67 / 93
64、
生活は大事
しおりを挟む
「つまり、会えないね」
夜、会いに来た妖精に確信を付かれ、ナナは一瞬息を詰まらせた。
「私もあったことがない人なのですよ」
頬を膨らませて抗議する。妖精がくれた情報は『探し人はマジスイの冒険者だ』ということだけである。見た目はこの絵を持ってきてくれたのでわかるが、実はナナ自身彼らを、彼女らも一人も見ていない。
「そうなの?近い魔力を感じたと彼に協力していた月の精からの情報なんだよ」
「協力なのです?」
「そう、支援に呼ばれていた妖精さん。今は暇して別の人のところに行っているけれどね」
「妖精は薄情なのです」
「生活があるもの」
妖精が必要とするのは妖精使いが満月に献上する魔力と血と朝露だ。前から、金、栄養剤、ご飯にあたる。神様のように信仰心だけで支援してくる訳ではない。その分、神様より選民しないそうだが、妖精は良くも悪くも自分に正直だ。離れるのは一瞬である。
「そもそも、用事言ってもらえなくなったんだから、お察しなのです」
「妖精使いからの言葉は届くけれど、妖精同士で契約結ばない限りこっちからの言葉は届かないのよ。本来ならこの姿を保つのだって、精霊王クラスの力か、妖精使いからの供物が必要なのよ」
今、引っかかる言葉があった。
「ともかく、私がこっちにいれる時間は短いの。その間に会わないといけないの。寝ないの。探すの」
「睡眠不足の方が探せないのです」
「それもそうね」
二人は就寝した。
続く
夜、会いに来た妖精に確信を付かれ、ナナは一瞬息を詰まらせた。
「私もあったことがない人なのですよ」
頬を膨らませて抗議する。妖精がくれた情報は『探し人はマジスイの冒険者だ』ということだけである。見た目はこの絵を持ってきてくれたのでわかるが、実はナナ自身彼らを、彼女らも一人も見ていない。
「そうなの?近い魔力を感じたと彼に協力していた月の精からの情報なんだよ」
「協力なのです?」
「そう、支援に呼ばれていた妖精さん。今は暇して別の人のところに行っているけれどね」
「妖精は薄情なのです」
「生活があるもの」
妖精が必要とするのは妖精使いが満月に献上する魔力と血と朝露だ。前から、金、栄養剤、ご飯にあたる。神様のように信仰心だけで支援してくる訳ではない。その分、神様より選民しないそうだが、妖精は良くも悪くも自分に正直だ。離れるのは一瞬である。
「そもそも、用事言ってもらえなくなったんだから、お察しなのです」
「妖精使いからの言葉は届くけれど、妖精同士で契約結ばない限りこっちからの言葉は届かないのよ。本来ならこの姿を保つのだって、精霊王クラスの力か、妖精使いからの供物が必要なのよ」
今、引っかかる言葉があった。
「ともかく、私がこっちにいれる時間は短いの。その間に会わないといけないの。寝ないの。探すの」
「睡眠不足の方が探せないのです」
「それもそうね」
二人は就寝した。
続く
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
婚約破棄は誰が為の
瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。
宣言した王太子は気付いていなかった。
この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを……
10話程度の予定。1話約千文字です
10/9日HOTランキング5位
10/10HOTランキング1位になりました!
ありがとうございます!!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
udonlevel2
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる