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5章 復讐は我にあり
5-19 暴風吹き荒れ、巻き込まれ
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「それでは、本日の模擬戦授業内においてルールとしてはいつも通り!!『お互いに全力を』『命を奪うことはなく寸止めギリギリ』『降参するならできるだけ早く』『正々堂々』!!この4つを守り、戦う事をここに誓うか!!」
「「誓います!!」」
ミルガンド帝国の学園にて行われる、魔剣士同士の模擬戦授業。
王国でも模擬戦は普通にあったが、帝国の学園ではより本格的な闘技場が学園内に設置されており、そこで戦いあう事が出来るようだ。
観客席には特殊な道具で防壁が張られ、周囲は楽しみつつ相手の動きを見て学ぶ。
そしてこの誓いをやってしまえば、あとはぶつかり合うだけだ。
「それでは両者ともに‥‥‥‥位置についてください!!」
模擬戦の審判として、本日の授業の教師が間に立ち、俺とルルシアはそれぞれ向かい合う。
「ふふふ、村では治療を受けていて戦う姿を見せられませんでしたが、ここで全力でやらせていただきますわ。より強く、そして村で見ていたあなたとメイドの戦いにも負けない実力を見せて差し上げますわ!!」
「そりゃ楽しみだ。俺の方も、帝国留学に向けて鍛練は欠かしていないし、ゼナの方は帝国に向けて仕様変更して、王国以上の戦いを見せる事を約束しよう!!ゼナ、『ソードモード』帝国仕様!!」
「了解デス!!」
ルルシアが魔剣リガールドを持ち、俺の方もまずは慣れたソードモードに切り替えてもらい、お互いに魔剣を構える。
帝国仕様という事でゼナの各モードの見た目なども変更されており、通常のソードモードに比べると刀身が少し伸びており、表面にはドラゴンの姿を模したのかうっすらとドラゴンのような装飾が施されているようだ。
「おいおい、本当にメイドが魔剣になるのか…‥‥こりゃびっくりだな」
「というか姫様の方も、相当やる気だな。こりゃ激しくなるのでは?」
「うわさは聞いているけど、あのフィーとか言うやつどのぐらいの実力なのか気になるところだな」
「姫様ぁぁぁぁぁ!!そんな輩をお相手せずとも自分が相手しますぞぉぉぉぉ!!」
いつのまにか復活して観客席から叫んでいるダルブーネは無視するとして、他の生徒たちは観客席に座り、こちらの戦いを観戦するようだ。
ミルガンド帝国ではない、ドルマリア王国の俺の戦い方を観察するとともに、噂はどのぐらい真実なのかなども確かめるようである。
「位置に付きましたね?では、お互いに見合って‥‥‥‥戦闘、開始!!」
ダァァァァン!!
審判が間からちょっと離れ、後方に設置されていた銅鑼を鳴らした瞬間、俺たちはすぐに動き出した。
「魔剣リガールド、最初から全開ですわ!!『暴風砲』!!」
ルルシアの声に合わせ、振るわれた魔剣がキュイィィィッと高い音を鳴らしたかと思えば、いきなり横倒しの竜巻のような攻撃が解き放たれる。
ゴゥゥゥ!!ドォォォォン!!
「ぐっ、重いな!!」
「ほぅ、正面から受け止めるとはやりますわね!!」
正面から受け止めたが、どうやらただの竜巻ではなくかなりの質量を持ったものになっているらしい。
ソードスクリューで似たようなことは可能だが、あちらはただの風なのに対してこっちは本当に質量を持った重い一撃‥‥‥やっぱり姫って、何かしらとんでもない実力を持っている人だらけなのだろうか?
「暴風雷撃と聞いていたけど、放出型の‥‥嵐に重さを持たせた魔剣の類か」
「見るだけで、看破されやすいのが難点ですけれども、それでも威力は十分ありますわ。それにこれはまだ、暴風のみで雷撃はまだあとで出せますわよ。今はひとまず、連続発射ですわ!!」
再びルルシアが剣を振るうと同時に、今度は複数の竜巻が発生して襲い掛かって来る。
一撃だけでもかなり重かったが、それが幾つも来るとはかなり脅威だろう。
‥‥‥けれども、こういう脅威が迫ることに関しては、何度も経験した以上焦ることはない。
「ゼナ、モードチェンジ!!力業には力業、『チェーンガントレットモード』で殴り返すぞ!!」
「了解デス!!」
帝国仕様という事で、より大型化した鋼の拳に切り替わり、襲い来る竜巻に狙いを定める。
「回転に回転で、『ロケットナックル』!!」
飛び出す勢いも倍増しており、拳に回転が加わって竜巻をすべて殴り倒す。
そのままの勢いでルルシアのところへ飛んでいくが、流石に大ぶりな一撃でもあったので避けられる。
「今のを全部、力業でなぎ倒すとはやりますわね!!ならば早めに雷撃を見せますわね!!『サンダーレイン』!!」
剣を上に掲げたかと思えば、その先からもくもくと真っ黒な雲が出現し、ビリビリと不穏な音を立て始める。
「今度は雷雲か!!」
「その通りですわ!!さぁ、落ちなさい!!」
声と共に雲が放電し、落雷を放つ。
「電撃をそう簡単に喰らってたまるか!!」
こういうビリビリしたものには以前痛い目を見たことがあるので、素早く動いて直撃を避ける。
魔剣で生み出された落雷だが、落ちる速度は自然のものと大差ないようで、普通ならば避けようがないが普通ではないので回避しまくる。
瞬歩、残像、分身、回避に適した手段を使えば喰らうことはない。
「でも、雷を回避した先でも攻撃できますわ!!」
「おっと!!」
落雷は自分に当たらないようにしているのか、大量に降ってくる雷の雨をものともせずにルルシアが迫り、その姿を目にしてすぐに防御に移る。
「動きが止まった今ならどうですの!!」
「そうはいくかよ!!『ソードレッグモード』!!」
素手に切り替えて剣を挟みこんで防御しつつ、足を剣に変えて突き刺す。
それと同時に雷が直撃するが…‥‥
ドンガラガッシャァァァン!!
「ぎっ、ちょっと効いたけど全部地面の方に流れた!!」
「一応、電撃対策としてご主人様の衣服には、表面だけほぼ流れていくように仕立てていますからネ。逃げ場があればそこへ向けて流れるようにしているのデス」
受けても大丈夫なように、あらかじめ対策はいくつも用意しているので、落ちたところである程度ダメージを抑えられる。
この方法ならば電撃は表面を軽く流れ落ちていくだけで、中身まで全部通電しないようにできているのだ。
「放出型の手では、他にも組み合わせがあるだろう。すべての手を見てみたくもあるが…‥一気に攻めさせてもらうぞ!!『ソードウイングモード』からの『ウイングブーメラン』!!」
ばっと距離を素早く取り、刃の翼を顕現させる。
その翼を手に取り、勢い良く投げつける。
「投げつける類は悪手ですわ!!『竜巻砲』!!」
飛来してくる攻撃ならば、風の攻撃で吹き飛ばせばいいと判断したようで、最初に使った技を再び振るおうとするルルシア。
でも、その攻撃もこちらからすれば相手にとっての悪手だろう。
「言っておくが、それは離れてもすぐに戻って来るんだよ!!『チェーンガントレットモード』!!」
竜巻が発生して刃の翼を呑み込む寸前で、両翼とも姿を消す。
その姿はすぐに俺の手に宿り、再び拳へと切り替わる、
「からの、『大地砕き』!!」
ゴッッツ!!
竜巻が飛んでくる前に地面に拳を打ち付ければ、重い一撃によって地面が砕けとび、破片が宙を舞う。
「さらにブレスプラス!!『破片火球弾』!!」
宙を舞った破片にブレスをぶつけると、あっと言う間に燃え盛り、火の玉となって飛んでいく。
物理的に防いでも炎が遅い、炎を消しても中身の破片の勢いは強く、ちょっとやそっとでは止まらない。
「ぐっ、風で防御しづらいですわね!!」
受け止める手段は取らず、とんでくる破片を素早い動きで避けるルルシア。
結構な勢いでブレスを吐いて飛ばしたが、この程度ならば難なくこなせるようだ。
けれども、もう戦う時間はお終いだろう。
「ええい!!薙ぎ払うのが正解ですわね!!電撃を追加しての、『雷電暴風撃』!!」
先ほどの質量を伴った暴風を剣に纏わせ、更に先ほどの電撃を追加し、威力の持った攻撃で薙ぎ払いを仕掛けてくる。
効果範囲を見る限り、そう容易く回避できないだろうが…‥‥だからこそ出てくるこの大振りは、大きな隙となる。
「モードチェンジ、『ソードモード』!!」
一番慣れたソードモードに切り替え、直ぐに瞬歩で彼女に迫る。
攻撃に気が付くも、今さら攻撃をすぐには止められず、横なぎの攻撃が横に迫りつつあるのを感じ取ったが、俺の方が早かった。
びしっ!
「両者そこまで!!」
刃がルルシアのギリギリに来て止めたところで、審判の声があがり、試合が終了させられた。
この一撃で、終わる事をどうやら見ぬいたようで、戦局を見る目はかなり高いようだ…‥‥あ、でも審判、いつの間にか安全地帯に逃げてない?
「止めの言葉は入ったか‥‥‥まぁ、良いか。結構今の試合だけでも、楽しめたからね」
「ええ、そうですわね。今のはちょっと危なかったですけれども、面白い試合でしたわ」
審判が駆け寄って来る前に感想を口に貰い、お互い魔剣を収める。
まぁ、俺の場合はゼナがいつものメイドの姿に戻るだけだか‥‥‥それでも終わったのだ。
「今回は危なかったけれども、次回はそうはいかないですわ」
「ああ、こちらも結構やったけど、まだ完全竜化とかの手も使ってないからな。全力を振るうのが礼儀なら、もっと使いたいからな」
少々消化し切ってない部分もあるが、それでも言い。戦場でもないし、これはお互いに手を合わせて実力を見るだけの試合なのだから。
もっと全力を出してならば、より色々とやれたかもしれないが…‥‥来たばかりだし、まだまだ機会があるならばゆっくりとすればいい話しだ。
そう思いつつ、俺とルルシアは今回の模擬戦の結果に満足するのであった‥‥‥‥
「「誓います!!」」
ミルガンド帝国の学園にて行われる、魔剣士同士の模擬戦授業。
王国でも模擬戦は普通にあったが、帝国の学園ではより本格的な闘技場が学園内に設置されており、そこで戦いあう事が出来るようだ。
観客席には特殊な道具で防壁が張られ、周囲は楽しみつつ相手の動きを見て学ぶ。
そしてこの誓いをやってしまえば、あとはぶつかり合うだけだ。
「それでは両者ともに‥‥‥‥位置についてください!!」
模擬戦の審判として、本日の授業の教師が間に立ち、俺とルルシアはそれぞれ向かい合う。
「ふふふ、村では治療を受けていて戦う姿を見せられませんでしたが、ここで全力でやらせていただきますわ。より強く、そして村で見ていたあなたとメイドの戦いにも負けない実力を見せて差し上げますわ!!」
「そりゃ楽しみだ。俺の方も、帝国留学に向けて鍛練は欠かしていないし、ゼナの方は帝国に向けて仕様変更して、王国以上の戦いを見せる事を約束しよう!!ゼナ、『ソードモード』帝国仕様!!」
「了解デス!!」
ルルシアが魔剣リガールドを持ち、俺の方もまずは慣れたソードモードに切り替えてもらい、お互いに魔剣を構える。
帝国仕様という事でゼナの各モードの見た目なども変更されており、通常のソードモードに比べると刀身が少し伸びており、表面にはドラゴンの姿を模したのかうっすらとドラゴンのような装飾が施されているようだ。
「おいおい、本当にメイドが魔剣になるのか…‥‥こりゃびっくりだな」
「というか姫様の方も、相当やる気だな。こりゃ激しくなるのでは?」
「うわさは聞いているけど、あのフィーとか言うやつどのぐらいの実力なのか気になるところだな」
「姫様ぁぁぁぁぁ!!そんな輩をお相手せずとも自分が相手しますぞぉぉぉぉ!!」
いつのまにか復活して観客席から叫んでいるダルブーネは無視するとして、他の生徒たちは観客席に座り、こちらの戦いを観戦するようだ。
ミルガンド帝国ではない、ドルマリア王国の俺の戦い方を観察するとともに、噂はどのぐらい真実なのかなども確かめるようである。
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「魔剣リガールド、最初から全開ですわ!!『暴風砲』!!」
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ゴゥゥゥ!!ドォォォォン!!
「ぐっ、重いな!!」
「ほぅ、正面から受け止めるとはやりますわね!!」
正面から受け止めたが、どうやらただの竜巻ではなくかなりの質量を持ったものになっているらしい。
ソードスクリューで似たようなことは可能だが、あちらはただの風なのに対してこっちは本当に質量を持った重い一撃‥‥‥やっぱり姫って、何かしらとんでもない実力を持っている人だらけなのだろうか?
「暴風雷撃と聞いていたけど、放出型の‥‥嵐に重さを持たせた魔剣の類か」
「見るだけで、看破されやすいのが難点ですけれども、それでも威力は十分ありますわ。それにこれはまだ、暴風のみで雷撃はまだあとで出せますわよ。今はひとまず、連続発射ですわ!!」
再びルルシアが剣を振るうと同時に、今度は複数の竜巻が発生して襲い掛かって来る。
一撃だけでもかなり重かったが、それが幾つも来るとはかなり脅威だろう。
‥‥‥けれども、こういう脅威が迫ることに関しては、何度も経験した以上焦ることはない。
「ゼナ、モードチェンジ!!力業には力業、『チェーンガントレットモード』で殴り返すぞ!!」
「了解デス!!」
帝国仕様という事で、より大型化した鋼の拳に切り替わり、襲い来る竜巻に狙いを定める。
「回転に回転で、『ロケットナックル』!!」
飛び出す勢いも倍増しており、拳に回転が加わって竜巻をすべて殴り倒す。
そのままの勢いでルルシアのところへ飛んでいくが、流石に大ぶりな一撃でもあったので避けられる。
「今のを全部、力業でなぎ倒すとはやりますわね!!ならば早めに雷撃を見せますわね!!『サンダーレイン』!!」
剣を上に掲げたかと思えば、その先からもくもくと真っ黒な雲が出現し、ビリビリと不穏な音を立て始める。
「今度は雷雲か!!」
「その通りですわ!!さぁ、落ちなさい!!」
声と共に雲が放電し、落雷を放つ。
「電撃をそう簡単に喰らってたまるか!!」
こういうビリビリしたものには以前痛い目を見たことがあるので、素早く動いて直撃を避ける。
魔剣で生み出された落雷だが、落ちる速度は自然のものと大差ないようで、普通ならば避けようがないが普通ではないので回避しまくる。
瞬歩、残像、分身、回避に適した手段を使えば喰らうことはない。
「でも、雷を回避した先でも攻撃できますわ!!」
「おっと!!」
落雷は自分に当たらないようにしているのか、大量に降ってくる雷の雨をものともせずにルルシアが迫り、その姿を目にしてすぐに防御に移る。
「動きが止まった今ならどうですの!!」
「そうはいくかよ!!『ソードレッグモード』!!」
素手に切り替えて剣を挟みこんで防御しつつ、足を剣に変えて突き刺す。
それと同時に雷が直撃するが…‥‥
ドンガラガッシャァァァン!!
「ぎっ、ちょっと効いたけど全部地面の方に流れた!!」
「一応、電撃対策としてご主人様の衣服には、表面だけほぼ流れていくように仕立てていますからネ。逃げ場があればそこへ向けて流れるようにしているのデス」
受けても大丈夫なように、あらかじめ対策はいくつも用意しているので、落ちたところである程度ダメージを抑えられる。
この方法ならば電撃は表面を軽く流れ落ちていくだけで、中身まで全部通電しないようにできているのだ。
「放出型の手では、他にも組み合わせがあるだろう。すべての手を見てみたくもあるが…‥一気に攻めさせてもらうぞ!!『ソードウイングモード』からの『ウイングブーメラン』!!」
ばっと距離を素早く取り、刃の翼を顕現させる。
その翼を手に取り、勢い良く投げつける。
「投げつける類は悪手ですわ!!『竜巻砲』!!」
飛来してくる攻撃ならば、風の攻撃で吹き飛ばせばいいと判断したようで、最初に使った技を再び振るおうとするルルシア。
でも、その攻撃もこちらからすれば相手にとっての悪手だろう。
「言っておくが、それは離れてもすぐに戻って来るんだよ!!『チェーンガントレットモード』!!」
竜巻が発生して刃の翼を呑み込む寸前で、両翼とも姿を消す。
その姿はすぐに俺の手に宿り、再び拳へと切り替わる、
「からの、『大地砕き』!!」
ゴッッツ!!
竜巻が飛んでくる前に地面に拳を打ち付ければ、重い一撃によって地面が砕けとび、破片が宙を舞う。
「さらにブレスプラス!!『破片火球弾』!!」
宙を舞った破片にブレスをぶつけると、あっと言う間に燃え盛り、火の玉となって飛んでいく。
物理的に防いでも炎が遅い、炎を消しても中身の破片の勢いは強く、ちょっとやそっとでは止まらない。
「ぐっ、風で防御しづらいですわね!!」
受け止める手段は取らず、とんでくる破片を素早い動きで避けるルルシア。
結構な勢いでブレスを吐いて飛ばしたが、この程度ならば難なくこなせるようだ。
けれども、もう戦う時間はお終いだろう。
「ええい!!薙ぎ払うのが正解ですわね!!電撃を追加しての、『雷電暴風撃』!!」
先ほどの質量を伴った暴風を剣に纏わせ、更に先ほどの電撃を追加し、威力の持った攻撃で薙ぎ払いを仕掛けてくる。
効果範囲を見る限り、そう容易く回避できないだろうが…‥‥だからこそ出てくるこの大振りは、大きな隙となる。
「モードチェンジ、『ソードモード』!!」
一番慣れたソードモードに切り替え、直ぐに瞬歩で彼女に迫る。
攻撃に気が付くも、今さら攻撃をすぐには止められず、横なぎの攻撃が横に迫りつつあるのを感じ取ったが、俺の方が早かった。
びしっ!
「両者そこまで!!」
刃がルルシアのギリギリに来て止めたところで、審判の声があがり、試合が終了させられた。
この一撃で、終わる事をどうやら見ぬいたようで、戦局を見る目はかなり高いようだ…‥‥あ、でも審判、いつの間にか安全地帯に逃げてない?
「止めの言葉は入ったか‥‥‥まぁ、良いか。結構今の試合だけでも、楽しめたからね」
「ええ、そうですわね。今のはちょっと危なかったですけれども、面白い試合でしたわ」
審判が駆け寄って来る前に感想を口に貰い、お互い魔剣を収める。
まぁ、俺の場合はゼナがいつものメイドの姿に戻るだけだか‥‥‥それでも終わったのだ。
「今回は危なかったけれども、次回はそうはいかないですわ」
「ああ、こちらも結構やったけど、まだ完全竜化とかの手も使ってないからな。全力を振るうのが礼儀なら、もっと使いたいからな」
少々消化し切ってない部分もあるが、それでも言い。戦場でもないし、これはお互いに手を合わせて実力を見るだけの試合なのだから。
もっと全力を出してならば、より色々とやれたかもしれないが…‥‥来たばかりだし、まだまだ機会があるならばゆっくりとすればいい話しだ。
そう思いつつ、俺とルルシアは今回の模擬戦の結果に満足するのであった‥‥‥‥
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