7 / 92
一、Boy(?) Meets Girl(?)
1ー6、口元がほんの少し弛む。
しおりを挟む
「次が確か・・・・・・」
「ん、次があるのか」
「次があったら変でござるか」
孟起はふうとため息を吐いた。
「七不思議は学校敷地内に起こる心霊現象七つを伝えるものだ。それ以上だと話に合わん」
「でも、ここ西華高校は後二つあるの」
「しかも最近新たにもう一つ追加されたのよ」
西華高校十不思議。面倒になってきたと孟起は小さなため息を吐いた。
「え、うそ。それ初耳」
「でも、みんな意外と知ってるのよね」
「なら、まず古いほうから話してくれないか」
「えー、なんで」
「最も知りたいことは最後に話してもらったほうがドキドキするだろ」
孟起が笑えば女の子たちが騒ぎ出す。凄いものだとタイラはつくづく感心した。そして、孟起が女の扱いに慣れていることに呆れもした。
「えっと、八番目の不思議が真夜中のコンピューター室。暗い部屋の中で一番奥の左端のパソコンの画面に意味不明の文字の羅列が次々と刻まれていくの。そしてそのなんでもないはずの文字が何故か『死ね』って見えるようになるんだって」
「それで終わりでござるか」
「まだまだ。その文字を見た後に死ねって文字を再度見ると地獄に連れて行かれるんだって。ほら、前に本当かどうか試してみるって言ってた男子生徒いたでしょ」
「ああ、二組の武藤君だっけ。オカルトマニアの」
「幽霊マニアだって。ともかく、そいつが実際に試したらしいのよ。そしたら、その翌日、週刊誌の格闘漫画見た直後、車に轢かれたんだって。調べてみるとその漫画の悪役の台詞にあったのよ。『死ね』って文字が」
「ってことはマジ話っぽいな」
「かもねかもね」
孟起の口元がほんの少し弛む。
「で、もう一つが夜中に人が現れる図書室。現れるのは男子生徒の時もあれば女子生徒の時もあるって」
性別まで違うと同一の幽霊である可能性はないとは言えないが、かなり低い。
本来幽霊はその人の生前で最も意識が強かった頃の姿を映し出す。そのため、完全に人型をした幽霊の姿は一定している場合が多い。
「同じ場所での女性の目撃証言はないでござるか」
「大人の女?う~ん、聞いたことはないかな」
「ねぇ、それより最近のやつ~」
瑞樹ちゃんの興味はそっちのほうにしかないみたいだ。
「それはねぇ。最近学校で噂になってる美少年がいるでしょ」
「いるいる。滅多に会えない放課後の超極上美少年学生」
「超可愛いって見た人が言ってたの羨ましい」
「あ、あたし一度だけだけど見たよ。腰まである長い銀髪の子でしょ。華奢な体型と作り物のように整った顔なのよ。学ランを着ていなければ絶対女の子に間違えられるわね」
「気になって調べてみたんだけどそんな子、どの学年にもいないのよ」
「それって幽霊?」
「「「「かもね、かもね」」」」
「出会ったって、怖くなかったでござるか?」
「全然。だって、何もしてこなかったもの。ただ、愁いの帯びた瞳でジッと私を見つめていただけ。ああ、何度思い出しても可愛らしい方。もう一度会いたいな~」
「同じ状態で会えないのか」
「散々やってみたんだけどダメだったのよ」
「あたしの情報ではその美少年幽霊の出る時間帯はバラバラってこと。目撃証言も少ないし、出現場所も全て異なってるのよね。だから、二度会った人は未だになし」
続く
「ん、次があるのか」
「次があったら変でござるか」
孟起はふうとため息を吐いた。
「七不思議は学校敷地内に起こる心霊現象七つを伝えるものだ。それ以上だと話に合わん」
「でも、ここ西華高校は後二つあるの」
「しかも最近新たにもう一つ追加されたのよ」
西華高校十不思議。面倒になってきたと孟起は小さなため息を吐いた。
「え、うそ。それ初耳」
「でも、みんな意外と知ってるのよね」
「なら、まず古いほうから話してくれないか」
「えー、なんで」
「最も知りたいことは最後に話してもらったほうがドキドキするだろ」
孟起が笑えば女の子たちが騒ぎ出す。凄いものだとタイラはつくづく感心した。そして、孟起が女の扱いに慣れていることに呆れもした。
「えっと、八番目の不思議が真夜中のコンピューター室。暗い部屋の中で一番奥の左端のパソコンの画面に意味不明の文字の羅列が次々と刻まれていくの。そしてそのなんでもないはずの文字が何故か『死ね』って見えるようになるんだって」
「それで終わりでござるか」
「まだまだ。その文字を見た後に死ねって文字を再度見ると地獄に連れて行かれるんだって。ほら、前に本当かどうか試してみるって言ってた男子生徒いたでしょ」
「ああ、二組の武藤君だっけ。オカルトマニアの」
「幽霊マニアだって。ともかく、そいつが実際に試したらしいのよ。そしたら、その翌日、週刊誌の格闘漫画見た直後、車に轢かれたんだって。調べてみるとその漫画の悪役の台詞にあったのよ。『死ね』って文字が」
「ってことはマジ話っぽいな」
「かもねかもね」
孟起の口元がほんの少し弛む。
「で、もう一つが夜中に人が現れる図書室。現れるのは男子生徒の時もあれば女子生徒の時もあるって」
性別まで違うと同一の幽霊である可能性はないとは言えないが、かなり低い。
本来幽霊はその人の生前で最も意識が強かった頃の姿を映し出す。そのため、完全に人型をした幽霊の姿は一定している場合が多い。
「同じ場所での女性の目撃証言はないでござるか」
「大人の女?う~ん、聞いたことはないかな」
「ねぇ、それより最近のやつ~」
瑞樹ちゃんの興味はそっちのほうにしかないみたいだ。
「それはねぇ。最近学校で噂になってる美少年がいるでしょ」
「いるいる。滅多に会えない放課後の超極上美少年学生」
「超可愛いって見た人が言ってたの羨ましい」
「あ、あたし一度だけだけど見たよ。腰まである長い銀髪の子でしょ。華奢な体型と作り物のように整った顔なのよ。学ランを着ていなければ絶対女の子に間違えられるわね」
「気になって調べてみたんだけどそんな子、どの学年にもいないのよ」
「それって幽霊?」
「「「「かもね、かもね」」」」
「出会ったって、怖くなかったでござるか?」
「全然。だって、何もしてこなかったもの。ただ、愁いの帯びた瞳でジッと私を見つめていただけ。ああ、何度思い出しても可愛らしい方。もう一度会いたいな~」
「同じ状態で会えないのか」
「散々やってみたんだけどダメだったのよ」
「あたしの情報ではその美少年幽霊の出る時間帯はバラバラってこと。目撃証言も少ないし、出現場所も全て異なってるのよね。だから、二度会った人は未だになし」
続く
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる