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第五章 アルヴィドの章(アルヴィドEDルート)
65.過去と過去
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黄金竜の、竜后の弱みを掴む。
そう決めて、アルヴィドに許可をとった上でパウラはヘルムダールへ向かった。
アルヴィドとセスランはどうしても同行すると互いに譲らなかったが、パウラ一人なら転移魔法で瞬時の移動ができるからと丁重に断った。
アルヴィドとセスラン、二人の試験官が同時に現場を離れてどうするのだ。エリーヌを一人、放っておくわけにもいかないだろうに。
(黄金竜への恨みが、二人にもあるのかもね)
前世も今も、パウラは必要以上に聖使の過去には触れないようにしていた。なりゆきで知ってしまうこともあったが、自分からずかずかと他人の胸の内に入ることはしない。それはパウラ自身がされたくないことだったから、他人にもそうしてきたのだけれど、エリーヌのずかずかぶりをみていると、パウラももう少しは知る努力をした方がよかったのかもしれないと思う。
ともあれパウラの知らない彼らの過去に、黄金竜への恨みがなにかあるのだとしたら、協力してもらえれば嬉しい。その程度に軽く考えていた。
ヘルムダールに着くまでは。
当代の竜后がまだその地位に就く前のこと。
20歳までは誰とも未来を約束してはならないという、ヘルムダールの女子の掟に叛いて恋をしたのだと。
母は言った。
「ヴォーロフの2番目の公子だったのだそうだよ。
美貌の公子など珍しくないヴォーロフにあって、特に人の口に上るほど群を抜いた美貌のね」
用意してくれていたらしい肖像画を見せられて、パウラは目を疑った。
「こ……れ……が竜后のお相手ですの?」
黒に近い緑の短髪に、針葉樹の深い緑の瞳。頬から顎に続くラインはシャープで無駄がない。細く高い鼻梁や切れ長の目元、引き結ばれた唇は大きく男性的でありながら、最も美しい形を計算したかのように薄く、口角に向かってゆるやかに上がっていた。
圧倒的な美貌。
けれどパウラが驚いたのは、その美貌ゆえではない。
「アルヴィド……」
思わず口にしたその人に、生き写しであったから。
その後、ヴァースキーからの情報も与えられて、もうこれ以上は得られないだろうとパウラはヘルムダールを発つことにした。
パウラが憤る竜后の贅沢やその夫黄金竜の暴君ぶりには、大公家の当主たる母アデラも眉を顰めたが、愛娘が巻き込まれるとなれば心配でたまらぬようだ。
「いいかい、パウラ。
どんなに愚かしい暴君だとしても、黄金竜とその正室だよ。
パウラ一人が意見して、黙って言うことをきくとはとても思えない。
なにかことを起こす前に、せめて黄金竜の郷に味方を作っておくんだよ。
いいね?」
転移魔法陣が輝いて消える瞬間、母はパウラの頬に手を伸ばして言った。
「黄金竜はヘルムダールが作る。
よく憶えておきなさい」
銀色の魔法陣が大気に溶けて、母の顔が滲んで消えた。
アルヴィドに聞かなくては。
あの肖像画の公子とアルヴィドは、ただの先祖というだけではない、何かもっと深い関わりがあるのか。
似ているなどと、そんなレベルではない。生き写しのあの公子は、もしかしたら……。
そういうパウラだとて、時間を遡った2回目の生を生きている。
アルヴィドが無念の生を恨んで、転生していたとしても不思議ではない。
(本当はうかつに触れて良いことじゃないんでしょうけど)
恨みを抱いて転生を願ったとすれば、多分その内心は誰にものぞかれたくはないだろう。
けれどそう思いやってばかりいられない。
黄金竜と竜后の弱みになることなら、どうしても聞かなければならない。
ありていに言えば、脅迫の材料なら何でも欲しい。
出立した地、紛争地までまだ少し距離のある野営地に戻ったパウラは、すぐにアルヴィドの天幕へ向かった。
「アルヴィド様、ただいま戻りました」
「収穫はあったようだな」
針葉樹の深い緑の瞳が柔らかくにじむ。
「何もかも、知ったか」
少し間をあけて発した声は、いつもより陰鬱に沈んで、けれど艶やかによく響く。
「どこから話せば良い?」
もうすっかり見透かされている。
パウラが何を知り、何を聞こうとしているかをすべて。
「なにもかも……。
大変心苦しいのですが、お教えください。
最初からすべてを」
だからパウラは心から頭を下げる。
話したくはないだろうことを、どうしても聞かねばならないから。
「3度目の生だと、そう言ったら信じるか?」
淡々と語り始めた声は、物語を紡ぐ吟遊詩人の調べのようだ。
「パウラが見たものは、1度目の俺だ。
ヴォーロフの2番目の公子だった。
世嗣でもないただの公子が、ヘルムダールの聖紋持ちの公女に恋をした。
未来を一緒になどと、途方もない夢をみたものだ。
だがある日彼女は消えた。
竜后になったのだと、聞かされた」
痛みを伴う過去だろうに、アルヴィドの言葉はよどみない。
深い緑の瞳は美しい針葉樹の森のようで、ただしんと静まり返っていた。
パウラは黙ってアルヴィドを見つめる。
相槌を打ってはならないような気がしたから。
「2度目は、非竜の大公と呼ばれたな。
ヴォーロフの大公だった。
そして3度目、今だ。
過去の記憶を残したまま、俺は3度目を生きている」
三度の生と聞いて、パウラはなんだかやるせない思いがする。
パウラの場合は2度目だけれど、それでも十分にキツいのだ。
もうしくじれないと思うから、前世のように無防備には生きられない。
気づけば肩に力が入っていて、ふぅ……と息を吐いて力を逃がす夜のなんと多いことだろう。
それをアルヴィドは3度も。
過去の記憶、その恋に囚われて3度のやり直しを望んだのだろうか。
「わたくしは2度目ですわ」
パウラの告白に、アルヴィドの目が見開かれる。
「アルヴィド様から秘密を伺ったのです。
わたくしが打ち明けなければ、フェアではありませんから」
くっ……とアルヴィドが笑いをかみ殺す。
「パウラらしいことだ」
深い緑の視線が、その先を黙って促している。
「前世のわたくしは、聖女オーディアナでしたわ。
数千年でしたかしら。
名ばかりの妻として竜后の仕事を毎日毎日こなして、生を終えました。
飼殺されるために生きるなんて、許せませんでしたの。
だからやり直したんですわ。
2度と、黄金竜のいいようになんてされるものですかと決めて」
そう決めて、アルヴィドに許可をとった上でパウラはヘルムダールへ向かった。
アルヴィドとセスランはどうしても同行すると互いに譲らなかったが、パウラ一人なら転移魔法で瞬時の移動ができるからと丁重に断った。
アルヴィドとセスラン、二人の試験官が同時に現場を離れてどうするのだ。エリーヌを一人、放っておくわけにもいかないだろうに。
(黄金竜への恨みが、二人にもあるのかもね)
前世も今も、パウラは必要以上に聖使の過去には触れないようにしていた。なりゆきで知ってしまうこともあったが、自分からずかずかと他人の胸の内に入ることはしない。それはパウラ自身がされたくないことだったから、他人にもそうしてきたのだけれど、エリーヌのずかずかぶりをみていると、パウラももう少しは知る努力をした方がよかったのかもしれないと思う。
ともあれパウラの知らない彼らの過去に、黄金竜への恨みがなにかあるのだとしたら、協力してもらえれば嬉しい。その程度に軽く考えていた。
ヘルムダールに着くまでは。
当代の竜后がまだその地位に就く前のこと。
20歳までは誰とも未来を約束してはならないという、ヘルムダールの女子の掟に叛いて恋をしたのだと。
母は言った。
「ヴォーロフの2番目の公子だったのだそうだよ。
美貌の公子など珍しくないヴォーロフにあって、特に人の口に上るほど群を抜いた美貌のね」
用意してくれていたらしい肖像画を見せられて、パウラは目を疑った。
「こ……れ……が竜后のお相手ですの?」
黒に近い緑の短髪に、針葉樹の深い緑の瞳。頬から顎に続くラインはシャープで無駄がない。細く高い鼻梁や切れ長の目元、引き結ばれた唇は大きく男性的でありながら、最も美しい形を計算したかのように薄く、口角に向かってゆるやかに上がっていた。
圧倒的な美貌。
けれどパウラが驚いたのは、その美貌ゆえではない。
「アルヴィド……」
思わず口にしたその人に、生き写しであったから。
その後、ヴァースキーからの情報も与えられて、もうこれ以上は得られないだろうとパウラはヘルムダールを発つことにした。
パウラが憤る竜后の贅沢やその夫黄金竜の暴君ぶりには、大公家の当主たる母アデラも眉を顰めたが、愛娘が巻き込まれるとなれば心配でたまらぬようだ。
「いいかい、パウラ。
どんなに愚かしい暴君だとしても、黄金竜とその正室だよ。
パウラ一人が意見して、黙って言うことをきくとはとても思えない。
なにかことを起こす前に、せめて黄金竜の郷に味方を作っておくんだよ。
いいね?」
転移魔法陣が輝いて消える瞬間、母はパウラの頬に手を伸ばして言った。
「黄金竜はヘルムダールが作る。
よく憶えておきなさい」
銀色の魔法陣が大気に溶けて、母の顔が滲んで消えた。
アルヴィドに聞かなくては。
あの肖像画の公子とアルヴィドは、ただの先祖というだけではない、何かもっと深い関わりがあるのか。
似ているなどと、そんなレベルではない。生き写しのあの公子は、もしかしたら……。
そういうパウラだとて、時間を遡った2回目の生を生きている。
アルヴィドが無念の生を恨んで、転生していたとしても不思議ではない。
(本当はうかつに触れて良いことじゃないんでしょうけど)
恨みを抱いて転生を願ったとすれば、多分その内心は誰にものぞかれたくはないだろう。
けれどそう思いやってばかりいられない。
黄金竜と竜后の弱みになることなら、どうしても聞かなければならない。
ありていに言えば、脅迫の材料なら何でも欲しい。
出立した地、紛争地までまだ少し距離のある野営地に戻ったパウラは、すぐにアルヴィドの天幕へ向かった。
「アルヴィド様、ただいま戻りました」
「収穫はあったようだな」
針葉樹の深い緑の瞳が柔らかくにじむ。
「何もかも、知ったか」
少し間をあけて発した声は、いつもより陰鬱に沈んで、けれど艶やかによく響く。
「どこから話せば良い?」
もうすっかり見透かされている。
パウラが何を知り、何を聞こうとしているかをすべて。
「なにもかも……。
大変心苦しいのですが、お教えください。
最初からすべてを」
だからパウラは心から頭を下げる。
話したくはないだろうことを、どうしても聞かねばならないから。
「3度目の生だと、そう言ったら信じるか?」
淡々と語り始めた声は、物語を紡ぐ吟遊詩人の調べのようだ。
「パウラが見たものは、1度目の俺だ。
ヴォーロフの2番目の公子だった。
世嗣でもないただの公子が、ヘルムダールの聖紋持ちの公女に恋をした。
未来を一緒になどと、途方もない夢をみたものだ。
だがある日彼女は消えた。
竜后になったのだと、聞かされた」
痛みを伴う過去だろうに、アルヴィドの言葉はよどみない。
深い緑の瞳は美しい針葉樹の森のようで、ただしんと静まり返っていた。
パウラは黙ってアルヴィドを見つめる。
相槌を打ってはならないような気がしたから。
「2度目は、非竜の大公と呼ばれたな。
ヴォーロフの大公だった。
そして3度目、今だ。
過去の記憶を残したまま、俺は3度目を生きている」
三度の生と聞いて、パウラはなんだかやるせない思いがする。
パウラの場合は2度目だけれど、それでも十分にキツいのだ。
もうしくじれないと思うから、前世のように無防備には生きられない。
気づけば肩に力が入っていて、ふぅ……と息を吐いて力を逃がす夜のなんと多いことだろう。
それをアルヴィドは3度も。
過去の記憶、その恋に囚われて3度のやり直しを望んだのだろうか。
「わたくしは2度目ですわ」
パウラの告白に、アルヴィドの目が見開かれる。
「アルヴィド様から秘密を伺ったのです。
わたくしが打ち明けなければ、フェアではありませんから」
くっ……とアルヴィドが笑いをかみ殺す。
「パウラらしいことだ」
深い緑の視線が、その先を黙って促している。
「前世のわたくしは、聖女オーディアナでしたわ。
数千年でしたかしら。
名ばかりの妻として竜后の仕事を毎日毎日こなして、生を終えました。
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