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6人目:イマドキJKの話

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「うん、………そうだね。むしろ、愛莉の話しかしてない」


少しの沈黙の後、麻友がそう言った。


「私の話『しか』…?」

麻友の言葉の意味がわからず、思わず聞き返す。


「それって……もしかして隼くんからの恋愛相談とか??愛莉のことが気になってるけど、どうしたらいい?って麻友に相談してた的な??」

渚が茶化すように言うも、麻友の表情は堅い。


「いや……うーん…とりあえず今日の夕方愛莉の家に行っていい?」


何やら深刻そうな顔をして麻友が私に聞く。


「いいけど……なんで?」

「その時に話すから。隼くんも今日行くと思うよ」

「ええ!」


さっきから麻友の突然すぎる言葉に驚くばかりだ。

私の家に、麻友と隼くんが来る……?



「なんか分かんないけどめっちゃドキドキするやつじゃん!!私は今日このあと五郎くんとデートだから行けないけど、3人でどーなったか明日聞かせてね!」


渚だけはいつものようなテンションではしゃいでいる。


「う、うん、わかった」

私はとりあえずそう返したが、麻友のただならぬ雰囲気に私は不安でいっぱいになった。










「ごめん愛莉、私ちょっと彼氏と会ってから行くから先に家に帰っててくれない?」


午後16時頃。ス○バで一旦解散し、渚が五郎くんとのデートに向かった。

私と麻友は二人で駅から出て歩いていたときに、私に向かってそう言ってきた。


「わかった。何時頃来る?」

「んー、6時ころになるかも!」

「りょーかーい。来るときまた連絡して?」

「おけおけ~じゃ、またねー」



そんなやり取りをして、そこからそれぞれ別の方向に歩き出した。

結局麻友は、合コンメンバーとはまた別の男の人と付き合った。

やっぱりフリーなのは私だけになった。



(てか……もしかして麻友の彼氏って……)


私は1人家に向かって歩きながら、モヤモヤして晴れない気持ちを抱いていた。


(そういえば、麻友の彼氏の写真見せてもらったことない。……今日わざわざうちに来るのって、隼くんと麻友が付き合ってることを報告しに来るってこと……?)


頭ではそうかもしれないという気持ちと、それだけは嫌だという気持ちが混在していた。


(でも…昨日も2時間通話してるし…その前だって、何回も電話してる履歴があった…)

私はさっき麻友に見せてもらったこと隼くんとのトーク履歴を思い出した。


私のLI○Eには既読すらつけないのに、麻友とは毎日のようにやり取りしていた……


それもこれも、あの二人が付き合い出したとなれば話は分かる。

だけど……


(だとしたら、私の話『しか』してないってのは…どういう意味なんだろう……?)


さっき麻友が言ってたこと。

麻友と隼くんで、一体私についてどんな話をしてたんだろう。


絶対にあり得ないけど、もし仮に渚が言ってたみたいな話だったらめちゃくちゃ嬉しい。


けど、さっきの麻友の表情的にそんな幸せな話では無さそうだ。





なんだろう……


気になるな………





結局頭で考えても謎が解けないまま、私の体は気がついたら家に着いていた。
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