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20XX年 9月2日

ある日、私はいつもの公園で黄昏れていた。

夏休みが終わり、隼くんと会える日がまた減ってしまった。

そのことがすごく寂しくていたたまれない気持ちになって、それでつい、1人で黄昏れていたのだった。

そしたら、一人の女の子が私の元へ駆け寄ってきた。

その子は、私が今まで遊んできたどんな小学生よりもずば抜けて美しかった。

もちろん性別を考慮しなければ隼くんが一番なのだが、女の子の中では間違いなく一番綺麗だった。

大きな目と小さな顔が特徴的な、モデルのような女の子だ。



その子は私に対してはじめは少しモジモジしていたが、次第に自分の気持ちを強く話してくれるようになった。


その子の気持ち……


それは、隼くんに対する並々ならぬ感謝の気持ち。

どうやらその子は隼くんと同じクラスで、前に隼くんに助けられたことがあったみたいだった。


だけど普段隼くんは学校で虐められているから、表立って隼くんと仲良くはできないとのことだ。

それに感謝を伝えようにも、ある事情があってなかなか素直に言えないらしかった。




私はその子に、隼くんの机の中にこっそり手紙を入れることを勧めてみた。

だけどその子は恥ずかしがってそれを嫌がった。

それに万一その手紙をいじめ集団に見つけられたら、隼くんもその子も大変な目に遭う。


次に私が提案したのは、私が間接的にこの子の感謝を伝えること。

だけどそれも、自分で伝えたいからということで却下だった。



最後に私が提案したのは、匿名でお礼の品を机や下駄箱に入れることだった。

匿名であれば仮にバレてもすぐにその子に影響は無いし、それに隼くんなら、きっと誰が入れてくれたのかをすぐに気づいてくれるはずだ。


私がそう話すと、その女の子は笑って頷いてくれた。



隼くんを想う気持ちは私と変わらないのかもしれないと思ったけど、なぜだがその子には嫉妬の気持ちは湧かなかった。

むしろ、私達だけが知っている隼くんの良さを共有できた気がして、少し嬉しかった。
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