その男、人の人生を狂わせるので注意が必要

5人目:平凡後輩の話

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「あれ？海吏！まだ残ってたの？」

「……隼先輩……」

「こんな時間まで一人で残ってどうした？また何か悩んでることでもある…？」


あいつらとさっき話してから1時間以上経った。

俺だけは部室からなかなか足が動かず、今は一人で残っていた。


「コーチたちと色々話してたらこんな時間になっちゃって…部室の方見たらまだ灯がついてたからさ。戻ってきてよかった。もう遅いし、話ながら帰ろう？」


隼先輩は部室のドアの付近にいる。


俺が「はい」とおとなしく返事をすると、隼先輩は安心したように微笑んだ。








その一瞬の隙に、俺は隼先輩を思いっきり殴った。



「………っっ！！？？！」

ガシャン！！と大きな音を立てて隼先輩はドアにぶつかりよろめいた。



突然のことに何も言えず驚く隼先輩が態勢を立て直そうとしているとき、もう一発殴った。


「…！海吏！……急になにするんだよ……」



2発殴られた隼先輩が座り込んだのを見て、俺はすかさず腹に蹴りを入れる。


「っっっうっ」


苦しそうな声を出して悶える隼先輩。


腹を抱えるように蹲っているその頭を、足で思い切り蹴飛ばす。


「いたっっっ！」


頭を抱えながらズシャッ、と地面に倒れ込む。

横向きに倒れ、手で頭を守っている隼先輩を、俺は何度も蹴った。


「海吏っ！やめろっっ！どうしたんだよ急に！」


起き上がろうとする度に全力で殴るか蹴るかをして、隼先輩を何度も痛めつけた。


「海吏！！何があったか話してよ！こんなことしても何にもならないよ！」


隼先輩はその度に抵抗し、身を守りながら俺を説得すべく懇願していた。

だけど、テントの固定に使うトンカチで顔を殴ったら、そのままパタリと動かなくなってしまった。