泣いてるロボット

いちごみるく

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「おかえり遥。バイトお疲れ様。」

部屋に帰ったとき、さっきまでの出来事を忘れさせてくれそうな優しい笑顔で樹が迎えてくれた。

樹の声と雰囲気に、こんなに安心したのは初めてだった。

「……ただいま。…あーー疲れた…」

私はさっきまでの事を思い出したくなくて、すぐにベッドへ直行した。

そんな私を心配したのか、樹がすぐにベッドに腰掛け、私の頭を優しく撫でた。

「遥、疲れてるときは頑張りすぎないでね。バイトが楽しいのはいい事だけど、体を壊したら大変だからさ。」

降り注ぐ樹の優しい声が、さっきの罵声や怒声を包み込んでいく。

その暖かさについ泣きそうになったが、必死に堪えた。

私はこの人を…


優しいこの人を、また裏切ることでしか、救うことができないんだ…


自分の無力さと不甲斐なさに腹が立ちながらも、そうするしかないのだと必死に自分に思い込ませていた。
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