明日も生きねばならないあなたたちへ 底辺の僕から

青空卵

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うつ病と彼女と薬

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 僕の彼女はうつ病で、毎日くすりを飲んで眠る。
 くすりを飲んだ彼女はスイッチが切れたように眠り、少しゆすったくらいでは起きない。
 たぶんそれは死んでいるのだろう。いや、仮死状態とでも言おうか。動物や昆虫はときどき仮死状態になるが、
 あれはなんのためにそうなっているのか。
 
 ① 生き延びるため

 ほとんどの人はそう考えるかもしれない。僕らが熊に襲われたって、死んだ真似をしたほうがいいらしいから。
 ただ、熊に襲われて死んだ真似をしても襲われることもあるみたいだ。

 ② 現実逃避

 僕はこちらの方だと思う。この言葉は悪く捉えられがちだが、人生の8割ほど僕らは現実逃避をして生きている。
 この数値に関してはテキトーなのだが、起きていても、僕らがどれだけ現実逃避をしていることか。
 好きな人からのLINEに好意を見出す。体重計の数値。ちょっとした横領。どれをとっても、僕らは都合よく
 現実をねじまげてしまう。
 そんな様々な現実逃避のなかで眠ることは僕らにとって最善の現実逃避の方法だ。すべてを忘れられる。
 いかにして現実から逃げるか。結局は安らかな人間の方が幸せで、厳しい現実に立ち向かわずとも生きられるの
 ならその方がいいに決まっている。

 だから僕も眠ろう。みんなも眠る時はちゃんと眠ってくれ。それだけが僕らの心を安らかにするのだから。
 僕は2杯のウイスキーを飲む。これが僕の薬。
 次第に瞼は重くなり、布団に入ればいつしか意識は夢の中へ。
 小さな星々が見守る。素敵な夜ではないかもしれないけど、きっと夢は見るだろうから。
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