っておい

シロ

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三、調査は進行して・・・いない!?

3ー18、肩透かしを喰らった。

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 翌日の昼、孟起が学校に着いた時間になっても井上 久美子は学校に姿を現さなかった。元々身体が弱かったのか転入したばかりでもよく欠席していたそうで担任もクラスメートも特に気にしてなかった。昨晩わかったことを裏庭に拉致してでも尋ねようとしていた孟起とタイラは見事に肩透かしを喰らった。
「何か変だな」
「学校がでござるか?」
「何もかもだ。だいたい、シリュウがおまえに自分の正体を明かしたのも妙だ」
「拙者らに正体がばれたからって」
「あのな~、こっちにはまだ主観が織り交ざった状況証拠しかないんだ。物的証拠はゼロ。しらばくれられたり、先に別の名前を名乗られたりしたらそれでおしまい。また、そいつが本物か一から調べなおしだ。どっちらが時間かかるのは明らかだろ。向こうにとってはそのほうが都合が良いはずなんだが」
「確かに、普通そっちを取るでござるな」
牛乳を飲み干し、孟起は眉をしかめた。
「どうしたのでござるか?」
「いや、これでこいつは食べられなくなったな~って思っただけだ。おまえも俺に殴り倒されたくなければ飲むなよ」
「まさか、毒でござるか!?」
「ああ、しかも特殊な毒だ。今朝、昔の仲間がおまえが依頼したお茶の成分解析を持ってきた。一つずつでは何の効果もない液体だが、二つ飲むと精神が興奮状態に陥る一種の麻薬だそうだ。たしか一つは渋みが伴ったはずだ。で、ただの牛乳に微かに苦瓜の汁に似た苦味がした。疑うべきだろ」
「売店でござるか?」
「いや、食堂も自動販売機もだ。この学校の食は全て怪しいとみるべきだ」
タイラは自分が持っていたジュースとパンをメールで送る準備を始めた。その様子を見ながら孟起は大きなため息を吐いた。

                                 続く
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