泣いてるロボット

いちごみるく

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あの事件以来、私は本当に心を失くした。

何を見ても聞いても感情が動かない。

私を愛してくれない人と一緒にいなければならないという絶望から一生逃げられないのだ。

感情を持つ方が酷だ。


だけどしばらくして、私は自分の体調の変化に気づく。

頭痛や腹痛、吐き気、食欲不振、体力低下。

そして、生理が来ないことに気づいた…。




案の定私は妊娠していた。

龍也さんに報告するも、彼はあの日の話を持ち出し、父親を調べてもらえと言う。

龍也さんが父親でなければ、あのレイプ犯たちの中の誰か…。

それだけは避けたいと言う思いも虚しく、お腹の子は龍也さんの子ではなかった。

龍也さんは激怒して、そんな子供は堕ろしてしまえと言った。

私は逆らう事も出来ず、堕ろすことを決断した。

私はそれから、中絶手術について沢山調べた。

思ったよりも費用がかかることや、体に負担がかかることを知った。

龍也さんはそれでも産むなと言い、ある夜、こんなことを言い出したのだった。


「そうだ……遥、手術の費用…アイツに払わせろ。」

"アイツ"…

龍也さんがそう呼ぶ相手は、ただ一人。


「樹だ。樹を利用しろ。」

私は流石に従いたくなかった。
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