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5-4、ネコ、お使いする

エターナニル魔法学園特殊クラス

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「あれ、レイカ?」
「あ、リトア、お兄ちゃん。学校は?」
「ちょっとここのマスターから豆を貰ってくるように頼まれて」
「お、リトアじゃん。何今日は生徒会の手伝い?」
「そうだよ。カズこそ体の調子はもういいのかな?」
「ああ、今日退院してきたんだ。明日から出られるぜ」
「今日からじゃないんだね」
「それは言わないお約束だってwww」
先程までガタイのいい男子ばかり見ていたからだろうか、目の前で話しているリトア先輩やカズ先輩の存在自体が癒しに感じる。実際話しかけられても全然怖くなかった。カズ先輩は幽霊だったからだ。でなければ、こうはいかないだろう。レイカの任務も前途多難である。
「ひょっとして、この子のお兄ちゃんって」
「そうだよ。髪の色とか似てるでしょう」
「ひゃ~、本当にグレーにお兄ちゃんいたんだな。悪い悪い疑ってたわけじゃないって」
「カズこそレイカと知り合いなのか?そっちのが意外なのだが」
「うんうん、ちょっと幽霊になってる間に知り合っちゃったのwww」
「何かあったのかな?」
よくわかっていないリトアにレイカは簡単な経緯を説明した。
「そんなことがあったのか。世話になった。ありがとうございます」
「いやいや、俺の方こそあの家ぶっ壊してくれなかったらまだ入院中だったんだよ。だからお礼を言うのは俺の方だって」
「それで、アイスを・・・・・・レイカよかったね」
「はいです」
「あ、僕はもう行かなくては」
「「お仕事お疲れ様でーす」」
急いで帰っていくリトアを見送り、自分もそろそろ出ようと席を立とうとした時だった。
「なぁ、あんたの目的ってなんなの?」
「ふぇ?」
「だって、ただ会うだけなら今話せばいいじゃん。会った時だって何やらコソコソしとったし。こりゃもう何かあんでしょ」
レイカは悩んだ。ここで話してしまっていいのか、と一瞬悩んだ。
「お兄ちゃんの身辺調査です。学校でうまくやってるのかなって」
「お、それなら俺が何とかできそうだ。なんたって親友同士だし」
「本当どすか!?」
「マジマジ、本当と書いてマジって読むくらい。少なくとも同じクラスの仲良し学友ではあるって」
「なら、教えてください。お兄ちゃん上手くやってはりますか?」
「教えてもいいけれど、その代り俺の悩みも相談にのってくれる?」
「はい、ええよ」
男だらけの場所から早く逃げたい。この気持がレイカに安請け合いをさせてしまった。肩をガシッと掴まれると、カズのそばまで身体を持って行かれる。彼は平気とはいえ、さすがにこの距離は少々精神にきつい。
「生徒会の連中について何か知ってない?」
「生徒会どすか?」
「そ、お兄さんのことはこっちが調べとくから代わりに生徒会のことを調べてほしいんだ。特にお兄さんとの関係とか詳しく」
「何でどすか?」
「ちょっと厄介なことになっててなー。真っ向から疑ってかかるのもどうかと思うんだが、現状だとそうとしか思えないんだな、これが」
「よぅわからへん」
「だろうな。実は学校で人知れず事件が起こってるんだ。その名も通り魔事件。俺もその被害者の一人だったんだぜ」
夜の街をぶらついていた時、急に後ろから重い一撃を食らったそうだ。不覚を取ったので顔は分からない。思ったより骨が折れていたので大事を取って入院していたらしい。
「らしいどすか?」
「いや、入院してたのは確かだよ。ただ、不覚を取ったのと今描いてる犯人像が納得いかないっていうか・・・・・・しっくりこないんだ」
「うちでよければ相談にのらはるえ」
「ありがとな。まず率直に聞きたいんだけど。今持っている情報で捜そうとしたら、誰になる?犯人」
二つの集団が喧嘩していて、黒の組織のNo.2であるカズが闇討ちにあった。
「対立している白の集団の誰かどすなぁ」
「だよね~。でもそうなると俺はどこぞの誰かに不覚を取ったってことになるんだ」
「そこが問題なんどすか?」
「う~ん、まぁそれも問題なんだけれどね。ただ、俺だってそんじょそこらの奴に後ろ盗られるような鍛え方してないっての」
「・・・・・・」
「それにさ、被害俺だけじゃないんだよなぁ」
「うちに何させたいんどすか?」
「敵対してるのが生徒会のメンバーが中心となってる勢力なんだよ」
つまり、学校から見るとそちらが正義、と。
「だから、お客様ならいろいろ聞き出せるだろ」
「具体的には何を聞けばいいんですか?」
「最近の様子がわかればベスト。生徒会長の様子が見れるのがベター」
「頑張ってみます」
生徒会長が男らしい人でなければいいのだけれど、とこの学校で変な希望を持つレイカだった。


                                続く
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