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嵐の夜6【最終話】

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「……んんっ!!!」


俺も堪らず、下から隼の顔を包んで唇を奪った。

「んーっ……はぁっ……」

突然の俺のキスに、隼は懸命に息を継ぐ。


「……確かにお前の言う通りだな隼。俺達、もうとっくに感覚がぶっ壊れてる……理性や常識なんて、あったもんか…………」


俺のその言葉に、隼は満足そうにまた微笑み、俺の唇を受け入れた。

隼がわざと眠いふりをして俺を誘ったのか、それとも本当に眠いからこそ普段抑えていた欲望を全開にしたのか、本当の所は分からない。

しかし久しぶりの隼の体温に、俺はそこから思考が途絶えた。

最後に記憶しているのは、何気なく見つめた隼と雨宮のダブルベッドだった。








ある冬のある日。

土砂降りの空が落とす大きな雨は、窓を強く叩きつける。


こんな嵐の冬が来ると、俺はいつもあの日を思い出す。



そしてそれは、奴も同じなのだろうか……



ピンポーン


一人暮らしの俺の部屋のインターホンが鳴る。


ドアを開けると、そこには次の春、大学を卒業したら雨宮と結婚することが決まっている隼が立っていた。


濡れた体が外の嵐のような感情と渦巻く欲情を帯びている。

俺は隼を部屋に受け入れ、窓の方を見る。

(…………そう、あの夜も……)


俺は今日も、初めて体を重ねたあの夜のことを思い出していた。



2人の行き場のない熱の疼きを互いに受け入れることに、ついに終わりは来なかったのである。
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