼんやりと露台で過ごしたり、下天井を遠眼鏡で一日中覗いたりする暮らしを続けていた。
そんなある日、紅姫が生まれて間もない赤ん坊を抱えて、翠姫の宮殿を訪ねてきた。
「翠姫! 天人果が落ちて、赤子が生まれましたよ! 可愛らしい天女です。そなたが育てて、自分の手下としなさい。まずは、命名です。何と名付けますか?」
天人の赤ん坊の成長は早い。
紅姫から手渡された赤ん坊は、ぱっちりと目を見開いて翠姫の顔を見つめていた。
赤ん坊の黒い瞳の奥に、光の加減で浮かび上がる緑色の輝きが、翠姫の心を捉えた。
その色は、懐かしい新緑の椚林を思い出させた。
「深緑……、深緑と名付けます!」
紅姫や手下の天女たちが、翠姫のもとに集まり、赤ん坊に「深緑、深緑」と呼びかけた。
その声を聞くたびに、深緑は嬉しそうに声を上げて笑った。
その無垢な笑顔が、翠姫の胸に、長い間忘れていた幸福感を運んできたのだった。
◇ ◇ ◇
翠姫は、久しぶりに、宮殿の下天井の井戸縁へ来ていた。
今日、初めて天空花園の水やりについて行った深緑が、「翠姫様のお花です!」と言って届けに来た、淡い萌葱色の蘭の花を髪に挿していた。
何気なくのぞき込んだ井戸の奥には、平和な妍国の日常が映し出されていた。
「えっ?!」
気になる人物を見かけた翠姫は、急いで懐から遠眼鏡を取り出し、井戸へ向けた。
覗いてみると、一人の凜々しい少年が、幾人もの女官を引き連れ池の畔にたっていた。
翠姫の胸に、熱いものがこみ上げてきた。
「浩宇どの……」
そのつぶやきが、届いたのだろうか? 少年が、こちらを見上げたように見えた。
「あっ!」
もっと、よく見ようと、井戸へ身を乗り出した翠姫の髪から、蘭の花がするりと抜け落ちて、井戸の底へ向かって静かに舞い降りていった。
― プロローグ 終 ―
農村では干魃を心配した人々が、翠姫廟に足繁く通い祈りを捧げていた。
人々は知る由もなかったが、原因は、魔軍が天帝軍との戦いで放った熱塊だった。
天帝軍が破壊し損ねた熱塊が一つ、人間界へ落ちてしまったのだ。
天帝は、豊穣の女神・翠姫に、妍国へ赴き上空を覆う熱塊を冷やし、雨を降らせて干魃を防ぐことを命じた。
しかし、熱塊により下天井の力が歪められ、下天した翠姫は、手下の天女ともはぐれ、行方知れずになってしまっていた。
敷物の上で目を覚ましたとき、林佳は、何もかもを思い出していた。
自分が翠姫であることも、何のために下天したのかも、そして、何をするべきなのかも――。
かたわらには、自分を介抱しているうちに眠ってしまったらしい、永芳が横になっていた。
翠姫は、彼女を起こさぬようにそっと立ち上がると、部屋の奥の木箱にしまっておいた萌葱色の衣に着替えた。
浩宇は留守だった。
老女が一人で世話をしている隣家の畑地の水やりを、日が落ちてからも手伝いに行っているのだろう。無骨そうに見えて心根の優しい男なのである。
別れを告げずに立ち去ることを寂しく思いながらも、どこかほっとしながら翠姫は家を出た。
翠姫は、村の翠姫廟を目指して、星明かりの道を走っていた。
隣家の畑地から、その姿を見かけた浩宇は、老女に断るのも忘れ、慌ててその後を追いかけた。
翠姫は、廟に着くと、すぐさま敷石にひざまずいた。
右手の人差し指をなめると、石の上に「斗」を描いた。
女神の霊力により呼び寄せられた地の水が、たちまち「斗」から溢れ出す。
溢れた水は、翠姫の足をぬらしながら大きな渦を作り始めた。
それを見た翠姫は、両手を頭上に挙げ七度打った。
それを合図に、水は渦巻きながら、巨大な龍の姿になって天へと勢いよく上り始めた。
龍を見送った翠姫は、くるりと振り返った。
そして、廟の門前で、呆然としながら事態を見守っていた浩宇を見て、寂しげに微笑んだ。
浩宇は、急いで翠姫の元に駆け寄り、有無を言わさず彼女を抱きしめた。
浩宇の胸に顔を埋めながら、翠姫が囁いた。
「浩宇どの、今までありがとうございました。ようやく、わたくしは、皆様の祈りに応えることができました。明日から妍国一帯に、三日三晩雨が降り注ぎます。溜め池には水が満ち、井戸にも水が戻ることでしょう。もう、干魃を心配することはありません。記憶をなくし、路頭に迷っていたわたくしを助けてくださったこと、天へ戻っても忘れません。あなたと母上様に、特別な加護を与えていただけるよう、天帝様に必ずお願いしておきますから」
「加護なんて、どうでもいい! そんなことより……行かないでくれ! ずっと、俺の家にいてくれ! 俺と母さんのそばにいてくれ……、これからも、ずっと、いつまでも……」
翠姫を離すまいと、ますます腕に力を込める浩宇の背中に腕を回し、翠姫も優しく彼を抱き返した。それが、彼女にできる精一杯の別れの挨拶だった。
抱き合う二人に向かって、天から白い雷光が走った。
強い力で弾かれた浩宇は、声を上げる間もなく敷石に転がった。
見上げると、天からまっすぐに降ろされた光の筒の中に、翠姫を抱き上げた楝色の人影が見えた。威厳に満ちた声で、その人影は言った。
「浩宇よ、世話をかけたな。そなたの助けもあって、ようやく、翠姫も役目を果たすことができた。これから、天界へ連れて帰る。そなたと母御には、余がいずれ加護を授けよう!」
光の筒は、一瞬眩しく輝いたかと思うと、瞬く間に天へと吸い込まれてしまった。
我に返ったとき、浩宇は、翠姫廟の敷石にひとり座り込んでいた。
◇ ◇ ◇
浩宇や永芳はもちろん、すべての村人の記憶から、翠姫――林佳の思い出が消えた。
三日三晩降り続いた雨が、畑地を潤し、人々の心に安らぎをもたらした。
その後、村は水に困ることもなくなり、今まで以上に良く作物が実るようになった。
天蚕の繭を使った商売も成功し、浩宇の家は財を蓄えたが、浩宇は生涯妻を娶ることはなかった。
村人は、ときどき、椚林の日だまりに座る浩宇を見かけた。
誰かを待っているかのように見えたが、誰かが彼を訪ねてくることはなかった。
そして、永芳を看取った後、浩宇は、天寿を全うしこの世を去った。
彼の死後、全ての財産は、その遺言により村の翠姫廟に寄進された。
◇ ◇ ◇
天界に戻った翠姫は、ふた月の間、一度も目を覚ますことなく眠り続けた。
人間界でしばらく過ごした後、急激に多量の霊力を使ったためと思われた。
しかし、様子を見に来た医薬と生命の女神・紅姫は、翠姫が人間界で負った深い「瑕」が、彼女を眠らせ夢の中にとどめていることに気づいた。
目覚めてからも、翠姫は、何をするでもなくぼんやりと露台で過ごしたり、下天井を遠眼鏡で一日中覗いたりする暮らしを続けていた。
そんなある日、紅姫が生まれて間もない赤ん坊を抱えて、翠姫の宮殿を訪ねてきた。
「翠姫! 天人果が落ちて、赤子が生まれましたよ! 可愛らしい天女です。そなたが育てて、自分の手下としなさい。まずは、命名です。何と名付けますか?」
天人の赤ん坊の成長は早い。
紅姫から手渡された赤ん坊は、ぱっちりと目を見開いて翠姫の顔を見つめていた。
赤ん坊の黒い瞳の奥に、光の加減で浮かび上がる緑色の輝きが、翠姫の心を捉えた。
その色は、懐かしい新緑の椚林を思い出させた。
「深緑……、深緑と名付けます!」
紅姫や手下の天女たちが、翠姫のもとに集まり、赤ん坊に「深緑、深緑」と呼びかけた。
その声を聞くたびに、深緑は嬉しそうに声を上げて笑った。
その無垢な笑顔が、翠姫の胸に、長い間忘れていた幸福感を運んできたのだった。
◇ ◇ ◇
翠姫は、久しぶりに、宮殿の下天井の井戸縁へ来ていた。
今日、初めて天空花園の水やりについて行った深緑が、「翠姫様のお花です!」と言って届けに来た、淡い萌葱色の蘭の花を髪に挿していた。
何気なくのぞき込んだ井戸の奥には、平和な妍国の日常が映し出されていた。
「えっ?!」
気になる人物を見かけた翠姫は、急いで懐から遠眼鏡を取り出し、井戸へ向けた。
覗いてみると、一人の凜々しい少年が、幾人もの女官を引き連れ池の畔にたっていた。
翠姫の胸に、熱いものがこみ上げてきた。
「浩宇どの……」
そのつぶやきが、届いたのだろうか? 少年が、こちらを見上げたように見えた。
「あっ!」
もっと、よく見ようと、井戸へ身を乗り出した翠姫の髪から、蘭の花がするりと抜け落ちて、井戸の底へ向かって静かに舞い降りていった。
― プロローグ 終 ―
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