泣いてるロボット

いちごみるく

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供養の日。

龍也さんが突然、私と樹の前に姿を現した。

「樹クン~?あんた、遥の腹の子をダシにして遥とやり直そうとしてたんじゃねえの?」

突然そんなことを言う彼に、樹くんは明らかに怒っていた。

「てか、あんたお人好しすぎるだろ」


ニタニタ笑いながら龍也さんが言う。

私は瞬時にこの人が何を言い出そうとしているのかが分かった。

「やめて!!」


その言葉虚しく、龍也さんは本当の事を言ってしまった……。


「お前が金出して堕ろさせ供養までしたこのガキはな……遥がレイプされて出来たガキなんだよ!!」

高笑いする龍也さんと、驚き口を開けている樹。

私はただ、泣くことしか出来なかった…。

私がごめんなさいと謝る度に、樹が悲しそうな顔をする。

私は何度、この人を傷つけたのだろう…。





そして樹が龍也さんに殴りかかった時……

私は意図せず、樹に飛びつき殴るのを止めていた。


「…え…遥…?」

驚き目を見開く樹は、私に背から抱きつかれるような形になっている。

だけどそれは所謂抱擁ではなく、あくまで龍也さんに対する暴力を止めるための制止行為。

そして樹の隣に回り込み、耳元で囁いた。

「……許さない……」


私は、隣にいるこの男を絶対に許さない。


こいつさえいなければ


私は感情のないロボットになれるのに


こいつさえいなければ


私は龍也さんと何不自由なく暮らせるのに



それを邪魔する樹のことを



私は許さない
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