119 / 214
15頁
9
しおりを挟む
「ねえ隼くん。ちょっといい?」
僕が朧気に目を逸したのを見逃さなかったのだろう。
間髪入れずに昭恵さんたちが僕の席にやって来た。
「……どうしたの……?」
クラスの女子と……それも、夏に大事件に巻き込んでしまった女子と話すということに慣れていなかった僕は、思わず伏し目がちになりながら、若干声を震わせて彼女に答えた。
恐る恐る昭恵さんの顔を見ると、どこか気色ばんたような……
真っ黒な瞳の奥で見えぬ炎が燃えているような
そんな不思議な活力を滾らせながら、僕を睨みつけるようにして見下していた。
「昨日、公園で菜摘さんと話したの。……バレンタインの日、隼くんの靴棚にチョコが入ってたでしょう?あれ、ちゃんと食べた?」
「う、うん。もちろん食べたよ…」
「だけど隼くん、そのチョコをくれた子が誰かなんて全く気にしてなさそうだったね。」
「そんなことないよ…!そりゃあ気になったよ……それで…僕も昨日、菜摘さんから聞いたんだよ…その…」
「私たちの中の誰かがあげたってことを聞いたんでしょう?」
「うん……」
僕が頷くと、昭恵さんたちは苦笑いしながら互いに顔を見合わせていた。
「隼くんは、私たち三人のうち、誰かからチョコをもらって、そして好きって言われたら嬉しいと思う?」
「へ…?」
「あれはね、私たち全員の気持ちなの……。つまり、私たちは3人とも隼くんのことが…好きなの…。」
思いもよらない告白に、僕は口を開けてしばらく閉ざすことができなかった。
僕が朧気に目を逸したのを見逃さなかったのだろう。
間髪入れずに昭恵さんたちが僕の席にやって来た。
「……どうしたの……?」
クラスの女子と……それも、夏に大事件に巻き込んでしまった女子と話すということに慣れていなかった僕は、思わず伏し目がちになりながら、若干声を震わせて彼女に答えた。
恐る恐る昭恵さんの顔を見ると、どこか気色ばんたような……
真っ黒な瞳の奥で見えぬ炎が燃えているような
そんな不思議な活力を滾らせながら、僕を睨みつけるようにして見下していた。
「昨日、公園で菜摘さんと話したの。……バレンタインの日、隼くんの靴棚にチョコが入ってたでしょう?あれ、ちゃんと食べた?」
「う、うん。もちろん食べたよ…」
「だけど隼くん、そのチョコをくれた子が誰かなんて全く気にしてなさそうだったね。」
「そんなことないよ…!そりゃあ気になったよ……それで…僕も昨日、菜摘さんから聞いたんだよ…その…」
「私たちの中の誰かがあげたってことを聞いたんでしょう?」
「うん……」
僕が頷くと、昭恵さんたちは苦笑いしながら互いに顔を見合わせていた。
「隼くんは、私たち三人のうち、誰かからチョコをもらって、そして好きって言われたら嬉しいと思う?」
「へ…?」
「あれはね、私たち全員の気持ちなの……。つまり、私たちは3人とも隼くんのことが…好きなの…。」
思いもよらない告白に、僕は口を開けてしばらく閉ざすことができなかった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る
マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。
思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。
だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。
「ああ、抱きたい・・・」
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる