大東亜架空戦記

ソータ

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東太平洋海戦

第58話 友達

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隆雄達は立島と秦野の結婚式に参列していた

「麻子!綺麗!」
「語彙力どうしたのよ」ハハハ
「いやぁ綺麗すぎてさ」アハハ
「将校ともなるとかっこいいな」
「陸軍は階級に問わず軍装が綺麗じゃないか」
「んーまぁそうなのかもな」
そうして式が始まり恙無く終わった
「おめでとう」
「ありがとう、ハワイでもよろしく頼むよ」
「あぁ、つってもあんまり頻繁には会えないと思うけどな」
「まぁそうだよな。陸軍と海軍、航空兵と歩兵、大尉と上等兵じゃいくらなんでもな」
「訓練も忙しいし出撃もいつ入るか分からないからな」
「そうだな、まぁ!しばらくは内地だ!」
「あぁ、よし今日は思いっきり飲むかな」
「おぉ!」
「隆雄くん、また潰さないでね?」
「頑張る」
案の定潰した

4人は時々集まり、やがてとうとう出征の時が来た
「行ってらっしゃいませ、武運長久をお祈り致します」
信恵が隆雄に頭を下げる
「健二!死なないでね!」
「麻子、出征する兵士に死んじゃダメなんて言わないの。こういう時は武運長久をお祈り致しますって」
「そ、そうなの、武運長久をお祈り致します!」
「「行ってまいります」」
「「はい!」」
立島は輸送船に乗り込み、隆雄は赤城に乗り込んだ。
沖に出た艦隊は輸送船を囲むように集結し輪形陣を組みながらハワイをめざした

ハワイまで残り1800海里のところでその時はやってきた
アメリカの空母艦隊が北太平洋を南に大きく迂回しオセアニアに迫ろうとしていたところにばったり出くわした
艦隊の艦船の中は警報が鳴り響く
「な、何だこの警報...」
陸軍の兵士たちは訳が分からず混乱する
「敵艦隊発見の報あり繰り返す敵艦隊発見の報あり」
「敵艦隊だと!?」
「おい!甲板に出てみろ!」
立島も甲板に出るとそこには赤城がいた
赤城の上には既に新型の零戦六四型がいた
「あの中に隆雄が....」

「山本一番!出る!」
プロペラの回転数が上がりタイヤがゆっくりと動き出す。そしてタイヤが甲板を離れる
ハワイ第四部隊の初陣である。
「す、すげぇ...」
「頼んだぞぉ!」
そこに放送が入る
「総員対空戦闘用意。繰り返す。総員対空戦闘用意。対空警戒を厳となせ」
バタバタと海軍の兵士が機銃などの持ち場に着く
「三番機銃!対空戦闘用意よし!」
「二番機銃も用意よし!」
立島はピリッとした空気を感じ取った
(これが戦場...)
「全員鉄帽被っとけ。」
班長の指示に従ってみんなヘルメットを被る
「右舷前方!敵機!仰角45!」
海軍の機銃手が叫ぶと横の機銃でも同じことが繰り返される
立島は右舷前方を恐る恐る見てみると、そこには敵の攻撃隊が目の前を覆った
「おい...なんだよ...あれ...」
直後敵の攻撃機数機が火を吹きながら高度を下げていく、先程の友軍の戦闘機隊が敵機を落とした
「やれやれ!海軍航空隊!」
しかし敵機は近づいてくる
ズドォォォォン
「!?」
大和の主砲の音に陸軍の兵士たちが驚く
パァァァァン
大和から放たれた砲弾が敵の真上で弾けた
その破片が当たったのか敵機がどんどん落ちていく
「見たか陸軍!これが大和の主砲五式弾だ!」
自慢げに水兵達がドヤ顔してくる
対航空用五式徹甲散弾、三式徹甲弾を改良した最新式の徹甲弾である。
それで数は減ったものの敵機は艦隊に近づいてきた
そして今度は真上にある四式三連装機銃が応戦を始める。
立島がふと空に目をやると目の前にヘルダイバーがいた
「っ!...」
死ぬ、そう思った
グォォォォォン
ヘルダイバーが近づいてくる
ズバババババ
今度は機銃の音だ、しかしヘルダイバーは撃っていないし
弾は横からヘルダイバー目掛けて飛んできていた
直後ヘルダイバーが海面に突っ込んだと同時に立島の目の前を日の丸が通り過ぎた
隆雄の零戦がヘルダイバーを落としたのだ
「うぉぉぉ!」
輸送船内で歓声が湧く
隆雄は超低空で輸送船の横を握りこぶしを上げながら通り過ぎていく。
「たかおぉ!ありがとぉ!」
「知り合いなのか?」
「はい!幼なじみなんです!」
立島が自慢げに話した
他の輸送船が被弾したが幸い負傷者だけで済んだ
この戦いで日本側の損害は負傷者多数、迎撃機未帰還6、戦死2人、対するアメリカ軍の損害は攻撃隊未帰還26機、直掩戦闘機未帰還16機、戦死96人だった
日本側は防衛に徹したため艦隊近くでの空戦となり生きているものは駆逐艦に救助された
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