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元いじめっ子の話

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ス○バで知り合ったハイレベルなイケメン集団。

私は咄嗟に声をかけた。


だけどその中に一人、見覚えのある子がいた。


「醍醐隼です!よろしくお願いします」


彼がそう名乗った時、私はやっぱり…と思っていた。



私は……


隼くんと、小学校が同じだったのだ。


中学生になる時、隼くんは受験して地元から離れたところへ入った。

だからそれきり会うことも話すこともなかったけど……




向こうも、きっと出会った瞬間に私に気づいたに違いない。

にこやかな笑顔の中で、一瞬だけ戸惑うような表情を見せたから。



隼くんは、私たちの小学校の同じクラスの中で、長らくイジメのターゲットにされていた。


それは小学校5年生になった時に始まり、そこからだんだんエスカレートしていった。


今考えればあり得ないことや、人としてよくあんなことができたなと思ってしまうような酷い内容だった。


そして私も、ただの傍観者ではなかったのだ。


初めのうちは敢えて関わらないようにしていたけど、ある日のある事件を境に、私は隼くんに対する立派な加害者になった。




だから私は、ここ最近少し怖かった。


愛莉は隼くんに恋して数年前に殺人事件を起こした容疑がかけられているし、そんな自分を責めて自殺した。

私の兄は隼くんを犯して逮捕され、今でも隼くんを忘れられないでいる。

それに、麻友だって最近は隼くんとその事件についてのやりとりを頻繁にしていて毎日忙しそうだ。


だから……


隼くんに関わってしまうと、次は私の身に何か起こるんじゃないかと考えてしまう……


そんなこみ上げるような恐怖を、私は兄から奪い返した物を握りしめながら感じていた。
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