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日常
第十五話 炊き込みご飯
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さて、今日は朝からちょっと仕込まなければならない。
明日は文化祭で今日はその準備の日。俺は午前中で帰れるから、午後からは家でゆっくり――と言いたいところだが、あいにく今日は予定がある。
明日の文化祭に向けて、弁当の下準備をしなければならない。しかも、四人分。
そして何より、今日は昼飯を家で食べなければならない。明日は食堂も一般開放されるので今日は閉まっている。
コンビニでもいいけど、せっかくだしうちで作ることにした。
「さーて……と」
腹にたまって簡単に食べられるものがいいと考えた結果、炊き込みご飯にすることにした。おにぎりにしたらパパッといけるだろう。
具材はエノキと干しシイタケと鶏肉、そしてニンジンとごぼうだ。
エノキは石づきを切り落として小さめに等分する。まあ四等分くらいだろうか。あんまり長いとのどに詰まって、というか引っかかって大変だ。水で戻した干しシイタケは薄く切る。ニンジンは短い千切りにして、ゴボウはささがきしてあくを抜いた後、細かく切っておく。鶏肉は細切れ、ちょっと炒めると香ばしくていい。
味付けは、醤油、白だし、みりんに酒、そして干しシイタケの戻し汁。米と具材を入れた釜にそれを入れる。調味料分の水を減らしておかなければベチャッとしてしまうので注意が必要である。
あとは、帰ってくる頃に炊き上がるようにタイマーを設定して完了だ。
「炊きあがるのが楽しみだなー」
教室なんかの掃除が終わった後は文化部、委員会、生徒会、その他の生徒で仕事が分かれたので、俺は図書館に向かった。大半の生徒が体育館準備に向かう中、図書館に向かうのはなんとなく心地いい。少人数で作業する方が俺は好きだ。
にしても早く来過ぎたか。誰かいるだろうか。
「あれ、朝比奈。早いな」
「ああ」
朝比奈は座って、ちまちま何かを作っていた。
「何作ってんだ?」
「飾り。漆原先生が暇なら作れって」
「ふーん……って、お前器用だな」
つい先日作った投票箱はいつの間にか華々しく飾られていた。ただの空き箱に投票箱とだけ書いてあったはずだが、なんか紫陽花とか咲いている。
朝比奈は手元に視線を戻し、紫陽花の花弁を量産しながら「ああ、まあ……」と返事をする。あれ、そういえば紫陽花の赤かったり青かったりするところって、花びらじゃなかったんだっけか。
「昔から作り慣れてるだけだ」
「へえ、すげーな」
「なんか作るか」
「や、俺はいい。紙がもったいねえ」
「一条君は折り紙が苦手か?」
漆原先生が小部屋から出てくる。いたのか。
「悲惨なことになりますよ」
黙々と折り続ける朝比奈の向かいに座ってその手元を見るが、何が何やら分からない。どうしてこの折り紙があんな形になるんだ。
「こんにちはー……って、あれ。もういるじゃん」
だいぶ遅れて咲良が来た。
「お、揃ったな。じゃあ設営開始するかね」
その時にはもう、色とりどりの紫陽花が机いっぱいに咲き誇っていたのだった。
家の扉を開ければ、とてつもなくいいにおいが鼻腔をくすぐり、腹の虫が盛大に鳴った。どうやらちゃんと炊けたらしい。
俺の文化祭準備はここからが本番なわけで。
そのためにも腹ごしらえはしっかりしなければならない。昔から、腹が減っては戦はできぬ、というからな。
炊飯器のふたを開けると、その香りは一層強くなる。
「お、いい感じ……」
しゃもじでご飯をほぐす。おこげっぽいのができているみたいだ。ラッキー、あれ結構うまいんだよな。あ、そうだ。夜はお茶漬けにでもしようかな。
ご飯と具材をバランスよく、広げたラップにのせる。炊き込みご飯のおにぎりはちょっと難易度が高めだ。具材の配置をミスったら食べてる途中でボロボロ崩れてえらいなことになる。
大きめのを二つ握れば十分だろう。海苔も結構合うので一緒に食べよう。
「いただきます」
まずはそのまま一口。醤油の香ばしさがいい感じだ。鶏肉も、もちっとしていて味がよくしみている。ゴボウもいい風味。ニンジンの甘みもちょうどいい。
シイタケのくにっとした食感とジュワッと染み出すうま味。これこれ、これが楽しみでシイタケ入れてんだ。だしもきいてるし、エノキもうまい。
海苔も一緒に食べるとまた違った風味が立ってうまい。磯の香りと醤油味はよく合うのだ。
おこげっぽいところはカリカリというより、もっちりしていて醤油の風味が濃い。一瞬苦手かなーと思う濃さだが、食べ進めるうちに癖になる。
「ごちそうさまでした」
さて、それじゃあ下ごしらえといきますか。
おかずは、肉の天ぷら、ハム巻き、オクラ巻き、それと卵焼き。あとはせっかくだし、おにぎりもパンも準備しよう。うーん、なんか野菜不足。ピクルスとか作っとくか。
そうと決まればまずは、ピクルスからだな。
水と酢を合わせたものに砂糖と塩を溶かし、鷹の爪も風味づけに入れる。それを沸騰させて冷ましたものに漬けるのだ。市販のもおいしいが、俺は手製の方が好きだ。具材は、キュウリ、プチトマト、あとは……パプリカと玉ねぎ。キュウリはとげを落として一口大に、プチトマトはそのままで、パプリカは細切り。玉ねぎは薄くスライスする。チーズを入れてもおいしいが、冷蔵庫にないのでなしだ。
漬けたものは冷蔵庫に入れておく。次はオクラ巻きと肉の天ぷらだ。
オクラを半分ぐらいに切って、豚肉で巻く。焼くのは明日の朝だ。肉の天ぷらも豚肉である。味付けはニンニク醤油と酒のみ。これも明日の朝調理する。
ハム巻きやパン、おにぎりなんかも明日の朝準備するとして、あとは……こんなものか?
こう考えてみると、明日の方が忙しいかもしれないな。
さあ、晩飯は炊き込みご飯とピクルスだ。味見をしておくとしよう。
まずはキュウリから。ん、酸っぱい。ポリポリした食感がいいな。明日になったらもうちょっと漬かっていい感じになりそうだ。プチトマトはまだ浅いか。でもさっぱりしてておいしい。パプリカもほのかに甘くて、玉ねぎは少し辛い。鷹の爪もいい風味を出している。
そういえばピクルス苦手な奴って結構いるって聞くな。ハンバーガーのとか抜きにするって。あの三人は大丈夫か? ……まあ、特にリクエストもなかったし、いいか。
炊き込みご飯はお茶漬けに。といっても麦茶をかけるだけだけど。
麦茶の風味も相まって香ばしさが増す気がする。そして何よりさらさらっと食べられるのがいい。いくらでも食べてしまう。
あと、お茶漬けとして食べると、鶏肉のお宝感が増すのは気のせいだろうか。野菜の風味も増して鼻に抜ける。
どんぶり二杯も食べれば満腹だ。腹がいっぱいになると眠くなってくる。
さ、明日は頑張らないといけないし、早めに寝とくとしようか。
「ごちそうさまでした」
明日は文化祭で今日はその準備の日。俺は午前中で帰れるから、午後からは家でゆっくり――と言いたいところだが、あいにく今日は予定がある。
明日の文化祭に向けて、弁当の下準備をしなければならない。しかも、四人分。
そして何より、今日は昼飯を家で食べなければならない。明日は食堂も一般開放されるので今日は閉まっている。
コンビニでもいいけど、せっかくだしうちで作ることにした。
「さーて……と」
腹にたまって簡単に食べられるものがいいと考えた結果、炊き込みご飯にすることにした。おにぎりにしたらパパッといけるだろう。
具材はエノキと干しシイタケと鶏肉、そしてニンジンとごぼうだ。
エノキは石づきを切り落として小さめに等分する。まあ四等分くらいだろうか。あんまり長いとのどに詰まって、というか引っかかって大変だ。水で戻した干しシイタケは薄く切る。ニンジンは短い千切りにして、ゴボウはささがきしてあくを抜いた後、細かく切っておく。鶏肉は細切れ、ちょっと炒めると香ばしくていい。
味付けは、醤油、白だし、みりんに酒、そして干しシイタケの戻し汁。米と具材を入れた釜にそれを入れる。調味料分の水を減らしておかなければベチャッとしてしまうので注意が必要である。
あとは、帰ってくる頃に炊き上がるようにタイマーを設定して完了だ。
「炊きあがるのが楽しみだなー」
教室なんかの掃除が終わった後は文化部、委員会、生徒会、その他の生徒で仕事が分かれたので、俺は図書館に向かった。大半の生徒が体育館準備に向かう中、図書館に向かうのはなんとなく心地いい。少人数で作業する方が俺は好きだ。
にしても早く来過ぎたか。誰かいるだろうか。
「あれ、朝比奈。早いな」
「ああ」
朝比奈は座って、ちまちま何かを作っていた。
「何作ってんだ?」
「飾り。漆原先生が暇なら作れって」
「ふーん……って、お前器用だな」
つい先日作った投票箱はいつの間にか華々しく飾られていた。ただの空き箱に投票箱とだけ書いてあったはずだが、なんか紫陽花とか咲いている。
朝比奈は手元に視線を戻し、紫陽花の花弁を量産しながら「ああ、まあ……」と返事をする。あれ、そういえば紫陽花の赤かったり青かったりするところって、花びらじゃなかったんだっけか。
「昔から作り慣れてるだけだ」
「へえ、すげーな」
「なんか作るか」
「や、俺はいい。紙がもったいねえ」
「一条君は折り紙が苦手か?」
漆原先生が小部屋から出てくる。いたのか。
「悲惨なことになりますよ」
黙々と折り続ける朝比奈の向かいに座ってその手元を見るが、何が何やら分からない。どうしてこの折り紙があんな形になるんだ。
「こんにちはー……って、あれ。もういるじゃん」
だいぶ遅れて咲良が来た。
「お、揃ったな。じゃあ設営開始するかね」
その時にはもう、色とりどりの紫陽花が机いっぱいに咲き誇っていたのだった。
家の扉を開ければ、とてつもなくいいにおいが鼻腔をくすぐり、腹の虫が盛大に鳴った。どうやらちゃんと炊けたらしい。
俺の文化祭準備はここからが本番なわけで。
そのためにも腹ごしらえはしっかりしなければならない。昔から、腹が減っては戦はできぬ、というからな。
炊飯器のふたを開けると、その香りは一層強くなる。
「お、いい感じ……」
しゃもじでご飯をほぐす。おこげっぽいのができているみたいだ。ラッキー、あれ結構うまいんだよな。あ、そうだ。夜はお茶漬けにでもしようかな。
ご飯と具材をバランスよく、広げたラップにのせる。炊き込みご飯のおにぎりはちょっと難易度が高めだ。具材の配置をミスったら食べてる途中でボロボロ崩れてえらいなことになる。
大きめのを二つ握れば十分だろう。海苔も結構合うので一緒に食べよう。
「いただきます」
まずはそのまま一口。醤油の香ばしさがいい感じだ。鶏肉も、もちっとしていて味がよくしみている。ゴボウもいい風味。ニンジンの甘みもちょうどいい。
シイタケのくにっとした食感とジュワッと染み出すうま味。これこれ、これが楽しみでシイタケ入れてんだ。だしもきいてるし、エノキもうまい。
海苔も一緒に食べるとまた違った風味が立ってうまい。磯の香りと醤油味はよく合うのだ。
おこげっぽいところはカリカリというより、もっちりしていて醤油の風味が濃い。一瞬苦手かなーと思う濃さだが、食べ進めるうちに癖になる。
「ごちそうさまでした」
さて、それじゃあ下ごしらえといきますか。
おかずは、肉の天ぷら、ハム巻き、オクラ巻き、それと卵焼き。あとはせっかくだし、おにぎりもパンも準備しよう。うーん、なんか野菜不足。ピクルスとか作っとくか。
そうと決まればまずは、ピクルスからだな。
水と酢を合わせたものに砂糖と塩を溶かし、鷹の爪も風味づけに入れる。それを沸騰させて冷ましたものに漬けるのだ。市販のもおいしいが、俺は手製の方が好きだ。具材は、キュウリ、プチトマト、あとは……パプリカと玉ねぎ。キュウリはとげを落として一口大に、プチトマトはそのままで、パプリカは細切り。玉ねぎは薄くスライスする。チーズを入れてもおいしいが、冷蔵庫にないのでなしだ。
漬けたものは冷蔵庫に入れておく。次はオクラ巻きと肉の天ぷらだ。
オクラを半分ぐらいに切って、豚肉で巻く。焼くのは明日の朝だ。肉の天ぷらも豚肉である。味付けはニンニク醤油と酒のみ。これも明日の朝調理する。
ハム巻きやパン、おにぎりなんかも明日の朝準備するとして、あとは……こんなものか?
こう考えてみると、明日の方が忙しいかもしれないな。
さあ、晩飯は炊き込みご飯とピクルスだ。味見をしておくとしよう。
まずはキュウリから。ん、酸っぱい。ポリポリした食感がいいな。明日になったらもうちょっと漬かっていい感じになりそうだ。プチトマトはまだ浅いか。でもさっぱりしてておいしい。パプリカもほのかに甘くて、玉ねぎは少し辛い。鷹の爪もいい風味を出している。
そういえばピクルス苦手な奴って結構いるって聞くな。ハンバーガーのとか抜きにするって。あの三人は大丈夫か? ……まあ、特にリクエストもなかったし、いいか。
炊き込みご飯はお茶漬けに。といっても麦茶をかけるだけだけど。
麦茶の風味も相まって香ばしさが増す気がする。そして何よりさらさらっと食べられるのがいい。いくらでも食べてしまう。
あと、お茶漬けとして食べると、鶏肉のお宝感が増すのは気のせいだろうか。野菜の風味も増して鼻に抜ける。
どんぶり二杯も食べれば満腹だ。腹がいっぱいになると眠くなってくる。
さ、明日は頑張らないといけないし、早めに寝とくとしようか。
「ごちそうさまでした」
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