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貴族問題で章
祝!!200話達成記念閑話 その1 他者の日常
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ちょっと閑話休題というか、最近200話達成できた記念に、いくつか作りましたby作者
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
SIDE一般グリモワール学生達
‥‥朝になり、何処かで鳥のモンスターが鳴きわめき、人々が起床し始める。
グリモワール学園の校内や寮では、早朝から授業の準備をするために走り回る教員や、自主練のために朝駆けをしている生徒たちなどが各所で見られ、そしてまずは寮の食堂に人が集中した。
「おいおい、今日の授業はあの先生だったよなぁ‥‥‥眠くなるし、変わってくれないかな?」
「無理だろ?というか、まだ眠気を誘う先生なら良いんだけどさぁ」
「ああ、護身術の授業のミュル先生の授業の方ならどうだ?あれなら眠気が覚めるだろ」
「スタイルの良さで目を惹かれるか、バキバキにされて痛みで目が覚めるかの二択しかねぇじゃん」
食堂では生徒たちが集まり、何気ない会話を交わし合う。
近頃の授業に関しての不平不満、将来どうしようかと悩む会話、好きな子に告白したが玉砕したなどという話が多く上がるが、その中でも最も挙がっている話題があった。
「お、噂をすれば何とやら、今日こそどうなるか気になるよなぁ」
一人の生徒が食堂に入って来たのを見て、他の生徒たちがそうつぶやいた。
「ああ、あいつか。金色の魔導書持ち…‥‥あいつの恋愛事情に関してだったか」
「どう見ても分かりやすいのがいるのに、中々なびかないからな‥‥‥2カ月後か3カ月後にようやく気が付くと賭けているんだけど、この調子じゃ卒業までにどうなるのやら」
「くそう!!昨日の時点で賭けた分がダメになっちまった!!また新しいところに賭けねばな!!」
その噂の生徒の名はルース。
このグリモワール学園に通う魔導書所持者の中では異彩を放ち、圧倒的実力差を他の生徒たちは感じていたのだが‥‥‥そんなことはどうでもよかった。
魔導書所持者であれば、実力によって扱う魔法の種類や幅には差があるのは分かり切っており、そこはあまり気にならないのだ。
そして、そんなことよりも今、生徒たちが最も興味を持って居た部分があるのだが‥‥‥‥それが、ルースの周囲の女性関係であった。
「英雄色を好む」という言葉があったり、それなりに実力を持つ者であれば人を惹き付けるのは当たり前である。
その中で、ルースに関して言えば、その色を好むというのか、それとも鈍感・朴念仁・唐変木というか、その周囲にはどう見ても好意を持った女性たちの影があると生徒たちは理解していたのだ。
まず、筆頭としてはミストラル公爵家のエルゼ。
彼女は青色の魔導書所持者であり、ルースと同じ村の出身でもあり、そして何よりも一番ルースに対して近寄る輩を遠ざけている人物なのだ。
この間は、実力に対する嫉妬を持った輩が攻撃を仕掛けようと企んでいた時があったのだが…‥‥どこでどうバレたのか、すぐさまエルゼの手によって粛清されたのである。
前までは自信家でお調子者だったやつなのだが、その粛清の翌日からは全身をしっかりと決めて、真面目になってしまったその変貌ぶりに周囲は驚愕するしかなかった。
性格矯正というか、それだけの何かをされたのだろうが…‥‥「何か」を考えると恐ろしく、すぐさま考えないようにするので精一杯であった。
次に、帝国からの留学生の形で来ている帝国の王女レリア。
その年相応以上の胸を持ちつつ「戦姫」とも呼ばれる勇ましさは男子だけではなく女子からも人気があったりするのだが、ルースの側に行くとその勇ましさが少々和らいでいるのを周囲の生徒たちは見逃さなかった。
当初はルースに対して実力のあるライバル同士とかなどと思われていたのだが…‥‥女子生徒たちには利秋出来た。
あれは、恋する乙女でもあると。
他国の王女が恋して良いのかと言いたいところだが、実力によって問答無用で通されそうで誰も反論できなかった。
中には、自爆覚悟でレリアに対して告白した者がいたそうだが…‥‥ものの見事に玉砕し、その日はその告白した生徒は皆から同情の目を向けられ、慰められたのであった。
なお、その件の玉砕生徒は最近新たな恋に目覚めたそうだが、その対象と言うのを聞くと、皆「あちゃ~」と顔を手で覆いたくなるような相手であった。
その相手と言うのが、同じくルースに対して好意を抱いているらしいミュル教師である。
護身術の授業など、体術に関する授業を担当している鬼人の女教師。
教師と生徒といういけない関係なのはどうなのかと一時期は声が上がったが…‥‥それはそれでいいと一部で反響を呼んだために、とやかく言う輩はいなくなったのであった。
ちなみに、こちらにも告白した教員がいたそうだが‥‥‥‥現在、失恋の旅に出てしまっていることから結果はお察しであった。
その他にもモンスターであるタキやヴィーラ、妖精姫のバトなど色々といるのだが、いずれにせよ彼女達の中心にいるのはルースで間違いない。
彼は男色とかではないのは分かっており、皆の事をきちんと異性として意識しているところがあるのだとわかるが…‥‥この中々成就しない恋の乙女たちに対してのその態度に、皆もどかしく想っているのだ。
嫉妬などをしていた者もいたが‥‥‥そのあまりにもの鈍さに対して、今では必死に応援する者もいたりするのだ。
いつだれと成就するのか非合法の賭け事が校内で行われていたりして、中には自分の賭けが当たるようにこっそり裏操作を仕組む者も少なくはない。
というか、ルース本人に害さえ与えなければ黙認されているようで有り、良いムードを作る事に関して、学園の生徒たちの腕前は上がって来たのであった。
…‥‥まぁ、それでも中々成立しないカップルに対して、もどかしいままであったが。
それはそうとして、今日こそ誰かと結び付け、賭け事に勝とうと画策する者たちが動き始める。
「おい、お前ら良いか?」
「ああ、今日こそつなげようという作戦だろ?どの順番で行くのか、もうわかっている」
「頼もしいことだぜ。こうでもしないと中々カップルとして成立してくれないやつらには腹が立つが‥‥‥それでもなんとしてでも賭けに勝たねばならないのだ!!」
ひそひそと集まり、そう話し合う生徒たち。
彼らは今日こそルースが相手を決めてカップリングするように、色々と策を巡らせるのであった‥‥‥
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SIDE一般グリモワール学生達
‥‥朝になり、何処かで鳥のモンスターが鳴きわめき、人々が起床し始める。
グリモワール学園の校内や寮では、早朝から授業の準備をするために走り回る教員や、自主練のために朝駆けをしている生徒たちなどが各所で見られ、そしてまずは寮の食堂に人が集中した。
「おいおい、今日の授業はあの先生だったよなぁ‥‥‥眠くなるし、変わってくれないかな?」
「無理だろ?というか、まだ眠気を誘う先生なら良いんだけどさぁ」
「ああ、護身術の授業のミュル先生の授業の方ならどうだ?あれなら眠気が覚めるだろ」
「スタイルの良さで目を惹かれるか、バキバキにされて痛みで目が覚めるかの二択しかねぇじゃん」
食堂では生徒たちが集まり、何気ない会話を交わし合う。
近頃の授業に関しての不平不満、将来どうしようかと悩む会話、好きな子に告白したが玉砕したなどという話が多く上がるが、その中でも最も挙がっている話題があった。
「お、噂をすれば何とやら、今日こそどうなるか気になるよなぁ」
一人の生徒が食堂に入って来たのを見て、他の生徒たちがそうつぶやいた。
「ああ、あいつか。金色の魔導書持ち…‥‥あいつの恋愛事情に関してだったか」
「どう見ても分かりやすいのがいるのに、中々なびかないからな‥‥‥2カ月後か3カ月後にようやく気が付くと賭けているんだけど、この調子じゃ卒業までにどうなるのやら」
「くそう!!昨日の時点で賭けた分がダメになっちまった!!また新しいところに賭けねばな!!」
その噂の生徒の名はルース。
このグリモワール学園に通う魔導書所持者の中では異彩を放ち、圧倒的実力差を他の生徒たちは感じていたのだが‥‥‥そんなことはどうでもよかった。
魔導書所持者であれば、実力によって扱う魔法の種類や幅には差があるのは分かり切っており、そこはあまり気にならないのだ。
そして、そんなことよりも今、生徒たちが最も興味を持って居た部分があるのだが‥‥‥‥それが、ルースの周囲の女性関係であった。
「英雄色を好む」という言葉があったり、それなりに実力を持つ者であれば人を惹き付けるのは当たり前である。
その中で、ルースに関して言えば、その色を好むというのか、それとも鈍感・朴念仁・唐変木というか、その周囲にはどう見ても好意を持った女性たちの影があると生徒たちは理解していたのだ。
まず、筆頭としてはミストラル公爵家のエルゼ。
彼女は青色の魔導書所持者であり、ルースと同じ村の出身でもあり、そして何よりも一番ルースに対して近寄る輩を遠ざけている人物なのだ。
この間は、実力に対する嫉妬を持った輩が攻撃を仕掛けようと企んでいた時があったのだが…‥‥どこでどうバレたのか、すぐさまエルゼの手によって粛清されたのである。
前までは自信家でお調子者だったやつなのだが、その粛清の翌日からは全身をしっかりと決めて、真面目になってしまったその変貌ぶりに周囲は驚愕するしかなかった。
性格矯正というか、それだけの何かをされたのだろうが…‥‥「何か」を考えると恐ろしく、すぐさま考えないようにするので精一杯であった。
次に、帝国からの留学生の形で来ている帝国の王女レリア。
その年相応以上の胸を持ちつつ「戦姫」とも呼ばれる勇ましさは男子だけではなく女子からも人気があったりするのだが、ルースの側に行くとその勇ましさが少々和らいでいるのを周囲の生徒たちは見逃さなかった。
当初はルースに対して実力のあるライバル同士とかなどと思われていたのだが…‥‥女子生徒たちには利秋出来た。
あれは、恋する乙女でもあると。
他国の王女が恋して良いのかと言いたいところだが、実力によって問答無用で通されそうで誰も反論できなかった。
中には、自爆覚悟でレリアに対して告白した者がいたそうだが…‥‥ものの見事に玉砕し、その日はその告白した生徒は皆から同情の目を向けられ、慰められたのであった。
なお、その件の玉砕生徒は最近新たな恋に目覚めたそうだが、その対象と言うのを聞くと、皆「あちゃ~」と顔を手で覆いたくなるような相手であった。
その相手と言うのが、同じくルースに対して好意を抱いているらしいミュル教師である。
護身術の授業など、体術に関する授業を担当している鬼人の女教師。
教師と生徒といういけない関係なのはどうなのかと一時期は声が上がったが…‥‥それはそれでいいと一部で反響を呼んだために、とやかく言う輩はいなくなったのであった。
ちなみに、こちらにも告白した教員がいたそうだが‥‥‥‥現在、失恋の旅に出てしまっていることから結果はお察しであった。
その他にもモンスターであるタキやヴィーラ、妖精姫のバトなど色々といるのだが、いずれにせよ彼女達の中心にいるのはルースで間違いない。
彼は男色とかではないのは分かっており、皆の事をきちんと異性として意識しているところがあるのだとわかるが…‥‥この中々成就しない恋の乙女たちに対してのその態度に、皆もどかしく想っているのだ。
嫉妬などをしていた者もいたが‥‥‥そのあまりにもの鈍さに対して、今では必死に応援する者もいたりするのだ。
いつだれと成就するのか非合法の賭け事が校内で行われていたりして、中には自分の賭けが当たるようにこっそり裏操作を仕組む者も少なくはない。
というか、ルース本人に害さえ与えなければ黙認されているようで有り、良いムードを作る事に関して、学園の生徒たちの腕前は上がって来たのであった。
…‥‥まぁ、それでも中々成立しないカップルに対して、もどかしいままであったが。
それはそうとして、今日こそ誰かと結び付け、賭け事に勝とうと画策する者たちが動き始める。
「おい、お前ら良いか?」
「ああ、今日こそつなげようという作戦だろ?どの順番で行くのか、もうわかっている」
「頼もしいことだぜ。こうでもしないと中々カップルとして成立してくれないやつらには腹が立つが‥‥‥それでもなんとしてでも賭けに勝たねばならないのだ!!」
ひそひそと集まり、そう話し合う生徒たち。
彼らは今日こそルースが相手を決めてカップリングするように、色々と策を巡らせるのであった‥‥‥
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