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二人の関係

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「おやすみ、はやと。今日も疲れさせてごめんな。明日は休みだからゆっくり寝ような」

「ありがとうゆう。明日はお昼まで寝てても許してね」



東京都内のあるマンションの1室。
薄いグレーを基調とした無機質な部屋のほぼ中心にある大きなベッド。

そこには2人の男子中学生の姿。


「それにしても…お前今日は何回イッた?」

「数えてないよそんなの。そんな余裕ない!笑」

「確かに。すげー気持ちよさそうにしてたからな。」

「誰のせいだと思って…」

「せいじゃなくておかげだろ?俺のおかげで〇〇も✕✕も△△も全部できるようになったじゃないか。」

「ちょっ……改めてそんな言葉並べないでよ!!恥ずかしい…」



この関係は約2ヶ月前から続いている。




始まりは俺の一方的な暴走だった。

俺は隣に寝ている幼馴染、醍醐だいご隼のことが初めて出会った小学二年生の時からずっと好きだった。

小学校は違うが、住んでる地区は近かったため、ソフトテニスの教室で知り合った。

そこからペアになりほぼ毎週練習の度に顔を合わせ、夏休みなどにはしばしば会って練習の後に遊んでいた。

そして中学生になった今、俺達は30年間連続で全国制覇しているテニスの超強豪校に在籍している。

隼とはペアである上にクラスも同じだったため、一緒にいる時間が格段に増えた。
それに比例するように、俺の隼への気持ちは加速していった。


隼に彼女ができたのは中学1年生の冬。
その彼女は、実は入学当初俺に恋をしていた。
しかし隼の一途な気持ちに絆され、結局隼と付き合った。


俺は隼に彼女ができた時、表面では祝福したが、心の中は言い様のない気持ちに支配された。

隼が彼女を好きなことは入学してすぐの頃から気づいていたし、彼女が俺から隼に気持ちを向け始めていたことも何となく分かっていた。

だから気持ちの準備ができていなかったわけではない。

だがいざ隼が「恋人」を作るとなると、
これまで揺るぎないと思っていた俺の立場も変わってしまうのだということを実感した。

何かあったときに真っ先に相談する相手は俺じゃない。
休日などに一緒に過ごす相手は俺じゃない。
イベントの際に真っ先に頭に思い浮かべるのは彼女の笑顔。


隼の日常が、少しずつ彼女に侵食されていくような気分だった。


それでも隼が傷ついたり悩んだりするよりは、幸せそうに笑っているほうがよかった。
こいつは小学校時代、かなり酷いイジメに遭っていた。
そんな辛い時期を知っているからこそ、好きな人と楽しく過ごせているこいつを邪魔したくはなかった。


だから俺は、このまま自分の気持ちを封じ込めるつもりだった。
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