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プロローグ 寝過ごしちゃいまして……わわっ! まさか天界追放?!
その二 行ってらっしゃいませ、ご主人様!
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「わっ!!」
「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁ~っ!!」
雅文ったら、読んでいた書を放り投げて、ゴロンと前へ転がっちゃった……。
あなた、ちょっと驚きすぎじゃないの?! 軽く肩に触っただけなのに……。
「な、なんだ……、し、深緑じゃ、ありませんか! あ~ぁ、びっくりした……」
「わたしが近づいても、全然気づかなかったわね。いったい、何を読んでいたの?」
「そ、それは……!」
わたしは、雅文がほん投げた書を拾った。
雅文が、慌てて取り戻そうとしたけれど、その手を振り払い書名を確かめる。
「『月下夢見人』って……、何の書? 夢占いか何か? それとも……」
ぼんやりと考えていたら、雅文の手がグイッと伸びてきて、わたしの手から書を奪い取った。
雅文は、優しく表紙をさすると、大事そうに両手で書を抱えた。
「コホン……、これは、『言情小説』というものです……」
「『言情小説』? どんな書なの?」
「深緑のような子どもには、まだよくわからない内容の書です!」
「子どもって、わたしの実はあなたの実と同じ日に天人樹に実ったのよ! わたしたちは同い年なんだからね!」
「わたしの実の方が、あなたの実より半時ほど早く木から落ちたそうです。つまり、わたしが姉であなたは妹ということになります」
「たった半時よ! たいして変わらないわ! それより、何なのよ、『言情小説』って?」
雅文ったら、胸の前でしっかり書を抱え直すと、うっとりと蕩けそうな顔をした。
どうやら、「言情小説」の中身を心の中で反芻しているようだ。
「『言情小説』とは、人間の恋情を描いた小説です」
「恋情? それ、どういうもの? 聞いたことないわ!」
雅文は、「えっ?」という顔をした後、なにやら納得したようにニヤリと笑って言った。
「失礼しました。まだ、一度も下天したことがなくて、『瑕』もないお子ちゃま天女の深緑は、恋情を知らなくて当然ですよね。オホホホホ……」
また、子ども扱いだ。確かに一度も下天したことがないのは、本当のことだけど――。
雅文は、医薬と生命の女神である紅姫様のもとで働いている。
彼女の主な仕事は、天人樹の世話と魔界から人間界へ疫病を運び込む悪鬼の始末だ。
だから、ときどき人間界の疫病の様子を詳しく調べるため、ほかの天女や紅姫様と一緒に下天することがある。
下天している間は、天女も女神様も天帝様の加護から離れるので、人間と同じ体と心をもつことになる。老いや死とも無縁ではない。
わたしは、姉様たちやそのほかの天女たちの話でしか知らないのだけど、人間の心には様々な欲があって、そこから複雑な感情が生まれるらしい。
天人といえども、人間界に行けば、欲にまみれ己の感情に振り回されることになるそうだ。
きっと、「恋情」というのも、そういう感情の一つなのだろう。
「じゃあ、雅文は恋情というものを感じたことはあるの?」
「わたしですか? わたしは、いくども下天しておりますからね――。最近では、『言情小説』の登場人物に恋情を抱いたことがあります。それから、怪我の治療のため天帝軍へお薬を届けに行ったとき、素敵な兵士をお見かけして恋情を感じたことがありました」
「ふううん……」
「どちらもわたしの一方的な恋情です。でも、一人でドキドキするだけでも、なかなか楽しいものなのです。ですから、書を読み返して登場人物のことをいろいろ思い浮かべたり、天帝軍の兵舎へ伺って、素敵な兵士とご挨拶をかわしたりすれば、そりゃあもうとんでもなく幸せな心持ちになるのです」
雅文は、うっすら頬を赤らめて、ますます惚けた顔になっている。
本当に幸せそう……。
何だかよくわからないけれど、恋情というのは、心を幸福感で満たしてくれるものらしい。
でも、ちょっと変よね。だって、わたしが聞いたところでは――。
下天して人間界で暮らした天人は、そのときに味わった感情を忘れることができない。
それは、天界へ戻った後も「瑕」となって、ときに天人の心を惑わせる。
かつて「瑕」のせいで、幾たびも下天を繰り返し、己の務めを果たせなくなった天人や、「瑕」の疼きを抑えきれず、天界で騒動を起こした天人もいた。
――という話だったもの。
恋情だって「瑕」の一つだと思うのだけど、どうして雅文は、ひたすら幸福感ばかりを味わっていられるのかしら?
恋情が、激しく心を惑わせることはないのかな?
どういう感情なのだろう、恋情って?
「雅文、あなたが言うとおり、わたしってまだお子ちゃまなんだわ。天空花園の庭番をしていると、下天の機会なんてめったにないの。あなたのような知識や経験が今はない。でも、いつか下天して、恋情がわかるようになったら、そのときはいろいろ相談に乗ってね」
「もちろんです。次に下天しましたら、新しい『言情小説』をたくさん手に入れてくるつもりです。深緑にも貸してあげますから、いつでも言ってくださいね」
再び「言情小説」を読み始めた雅文を一人そこに残し、わたしは天人寮に帰った。
寮の裏の池で、ゆっくり沐浴する。今夜は、何だか蛙の声がよく聞こえるわ。
沐浴の後は、自分の房へ帰って眠るだけ。
今日は、翠姫様のおそばに行って、豊かな香りと慈愛に満ちた気を存分にいただいた。
だから、もう心も体もすっかり満たされていて……。
明日こそ昼寝をしないように、今夜はたっぷり寝ておかなくちゃね。
寝台に寝そべり、羽のように軽い上掛けにくるまる。
夜のしじまの中、かすかに聞こえる涼しげな音は、夢呼虫の声――。
明日からのお務めを頑張って、次の機会には、姉様たちのように、翠姫様の下天のお供ができたらいいなあ。そうしたら、雅文のように、恋情がわかるようになるかしら……。
お休みなさいませ翠姫様、姉様たち……、ふああぁぁぁ~ん……むにゃむにゃむにゃ……。
そして、翌朝――。
わたしは、翠姫様の宮殿へ続く道をまさに飛ぶように駆けていた。
宮殿の裏庭に着いたときには、林杏姉様に見送られながら、翠姫様と二人の姉様が、人間界と天界をつなぐ下天井へ身を沈めようとしているところだった。
肩で息をしながら井戸端へ駆けつけたわたしを、翠姫様も姉様たちも叱りはしなかった。
それどころか、四人とも井戸縁に腰掛け、口元に手を寄せて、声を上げ笑っていた。
笑いすぎて目元に溜まった涙を、袖の先で押さえながら翠姫様が言った。
「笑ったりして、ごめんなさいね、深緑。実は、四人でこっそり賭けをしたのですよ。そなたが、わたくしたちの下天に間に合うかどうか――。四人とも、『寝坊をして間に合わない』に賭けたので、結局賭けにはなりませんでした。それなのに、そなたときたら、ぎりぎりで間に合って――。本当に面白くて、可愛い娘! 賭けは、そなたの一人勝ちということにいたしましょう。褒美に、人間界で何かそなたが喜ぶような土産を手に入れてきますね」
「翠姫様……」
何だか胸が苦しい。三日間お目にかかれないだけなのに、どんどん悲しくなってくる。
だめ、だめ、だめ! 余計な心配をおかけしないように、笑顔でお見送りしなくては!
わたしは、ブンブン首を振って、溢れかけた涙を思いっきり振り飛ばした。
「お土産、楽しみにしております! 翠姫様がお戻りになる頃には、天空花園を香りの良いお花でいっぱいにしておきます!」
「任せましたよ、深緑。では、蘭玲、雨涵、出発いたしましょうか。林杏、後のことは頼みましたよ!」
「――承知しております、どうかご心配なさらずに……」
翠姫様と林杏姉様は、目線を合わせてうなずき合った。
それを合図に、翠姫様と二人のお姉様は、井戸縁を乗り越え井の中へ身を躍らせた。
―― 林杏―っ、深緑―っ! 天水を切らしてはなりませんよーっ!
下天井の遙か奥の方から、蘭玲姉様の声が響いてきた。
井戸縁をつかんで中をのぞき込みながら、わたしは大きな声で叫び返した。
「心得ておりまーす! いってらっしゃいませ、ご主人様―っ! 姉様方―っ!」
「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁ~っ!!」
雅文ったら、読んでいた書を放り投げて、ゴロンと前へ転がっちゃった……。
あなた、ちょっと驚きすぎじゃないの?! 軽く肩に触っただけなのに……。
「な、なんだ……、し、深緑じゃ、ありませんか! あ~ぁ、びっくりした……」
「わたしが近づいても、全然気づかなかったわね。いったい、何を読んでいたの?」
「そ、それは……!」
わたしは、雅文がほん投げた書を拾った。
雅文が、慌てて取り戻そうとしたけれど、その手を振り払い書名を確かめる。
「『月下夢見人』って……、何の書? 夢占いか何か? それとも……」
ぼんやりと考えていたら、雅文の手がグイッと伸びてきて、わたしの手から書を奪い取った。
雅文は、優しく表紙をさすると、大事そうに両手で書を抱えた。
「コホン……、これは、『言情小説』というものです……」
「『言情小説』? どんな書なの?」
「深緑のような子どもには、まだよくわからない内容の書です!」
「子どもって、わたしの実はあなたの実と同じ日に天人樹に実ったのよ! わたしたちは同い年なんだからね!」
「わたしの実の方が、あなたの実より半時ほど早く木から落ちたそうです。つまり、わたしが姉であなたは妹ということになります」
「たった半時よ! たいして変わらないわ! それより、何なのよ、『言情小説』って?」
雅文ったら、胸の前でしっかり書を抱え直すと、うっとりと蕩けそうな顔をした。
どうやら、「言情小説」の中身を心の中で反芻しているようだ。
「『言情小説』とは、人間の恋情を描いた小説です」
「恋情? それ、どういうもの? 聞いたことないわ!」
雅文は、「えっ?」という顔をした後、なにやら納得したようにニヤリと笑って言った。
「失礼しました。まだ、一度も下天したことがなくて、『瑕』もないお子ちゃま天女の深緑は、恋情を知らなくて当然ですよね。オホホホホ……」
また、子ども扱いだ。確かに一度も下天したことがないのは、本当のことだけど――。
雅文は、医薬と生命の女神である紅姫様のもとで働いている。
彼女の主な仕事は、天人樹の世話と魔界から人間界へ疫病を運び込む悪鬼の始末だ。
だから、ときどき人間界の疫病の様子を詳しく調べるため、ほかの天女や紅姫様と一緒に下天することがある。
下天している間は、天女も女神様も天帝様の加護から離れるので、人間と同じ体と心をもつことになる。老いや死とも無縁ではない。
わたしは、姉様たちやそのほかの天女たちの話でしか知らないのだけど、人間の心には様々な欲があって、そこから複雑な感情が生まれるらしい。
天人といえども、人間界に行けば、欲にまみれ己の感情に振り回されることになるそうだ。
きっと、「恋情」というのも、そういう感情の一つなのだろう。
「じゃあ、雅文は恋情というものを感じたことはあるの?」
「わたしですか? わたしは、いくども下天しておりますからね――。最近では、『言情小説』の登場人物に恋情を抱いたことがあります。それから、怪我の治療のため天帝軍へお薬を届けに行ったとき、素敵な兵士をお見かけして恋情を感じたことがありました」
「ふううん……」
「どちらもわたしの一方的な恋情です。でも、一人でドキドキするだけでも、なかなか楽しいものなのです。ですから、書を読み返して登場人物のことをいろいろ思い浮かべたり、天帝軍の兵舎へ伺って、素敵な兵士とご挨拶をかわしたりすれば、そりゃあもうとんでもなく幸せな心持ちになるのです」
雅文は、うっすら頬を赤らめて、ますます惚けた顔になっている。
本当に幸せそう……。
何だかよくわからないけれど、恋情というのは、心を幸福感で満たしてくれるものらしい。
でも、ちょっと変よね。だって、わたしが聞いたところでは――。
下天して人間界で暮らした天人は、そのときに味わった感情を忘れることができない。
それは、天界へ戻った後も「瑕」となって、ときに天人の心を惑わせる。
かつて「瑕」のせいで、幾たびも下天を繰り返し、己の務めを果たせなくなった天人や、「瑕」の疼きを抑えきれず、天界で騒動を起こした天人もいた。
――という話だったもの。
恋情だって「瑕」の一つだと思うのだけど、どうして雅文は、ひたすら幸福感ばかりを味わっていられるのかしら?
恋情が、激しく心を惑わせることはないのかな?
どういう感情なのだろう、恋情って?
「雅文、あなたが言うとおり、わたしってまだお子ちゃまなんだわ。天空花園の庭番をしていると、下天の機会なんてめったにないの。あなたのような知識や経験が今はない。でも、いつか下天して、恋情がわかるようになったら、そのときはいろいろ相談に乗ってね」
「もちろんです。次に下天しましたら、新しい『言情小説』をたくさん手に入れてくるつもりです。深緑にも貸してあげますから、いつでも言ってくださいね」
再び「言情小説」を読み始めた雅文を一人そこに残し、わたしは天人寮に帰った。
寮の裏の池で、ゆっくり沐浴する。今夜は、何だか蛙の声がよく聞こえるわ。
沐浴の後は、自分の房へ帰って眠るだけ。
今日は、翠姫様のおそばに行って、豊かな香りと慈愛に満ちた気を存分にいただいた。
だから、もう心も体もすっかり満たされていて……。
明日こそ昼寝をしないように、今夜はたっぷり寝ておかなくちゃね。
寝台に寝そべり、羽のように軽い上掛けにくるまる。
夜のしじまの中、かすかに聞こえる涼しげな音は、夢呼虫の声――。
明日からのお務めを頑張って、次の機会には、姉様たちのように、翠姫様の下天のお供ができたらいいなあ。そうしたら、雅文のように、恋情がわかるようになるかしら……。
お休みなさいませ翠姫様、姉様たち……、ふああぁぁぁ~ん……むにゃむにゃむにゃ……。
そして、翌朝――。
わたしは、翠姫様の宮殿へ続く道をまさに飛ぶように駆けていた。
宮殿の裏庭に着いたときには、林杏姉様に見送られながら、翠姫様と二人の姉様が、人間界と天界をつなぐ下天井へ身を沈めようとしているところだった。
肩で息をしながら井戸端へ駆けつけたわたしを、翠姫様も姉様たちも叱りはしなかった。
それどころか、四人とも井戸縁に腰掛け、口元に手を寄せて、声を上げ笑っていた。
笑いすぎて目元に溜まった涙を、袖の先で押さえながら翠姫様が言った。
「笑ったりして、ごめんなさいね、深緑。実は、四人でこっそり賭けをしたのですよ。そなたが、わたくしたちの下天に間に合うかどうか――。四人とも、『寝坊をして間に合わない』に賭けたので、結局賭けにはなりませんでした。それなのに、そなたときたら、ぎりぎりで間に合って――。本当に面白くて、可愛い娘! 賭けは、そなたの一人勝ちということにいたしましょう。褒美に、人間界で何かそなたが喜ぶような土産を手に入れてきますね」
「翠姫様……」
何だか胸が苦しい。三日間お目にかかれないだけなのに、どんどん悲しくなってくる。
だめ、だめ、だめ! 余計な心配をおかけしないように、笑顔でお見送りしなくては!
わたしは、ブンブン首を振って、溢れかけた涙を思いっきり振り飛ばした。
「お土産、楽しみにしております! 翠姫様がお戻りになる頃には、天空花園を香りの良いお花でいっぱいにしておきます!」
「任せましたよ、深緑。では、蘭玲、雨涵、出発いたしましょうか。林杏、後のことは頼みましたよ!」
「――承知しております、どうかご心配なさらずに……」
翠姫様と林杏姉様は、目線を合わせてうなずき合った。
それを合図に、翠姫様と二人のお姉様は、井戸縁を乗り越え井の中へ身を躍らせた。
―― 林杏―っ、深緑―っ! 天水を切らしてはなりませんよーっ!
下天井の遙か奥の方から、蘭玲姉様の声が響いてきた。
井戸縁をつかんで中をのぞき込みながら、わたしは大きな声で叫び返した。
「心得ておりまーす! いってらっしゃいませ、ご主人様―っ! 姉様方―っ!」
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