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「あれ、隼くん。他の4人は?」

他の班の様子を見ていたボランティアの女性が戻ってきた。

「……えっと……何か他の準備をしてると思います…」

「えー。これ隼くん一人にやらせて?」

「みんな料理が苦手らしいので…今は僕一人でやってますけど、さっきまでは4人ともここにいて一生懸命やってましたよ。…このニンジンとかジャガイモを切ってくれたのは4人です。」

「……ほんと?」

「はい!僕は仕上げをやってるだけなので…むしろみんなの方がいっぱい切ってくれましたよ。」

「そう……。でも私、遠くから見てたけど、あの四人私に言いつけられてから割とすぐどっかに行かなかった?」

「…!えっ、いや……そんなことは…」

「嘘が下手なんだから隼くん!……でも、優しいのね。」

「いや…」

「とっさに仲間を庇うためにあんな嘘つける子なんて、初めて見た。隼くんは料理も上手だし優しい嘘もつけるいい子だね。」

「ありがとうございます!」

「でも……だからってみんなの言いなりになるのはダメだよ?ちゃんと意見も言えるようにならないと。」

「そうですよね……」


菜摘さんにいつも言われているのと同じことを言われた。

僕は、みんなにハッキリ物を言うことができない。

それは克服するべき点なのに、今以上にいじめられるのが怖くて勇気を出せないでいる。

たった一日でそこを見抜かれたことがとても恥ずかしかった。
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