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組織との決着で章
223話
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【モンギョォォォォォォゥ!!】
怪物が叫んだ瞬間、天からいくつもの火の塊が降り注ぐ。
それ時はまるで流星群のようで有り、全てが周囲へ破壊をもたらしていくものだ。
他国とは言え、流石にこのような破壊行為をされるのは不味いとルースは思い、魔導書を顕現させ、防ぐ魔法を発動させる。
相手が天より火の塊を降り注がせるのであれば、こちらは火を打ち消す水か土を吹き出させて受け止められるはずである。
となれば、もはや十八番となってきている得意な複合魔法…‥‥水と土の複合を使えばいいのではないだろうか。
「『マッドアームズ』!!」
魔法を発動させると同時に、周囲の土壌から泥が勢いよく吹き上がり、大きな泥の腕となって、降り注ぐ火の塊を受け止め、包み込んでいく。
目の前に浮かぶ怪物が叫びをあげ、いくら多くの流星群のごとき塊を落としても、次々と地面から泥が吹きあがり、全てを受け止めていった。
そしてついでに、隙あらば受け止めた塊を怪物めがけて投げつけると、怪物に直撃し、ダメージを与え‥‥‥
【モンギャォォォォス!!】
「‥‥‥与えられてないな。やっぱ効果はないか」
【なかなか厄介な輩じゃのぅ…‥‥どうも通常攻撃は通用せぬようじゃな】
よく見れば、攻撃した個所からすぐに再生していき、しかもその速度が怖ろしく速い。
これまで見てきたフェイカー製の怪物たちに比べて、強靭な生命力と再生力を兼ね備えているようだが‥‥‥基本的に遠距離攻撃が主体のようである、
大きな体を持ち、腕も足もあるのに宙へ浮かんでいるのは、もしかすると手足は飾りのような物かもしれないという予想を立てた。
【ピギャ‥‥ピギャ!】
と、ここでふとマロが何かを思いついたように叫んだ。
【ピギャァ!ピギャ、ピギャ、ピギャァァ!!】
「え?何を言いたいんだ、マロ?」
【ふむ、どうやら自分をあの怪物の近くへもっていってくれと言っておるようじゃ】
【ピギャス!】
タキの言葉に、その通りだというかのようにマロは頷いた。
コカトリスの雛であるもちもちとした体形のマロだが、何かいい案でもあるのだろうか?
「というか、あの怪物の元へ近づくのも危険だけど…‥‥マロの意見も聞いてみるか。タキ、援護を頼む」
【了解なのじゃ!】
滝が大きな狐の姿になると同時に、ルースは精霊状態へ移行した。
その状態でマロを手に持ち、宙へ体を浮かばせる。
『それじゃ、マロ、しっかりつかまっていろよ』
【ピギャァァス!】
びしっと羽を器用に曲げ、了解の意志を取るマロ。
【モンギャォォォォス!!】
ルースが宙を飛び、接近してくることに気が付くと、怪物は雄たけびを上げ、大きな火の塊をルースめがけて集中させてきた。
何かする気なのはバレているようで、撃ち落とすつもりなのだろうが‥‥‥
【そうはさせないのじゃよ!!】
ルースの後方で、タキが口から光線を吐きまくり、次々に撃墜していく。
ルースもまた、落ちてくる塊を裂けて飛行し、怪物の近くまで接近した。
近くで改めて見れば、相当醜悪な色合いであり、ワインとかじゃないけれども年代物を感じさせるような、熟成された凶悪な雰囲気を怪物は持っていた。
そして、再生する厄介な能力を持っているようだが‥‥‥
【ピギャピギャピギャ…‥‥ピギャァァァァァァァァァァァス!!】
マロが勢い良く息を吸い込んだかともうと、尻尾の蛇の方が突如として膨れあがり、物凄くこいブレスのようなものを怪物めがけて吐き出した。
【モンギェァス!?】
ブレスがかかった瞬間、怪物が驚愕の声を上げた。
無理もない。何しろ、そのブレスがかかった個所が、石のような色合いに…‥‥いや、石その物に変化していたのだ。
モチモチっとした、柔らかいクッション饅頭のような見た目のマロだが、石化のブレスを吐くコカトリスの雛であり、今怪物へ照射したのは、その自慢の石化のブレスのようであった。
いくら怪物とは言え、流石にこのモンスターの攻撃は想定していなかったのか、明らかに動揺した様子を見せる。
『って、事は今なら通用するか?』
精霊状態を解除し、宙を落下しながらルースは魔法を発動させ、石化した部分にめがけて放った。
すると、石化部分は砕け散り…‥‥再生しなかったのだ。
どうやら石化箇所は再生能力を失うようで、砕けたら最後、二度と戻らないようだ。
「よし、マロ!!存分にやってやれ!!」
【ピギャアァァァァス!!】
ルースの指示を聞き、元気よく返答し、マロはどんどん石化のブレスを怪物めがけてはなっていく。
何とか逃れようと怪物は逃げの姿勢を取ったが‥‥‥
【逃がしはしないのじゃよなぁ!!】
行く手を阻むように、タキが光線やラ体当たりで防ぎ、相手が動けなくなったところで存分にマロのブレスが降り注ぐ。
【モンギェェ、モンギャァァ、モンギェヤァァァス!!】
マロのブレスによって、怪物は見る見るうちに石像と化していき、その箇所へめがけてルースやタキの攻撃が命中し、次々と破壊されていく。
再生しようにも再生できず、あっという間にがれきの山へと変貌するのには、そう時間はかからなかったのであった‥‥‥‥が。
「‥‥‥‥頭だけ石化しないな」
すさまじい執念と言うべきか、怪物の頭だけはどれだけ頑張ろうとも石化せず、しっかりとルースたちを睨み続ける。
しかも、石化箇所は再生しないのだが、首のちょっとした辺りは石化しないので、そこから体を修復しようとしているのか、細胞があわだち、かなり不気味な様子になっていた。
【モンギェェ……】
すさまじい生命力というか、生への執念を見せる怪物。
フェイカー製なのを裏付ける不気味な色合いをしていることもあり、まるで不死の魔物のようにも思えた。
【傷つけても再生するようじゃな…‥‥】
残るは頭だけなのに、再生し続ける怪物。
こうなれば、もはや根比べしかないのであろうか…‥‥
怪物が叫んだ瞬間、天からいくつもの火の塊が降り注ぐ。
それ時はまるで流星群のようで有り、全てが周囲へ破壊をもたらしていくものだ。
他国とは言え、流石にこのような破壊行為をされるのは不味いとルースは思い、魔導書を顕現させ、防ぐ魔法を発動させる。
相手が天より火の塊を降り注がせるのであれば、こちらは火を打ち消す水か土を吹き出させて受け止められるはずである。
となれば、もはや十八番となってきている得意な複合魔法…‥‥水と土の複合を使えばいいのではないだろうか。
「『マッドアームズ』!!」
魔法を発動させると同時に、周囲の土壌から泥が勢いよく吹き上がり、大きな泥の腕となって、降り注ぐ火の塊を受け止め、包み込んでいく。
目の前に浮かぶ怪物が叫びをあげ、いくら多くの流星群のごとき塊を落としても、次々と地面から泥が吹きあがり、全てを受け止めていった。
そしてついでに、隙あらば受け止めた塊を怪物めがけて投げつけると、怪物に直撃し、ダメージを与え‥‥‥
【モンギャォォォォス!!】
「‥‥‥与えられてないな。やっぱ効果はないか」
【なかなか厄介な輩じゃのぅ…‥‥どうも通常攻撃は通用せぬようじゃな】
よく見れば、攻撃した個所からすぐに再生していき、しかもその速度が怖ろしく速い。
これまで見てきたフェイカー製の怪物たちに比べて、強靭な生命力と再生力を兼ね備えているようだが‥‥‥基本的に遠距離攻撃が主体のようである、
大きな体を持ち、腕も足もあるのに宙へ浮かんでいるのは、もしかすると手足は飾りのような物かもしれないという予想を立てた。
【ピギャ‥‥ピギャ!】
と、ここでふとマロが何かを思いついたように叫んだ。
【ピギャァ!ピギャ、ピギャ、ピギャァァ!!】
「え?何を言いたいんだ、マロ?」
【ふむ、どうやら自分をあの怪物の近くへもっていってくれと言っておるようじゃ】
【ピギャス!】
タキの言葉に、その通りだというかのようにマロは頷いた。
コカトリスの雛であるもちもちとした体形のマロだが、何かいい案でもあるのだろうか?
「というか、あの怪物の元へ近づくのも危険だけど…‥‥マロの意見も聞いてみるか。タキ、援護を頼む」
【了解なのじゃ!】
滝が大きな狐の姿になると同時に、ルースは精霊状態へ移行した。
その状態でマロを手に持ち、宙へ体を浮かばせる。
『それじゃ、マロ、しっかりつかまっていろよ』
【ピギャァァス!】
びしっと羽を器用に曲げ、了解の意志を取るマロ。
【モンギャォォォォス!!】
ルースが宙を飛び、接近してくることに気が付くと、怪物は雄たけびを上げ、大きな火の塊をルースめがけて集中させてきた。
何かする気なのはバレているようで、撃ち落とすつもりなのだろうが‥‥‥
【そうはさせないのじゃよ!!】
ルースの後方で、タキが口から光線を吐きまくり、次々に撃墜していく。
ルースもまた、落ちてくる塊を裂けて飛行し、怪物の近くまで接近した。
近くで改めて見れば、相当醜悪な色合いであり、ワインとかじゃないけれども年代物を感じさせるような、熟成された凶悪な雰囲気を怪物は持っていた。
そして、再生する厄介な能力を持っているようだが‥‥‥
【ピギャピギャピギャ…‥‥ピギャァァァァァァァァァァァス!!】
マロが勢い良く息を吸い込んだかともうと、尻尾の蛇の方が突如として膨れあがり、物凄くこいブレスのようなものを怪物めがけて吐き出した。
【モンギェァス!?】
ブレスがかかった瞬間、怪物が驚愕の声を上げた。
無理もない。何しろ、そのブレスがかかった個所が、石のような色合いに…‥‥いや、石その物に変化していたのだ。
モチモチっとした、柔らかいクッション饅頭のような見た目のマロだが、石化のブレスを吐くコカトリスの雛であり、今怪物へ照射したのは、その自慢の石化のブレスのようであった。
いくら怪物とは言え、流石にこのモンスターの攻撃は想定していなかったのか、明らかに動揺した様子を見せる。
『って、事は今なら通用するか?』
精霊状態を解除し、宙を落下しながらルースは魔法を発動させ、石化した部分にめがけて放った。
すると、石化部分は砕け散り…‥‥再生しなかったのだ。
どうやら石化箇所は再生能力を失うようで、砕けたら最後、二度と戻らないようだ。
「よし、マロ!!存分にやってやれ!!」
【ピギャアァァァァス!!】
ルースの指示を聞き、元気よく返答し、マロはどんどん石化のブレスを怪物めがけてはなっていく。
何とか逃れようと怪物は逃げの姿勢を取ったが‥‥‥
【逃がしはしないのじゃよなぁ!!】
行く手を阻むように、タキが光線やラ体当たりで防ぎ、相手が動けなくなったところで存分にマロのブレスが降り注ぐ。
【モンギェェ、モンギャァァ、モンギェヤァァァス!!】
マロのブレスによって、怪物は見る見るうちに石像と化していき、その箇所へめがけてルースやタキの攻撃が命中し、次々と破壊されていく。
再生しようにも再生できず、あっという間にがれきの山へと変貌するのには、そう時間はかからなかったのであった‥‥‥‥が。
「‥‥‥‥頭だけ石化しないな」
すさまじい執念と言うべきか、怪物の頭だけはどれだけ頑張ろうとも石化せず、しっかりとルースたちを睨み続ける。
しかも、石化箇所は再生しないのだが、首のちょっとした辺りは石化しないので、そこから体を修復しようとしているのか、細胞があわだち、かなり不気味な様子になっていた。
【モンギェェ……】
すさまじい生命力というか、生への執念を見せる怪物。
フェイカー製なのを裏付ける不気味な色合いをしていることもあり、まるで不死の魔物のようにも思えた。
【傷つけても再生するようじゃな…‥‥】
残るは頭だけなのに、再生し続ける怪物。
こうなれば、もはや根比べしかないのであろうか…‥‥
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