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ビデオ通話2
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「それより隼。今日、雨宮からは何を貰ったんだ?」
「あ、んとね……これ!」
俺の突然の質問に、隼は嬉しそうに雨宮から貰ったものを取り出して俺に見せてきた。
「yo○exのロングTシャツにポロシャツか。…そのポロシャツ、お前が欲しがってたやつじゃないか?」
「そうなんだよね!俺が前から気になってたのを覚えてくれてて、買ってくれたんだ。後このロンTも、これからの時期に必要だろうからって。」
「確かに。毎日練習があるから、練習着はいくらあっても良いな」
「うん!しかもこのロンTとポロシャツ、実は梨々とお揃いなんだよね……」
隼は若干顔を赤らめて、恥ずかしそうに言った。
「そうかよかったな。服装が被る日があれば面白いな」
「そうだね!……あと、これも貰っちゃった」
「これは?」
「梨々が手作りでクッキーとマフィン焼いてくれたんだ。メッセージカードも付けてくれた!」
そう言いながら隼が見せてきたのは、小さな花の装飾やキラキラしたシールなどが貼られているピンク色の袋と、オレンジ色の秋桜が描かれているメッセージカードだった。
半透明なその袋から見える手作りの菓子の見た目といいそのラッピングのセンスといいメッセージカードの雰囲気といい、全てケーキ屋で買ってきたと言われても疑わない程のクオリティだった。
「そうか。すごいな。それが全部手作りだなんて」
「すごいよね!!ちょっとずつ食べたけど味もお店のものみたいに美味しかった!…いや、気持ちがこもってるからお店のより美味しかった!」
「そうか、それはよかったな」
隼は心底嬉しそうにニコニコしながらプレゼントを見つめ、俺にそう惚気てきた。
さすが、隼のようなモテる男を捕まえるだけある。
雨宮のセンスや気遣いに脱帽しながらも、隼が幸せそうにしているのを見ると、少しばかり複雑な気持ちになる。
こいつらは、本当に心の底から愛し合っているんだな……
そういう事実を認めるしかないからだ。
「ところで隼、瑠千亜たちから貰ったプレゼントはどうした?」
俺は今日ビデオ通話した目的を果たすため、本題に入った。
隼は俺の言葉を聞き、「えーと…」などと言いながら大きな袋を漁っている。
隼は女子からも男子からも後輩からも先生からも大人気だ。
それ故、毎年誕生日には大量のプレゼントを貰っている。
だから、貰ったものたちを大きな袋にまとめて入れて持ち帰る羽目になっている。
雨宮と付き合うようになって以降、女子からのプレゼントは減ったが、靴棚や机の中に無記名で入っている物に関しては捨てるわけにもいかず持ち帰っている。
また、部活以外の後輩からもわざわざ教室まで来て渡されたり、数人の先生たちからもちょっとした菓子などを貰っている。
ここまで人に愛される男を俺は見たことがない……
だけどこいつが万人に愛される理由など、俺が一番近くで実感しているはずだ。
「……これだね」
俺がそんなことを考えていると、隼は瑠千亜たちから貰ったものを袋から見つけ出していた。
「隼、お前それ貰ったとき正直どう思った?」
「え?どうって……」
「俺は正直優越感に浸っていた。隼は俺のモノが好きだからな。そんな玩具では満足しないだろうと思って」
「ええっなにそれ……!」
「実際そうだろ?」
俺は隼の目を見て言葉を遮り、隼の核心を突くように聞いた。
「………そりゃ、そうなんだけど……けど優と毎日できるわけでもないし……一人でするときとか、優のを思い出してできるかなとは思ったよ」
隼は意外にもあっさりと本音を吐露した。
隼の言葉に、俺は何故だか予め予想していた通りだと思った。
「あ、んとね……これ!」
俺の突然の質問に、隼は嬉しそうに雨宮から貰ったものを取り出して俺に見せてきた。
「yo○exのロングTシャツにポロシャツか。…そのポロシャツ、お前が欲しがってたやつじゃないか?」
「そうなんだよね!俺が前から気になってたのを覚えてくれてて、買ってくれたんだ。後このロンTも、これからの時期に必要だろうからって。」
「確かに。毎日練習があるから、練習着はいくらあっても良いな」
「うん!しかもこのロンTとポロシャツ、実は梨々とお揃いなんだよね……」
隼は若干顔を赤らめて、恥ずかしそうに言った。
「そうかよかったな。服装が被る日があれば面白いな」
「そうだね!……あと、これも貰っちゃった」
「これは?」
「梨々が手作りでクッキーとマフィン焼いてくれたんだ。メッセージカードも付けてくれた!」
そう言いながら隼が見せてきたのは、小さな花の装飾やキラキラしたシールなどが貼られているピンク色の袋と、オレンジ色の秋桜が描かれているメッセージカードだった。
半透明なその袋から見える手作りの菓子の見た目といいそのラッピングのセンスといいメッセージカードの雰囲気といい、全てケーキ屋で買ってきたと言われても疑わない程のクオリティだった。
「そうか。すごいな。それが全部手作りだなんて」
「すごいよね!!ちょっとずつ食べたけど味もお店のものみたいに美味しかった!…いや、気持ちがこもってるからお店のより美味しかった!」
「そうか、それはよかったな」
隼は心底嬉しそうにニコニコしながらプレゼントを見つめ、俺にそう惚気てきた。
さすが、隼のようなモテる男を捕まえるだけある。
雨宮のセンスや気遣いに脱帽しながらも、隼が幸せそうにしているのを見ると、少しばかり複雑な気持ちになる。
こいつらは、本当に心の底から愛し合っているんだな……
そういう事実を認めるしかないからだ。
「ところで隼、瑠千亜たちから貰ったプレゼントはどうした?」
俺は今日ビデオ通話した目的を果たすため、本題に入った。
隼は俺の言葉を聞き、「えーと…」などと言いながら大きな袋を漁っている。
隼は女子からも男子からも後輩からも先生からも大人気だ。
それ故、毎年誕生日には大量のプレゼントを貰っている。
だから、貰ったものたちを大きな袋にまとめて入れて持ち帰る羽目になっている。
雨宮と付き合うようになって以降、女子からのプレゼントは減ったが、靴棚や机の中に無記名で入っている物に関しては捨てるわけにもいかず持ち帰っている。
また、部活以外の後輩からもわざわざ教室まで来て渡されたり、数人の先生たちからもちょっとした菓子などを貰っている。
ここまで人に愛される男を俺は見たことがない……
だけどこいつが万人に愛される理由など、俺が一番近くで実感しているはずだ。
「……これだね」
俺がそんなことを考えていると、隼は瑠千亜たちから貰ったものを袋から見つけ出していた。
「隼、お前それ貰ったとき正直どう思った?」
「え?どうって……」
「俺は正直優越感に浸っていた。隼は俺のモノが好きだからな。そんな玩具では満足しないだろうと思って」
「ええっなにそれ……!」
「実際そうだろ?」
俺は隼の目を見て言葉を遮り、隼の核心を突くように聞いた。
「………そりゃ、そうなんだけど……けど優と毎日できるわけでもないし……一人でするときとか、優のを思い出してできるかなとは思ったよ」
隼は意外にもあっさりと本音を吐露した。
隼の言葉に、俺は何故だか予め予想していた通りだと思った。
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