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8ー28、カメ、異議を唱えてみる
エターナニル魔法学園特殊クラス
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「三組ニ分ケテ探スゾ」
「どうするの?クジ引き?」
「イヤ、俺ガ独断デ決メル。じあるトれいか。りとあトろん。俺トいすかダ」
異議は三人から上がった。リトアを説得するチャンスだと思っていたジアルと男性恐怖症のレイカと、そのレイカと別れる羽目になったイスカからである。
「れいかハイイ加減男ニ慣レロ。好キニナレトハ言ワンガ会話デキルクライニハ慣レトケ。返事ハ?」
「・・・・・・はい」
「妙に厳しいわね」
「俺は当て馬かよ」
「・・・男臭い」
「せめて男らしいって言えよ、中性顔」
「・・・・・・」
「場所はくじ引キデイイナ」
変なところで適当な人だったな、とジアルが笑顔の裏で思う。結果、ジアルレイカ組が食堂、リトアロン組が外のロッジ、ロイズイスカ組が宿泊部屋になった。
「何カ見タラ大声デ叫ベ。何カアッテモ触ルナ、イイナ」
「「「はーい」」」
「りとあモ解除スル前ニ見セルヨウニ」
「はい」
「デハ、開始」
「「「「はい」」」」
避けようとした手を遠慮なく握ったジアルが怯えるレイカを嬉しそうに引き摺っていく。黙っていたロンをリトアが呼び、台所へと消える。ロッジに行くには裏口の方が近い。
「俺ラモ行クカ」
「はーい」
二階に上がると星月太陽雲のマークが二人を出迎える。どの部屋から調べようと思うまでもなく、
「あ、明らかにあの部屋怪しい」
「ダナ」
星の部屋から異臭が漂ってくる。何かが腐ったような・・・腐乱臭がプンプンと漂ってくる。
「調ベルカ?」
「後回しよ、後回し」
「ジャア、マズハ太陽ノ部屋カラダナ」
「一緒にするの?」
「コウイウ時ニ単独行動スルト死亡ふらぐダガ、ソレデモスルカ?」
「止めとくわ。意味は分かんないけど」
部屋はどこも同じ構造になっている。10畳1間で、二段ベッドが2つ、机が2つ。右側にクローゼットがあり、左にはバスルームがある。
「まずはベッドよね」
「・・・・・・アッソ」
ヤレヤレと溜息を吐きながらもロイズは机を調べ始めた。安っぽい木製の机で、数冊本が残っている。座って読もうとしたが、腰を下ろした途端椅子は大破した。先人が置いていった物だろう。ジャンルも魔法史、料理本、絵本とバラバラだ。宿の記録帳もあるが、流し読みしても別だって大したこと書いてない。よくある落書きばかりだ。あとは、チョークと板切れが何枚か。
「他は何もなかった」
「マァ、ソンナトコロダナ」
他の二部屋も同じだった。問題の部屋の前に来てイスカは鼻を抑えた。チラリと横目で見るとタオルで口元を隠している。鼻はないくせに。
「あ、開けるわよ」
イスカがドアノブに触れようとしたその瞬間、
ガチャ
「へ?」
「は?」
イスカの目の前にはザリの顔がある。
「「何でここにいるんだよ?!」」
「オーオー、見事ニはもっタナ」
「な、」
次の言葉を放とうとしてレイカは固まった。小さいが、確かに聞こえたのだ。悲鳴だった。あまりに小さくて聞いたことのない音だったからよくわからなかったが、確かに「きゃー」と聞こえた。
「ロイズ、悲鳴!」
「ドコカラダ?」
「下!」
階段を急いで駆け降りたイスカは玄関に行こうとして、押されたドアに額をぶつけた。文句を言ってやろうと顔をあげると涙を蓄えた灰色の瞳とバッチリ合った。
続く
「どうするの?クジ引き?」
「イヤ、俺ガ独断デ決メル。じあるトれいか。りとあトろん。俺トいすかダ」
異議は三人から上がった。リトアを説得するチャンスだと思っていたジアルと男性恐怖症のレイカと、そのレイカと別れる羽目になったイスカからである。
「れいかハイイ加減男ニ慣レロ。好キニナレトハ言ワンガ会話デキルクライニハ慣レトケ。返事ハ?」
「・・・・・・はい」
「妙に厳しいわね」
「俺は当て馬かよ」
「・・・男臭い」
「せめて男らしいって言えよ、中性顔」
「・・・・・・」
「場所はくじ引キデイイナ」
変なところで適当な人だったな、とジアルが笑顔の裏で思う。結果、ジアルレイカ組が食堂、リトアロン組が外のロッジ、ロイズイスカ組が宿泊部屋になった。
「何カ見タラ大声デ叫ベ。何カアッテモ触ルナ、イイナ」
「「「はーい」」」
「りとあモ解除スル前ニ見セルヨウニ」
「はい」
「デハ、開始」
「「「「はい」」」」
避けようとした手を遠慮なく握ったジアルが怯えるレイカを嬉しそうに引き摺っていく。黙っていたロンをリトアが呼び、台所へと消える。ロッジに行くには裏口の方が近い。
「俺ラモ行クカ」
「はーい」
二階に上がると星月太陽雲のマークが二人を出迎える。どの部屋から調べようと思うまでもなく、
「あ、明らかにあの部屋怪しい」
「ダナ」
星の部屋から異臭が漂ってくる。何かが腐ったような・・・腐乱臭がプンプンと漂ってくる。
「調ベルカ?」
「後回しよ、後回し」
「ジャア、マズハ太陽ノ部屋カラダナ」
「一緒にするの?」
「コウイウ時ニ単独行動スルト死亡ふらぐダガ、ソレデモスルカ?」
「止めとくわ。意味は分かんないけど」
部屋はどこも同じ構造になっている。10畳1間で、二段ベッドが2つ、机が2つ。右側にクローゼットがあり、左にはバスルームがある。
「まずはベッドよね」
「・・・・・・アッソ」
ヤレヤレと溜息を吐きながらもロイズは机を調べ始めた。安っぽい木製の机で、数冊本が残っている。座って読もうとしたが、腰を下ろした途端椅子は大破した。先人が置いていった物だろう。ジャンルも魔法史、料理本、絵本とバラバラだ。宿の記録帳もあるが、流し読みしても別だって大したこと書いてない。よくある落書きばかりだ。あとは、チョークと板切れが何枚か。
「他は何もなかった」
「マァ、ソンナトコロダナ」
他の二部屋も同じだった。問題の部屋の前に来てイスカは鼻を抑えた。チラリと横目で見るとタオルで口元を隠している。鼻はないくせに。
「あ、開けるわよ」
イスカがドアノブに触れようとしたその瞬間、
ガチャ
「へ?」
「は?」
イスカの目の前にはザリの顔がある。
「「何でここにいるんだよ?!」」
「オーオー、見事ニはもっタナ」
「な、」
次の言葉を放とうとしてレイカは固まった。小さいが、確かに聞こえたのだ。悲鳴だった。あまりに小さくて聞いたことのない音だったからよくわからなかったが、確かに「きゃー」と聞こえた。
「ロイズ、悲鳴!」
「ドコカラダ?」
「下!」
階段を急いで駆け降りたイスカは玄関に行こうとして、押されたドアに額をぶつけた。文句を言ってやろうと顔をあげると涙を蓄えた灰色の瞳とバッチリ合った。
続く
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