転移者と転生者と現地チート

シロ

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14、

石に頼る

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「これのことですね」
 シサが持ってきた籠の中には何の変哲もない石が入っていた。球ではなく、白くも黒くもなく、光沢がある訳でもない。そこいらの河原にありそうな極普通の拳大の石である。
「これは適性検査石と申します。その名の通り、その人物の戦闘適性を色と光の強さによって測るものです」
「・・・・信用度は」
「かなり高いかと」
「何で最初にそれ使わないんだよ」
「高いからです」
「へー・・・・」
「もちろん、使い捨てでございます」
「ワーウルフの群れ討伐依頼5回分はあるよな」
「・・・・生半可な借金ならこれ一つで返済可です」
「ふーん。素手で触ればいいのか?」
 布の上にある石をカイは躊躇なく握った。強烈な光が出る訳でもなく、ファンファーレが鳴り響く訳でもなく、変な匂いが香る訳でもなく、形が変化する訳でもない。
「「「・・・・・・」」」
 そっと手を開いてみても、石は石のままだった。
「適正なしは珍しいですわ」
「そうだね」
 その言葉にカイは膝から崩れ落ちた。足下がなくなり、深い闇に飲み込まれていく。
「・・・また、待てかよ」
「修行次第でございます。可能性は無限大と言いますし」
「それに、これで測れるのは魔法適性と武器適性だから、可能性はあるんじゃないかな」
 この石、握ったら色と形が変わる。色で適性魔法が、形で得意武器がわかる優れもの。ただし、使い捨て。
「ただいま~。この子凄いわよ」
 目をランランに輝かせて亭主がナナを連れて戻って来た。連れてでは語弊がある、抱え上げて。

                             続く
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