83 / 204
5章 復讐は我にあり
5-7 どこかで誰かの胃が、爆破される
しおりを挟む
「そっちにあと何体いる、オッサンズ!」
「だからまとめて呼ぶなって言ってるだろ!!」
「答えておくが、こっちは3体、あっちに2体ほどだ!!」
「分かった!!ゼナ、チェーンガントレットモードでこいつごとぶつけるぞ!!」
「了解デス!!」
あちこちで騎士たちが防衛している中、素早くガントレットに変形し、拳を射出して目の前にいる大きな熊のような魔獣の首根っこをつかみかかる。
「せぇぇのっと!!」
【グォォォォォォ!?】
鎖をビィンっと伸ばし、そのまま勢いよく持ち上げ、熊の巨体は宙を舞う。
そしてその着弾地点には別の熊の魔獣たちがおり、脳天から直撃させた。
ドッゴォォォォォン!!
【【【オグォォォォォ!?】】】
「このままあっちを狙うぞ!!ブレスプラスでソードウイング、ウイングブーメラン!!」
掴んでいたガントレットを切り替え、オッサンズの内オーが押しとどめていた別の魔獣に向けて刃の翼を投げる。
ズッバァァン!!
あっという間に断末魔を上げる間もなく的確に胴体と頭がお別れし、戻って来た翼を再度掴む。
「後はあのデカブツの『マグナムグリズリー』だけだ!!ソードモードで一気に決めるぞ!!」
「準備完了デス!!」
翼が今度は片手に纏わりつき、一本の刃となる。
ただ、これまでのソードモードと比べると、刃の輝きが増しており、より一層切れ味が上がっている。
ざぐぅ!!
【オゲボヨ!?】
「厚い毛皮だろうが、関係ねぇ!!ただ単に、ぶった切るだけだ!!」
貫き、そのまま力任せに横に切り裂き、熊の魔獣は絶命したのであった…‥‥‥
「ふぅ‥‥‥冬季休暇とは言え、まさかこうも魔獣が来るとはな。オッサンズ、助かった」
「いや、そもそも村を守るが、こちらの仕事だ」
「というかフィー、お前の力前より増してないか?結構軽々と投げ飛ばしただろ」
「しかも最後のアレ、えげつない切れ方だったしなぁ‥‥‥」
戦闘を終え、俺たちは一息をついた。
学園の方も冬季休暇に入り、久し振りに村に戻って来たのだが早々にまさかの魔獣襲撃がまた起きていたのである。
幸い、今回は魔剣士たちもあちこちで対応しており、偶然オッサンズと共に戦闘をすることになったがすぐに鎮圧ができた。
‥‥‥正直言って、以前の夏季休暇でも襲撃に遭っていたが、前よりも数も質も低かったなぁ。助かったと言えばそうだけど、こういう手段で来る類は、もうちょっと殲滅する手が欲しい。
「ブレスで一掃をすればいいんじゃないかと考えたが、生憎魔剣じゃないと絶命できないのがもどかしい所だ」
「それ、下手するとこちらも巻き添えにならないか?」
「大丈夫大丈夫、焼き分けできるようになったよ」
「原理的にどうなっているのか不思議ですけれどネ」
竜化のコントロールができるようになりつつ、研鑽を欠かさずに積んでいるのだがいつの間にかブレスでの焼き分けができるようになっていた。
燃やしたいものだけ燃やし、そうでないなら火が付くことも熱を感じることも無いようなブレスを撃てるようになったのである。
そのおかげでより一層戦略が増えたのだが、それでもまだまだ改善する余地があるだろう。
冬季休暇明けの、新入生が来てから少し経っての留学までには、もうちょっとバリュエーションを増やしたいし、ドラゴンとしての力をもっとうまく扱えるようになりたい。
そう思っていると、どうやらもう襲撃が無いか確認も終わったようで、村の警戒態勢が解かれた。
帰ってきて早々の襲撃ではあったが、それでもすぐに撃退が出来るなど、どうやら休暇の幸先はいい方向に転がりそうであった‥‥‥‥
「そう言えば、オッサンズの方は帰って来る前に何か変わったことあったか?」
「ああ、あったぞ」
「ふははは!!聞いて驚け!!」
「桁数がそろそろ4ケタに行くかと言うお見合いを経て…‥‥ようやく、相手が見つかりそうなのだ!!」
「「…‥‥ええええええええええええええええええ!?」」
…‥‥珍しく、ゼナとそろって驚きの悲鳴を上げてしまうのであった。幸先が良いどころか、一気に不明にされたんだが。
え?連敗記録が凄まじいのも驚きだけど、不屈の心で挑み続け、ついに実るのか!?
…‥‥驚愕の声が上がっていた丁度その頃。
村の方に向かって、歩んでいる一団がいた。
「大丈夫かしら?もうすぐ地図では、ドルマリア王国のドップルン地方にある村にたどり着くはずですわ!ですから、もう少しの辛抱よ!」
「で、ですがもう、限界が‥‥‥ここで、命を尽きさせてください」
「もうちょっと頑張りなさい!!これは命令ですわ!!だから皆、急ぐのですわ!!」
ぜぇぜえっと息を荒げつつ、彼らは必死に向かう。
「しかし、姫様の方が先に限界を迎えるのでは‥‥‥全員を、引きずっていくのは流石に無理ですって!!」
「魔剣で無理やり動かしているから、まだ持つはずよ!!上に立つ者だからこそ、全てを背負っていくのは当然のことですわ!!」
「背負う‥‥‥ああ、本当に申し訳ございません」
足りなくとも、その分を別のもので補い、最後まで死力を尽くしていく。
そしてもう間もなく、その動きはゼナに察知されるのであった‥‥‥‥
「だからまとめて呼ぶなって言ってるだろ!!」
「答えておくが、こっちは3体、あっちに2体ほどだ!!」
「分かった!!ゼナ、チェーンガントレットモードでこいつごとぶつけるぞ!!」
「了解デス!!」
あちこちで騎士たちが防衛している中、素早くガントレットに変形し、拳を射出して目の前にいる大きな熊のような魔獣の首根っこをつかみかかる。
「せぇぇのっと!!」
【グォォォォォォ!?】
鎖をビィンっと伸ばし、そのまま勢いよく持ち上げ、熊の巨体は宙を舞う。
そしてその着弾地点には別の熊の魔獣たちがおり、脳天から直撃させた。
ドッゴォォォォォン!!
【【【オグォォォォォ!?】】】
「このままあっちを狙うぞ!!ブレスプラスでソードウイング、ウイングブーメラン!!」
掴んでいたガントレットを切り替え、オッサンズの内オーが押しとどめていた別の魔獣に向けて刃の翼を投げる。
ズッバァァン!!
あっという間に断末魔を上げる間もなく的確に胴体と頭がお別れし、戻って来た翼を再度掴む。
「後はあのデカブツの『マグナムグリズリー』だけだ!!ソードモードで一気に決めるぞ!!」
「準備完了デス!!」
翼が今度は片手に纏わりつき、一本の刃となる。
ただ、これまでのソードモードと比べると、刃の輝きが増しており、より一層切れ味が上がっている。
ざぐぅ!!
【オゲボヨ!?】
「厚い毛皮だろうが、関係ねぇ!!ただ単に、ぶった切るだけだ!!」
貫き、そのまま力任せに横に切り裂き、熊の魔獣は絶命したのであった…‥‥‥
「ふぅ‥‥‥冬季休暇とは言え、まさかこうも魔獣が来るとはな。オッサンズ、助かった」
「いや、そもそも村を守るが、こちらの仕事だ」
「というかフィー、お前の力前より増してないか?結構軽々と投げ飛ばしただろ」
「しかも最後のアレ、えげつない切れ方だったしなぁ‥‥‥」
戦闘を終え、俺たちは一息をついた。
学園の方も冬季休暇に入り、久し振りに村に戻って来たのだが早々にまさかの魔獣襲撃がまた起きていたのである。
幸い、今回は魔剣士たちもあちこちで対応しており、偶然オッサンズと共に戦闘をすることになったがすぐに鎮圧ができた。
‥‥‥正直言って、以前の夏季休暇でも襲撃に遭っていたが、前よりも数も質も低かったなぁ。助かったと言えばそうだけど、こういう手段で来る類は、もうちょっと殲滅する手が欲しい。
「ブレスで一掃をすればいいんじゃないかと考えたが、生憎魔剣じゃないと絶命できないのがもどかしい所だ」
「それ、下手するとこちらも巻き添えにならないか?」
「大丈夫大丈夫、焼き分けできるようになったよ」
「原理的にどうなっているのか不思議ですけれどネ」
竜化のコントロールができるようになりつつ、研鑽を欠かさずに積んでいるのだがいつの間にかブレスでの焼き分けができるようになっていた。
燃やしたいものだけ燃やし、そうでないなら火が付くことも熱を感じることも無いようなブレスを撃てるようになったのである。
そのおかげでより一層戦略が増えたのだが、それでもまだまだ改善する余地があるだろう。
冬季休暇明けの、新入生が来てから少し経っての留学までには、もうちょっとバリュエーションを増やしたいし、ドラゴンとしての力をもっとうまく扱えるようになりたい。
そう思っていると、どうやらもう襲撃が無いか確認も終わったようで、村の警戒態勢が解かれた。
帰ってきて早々の襲撃ではあったが、それでもすぐに撃退が出来るなど、どうやら休暇の幸先はいい方向に転がりそうであった‥‥‥‥
「そう言えば、オッサンズの方は帰って来る前に何か変わったことあったか?」
「ああ、あったぞ」
「ふははは!!聞いて驚け!!」
「桁数がそろそろ4ケタに行くかと言うお見合いを経て…‥‥ようやく、相手が見つかりそうなのだ!!」
「「…‥‥ええええええええええええええええええ!?」」
…‥‥珍しく、ゼナとそろって驚きの悲鳴を上げてしまうのであった。幸先が良いどころか、一気に不明にされたんだが。
え?連敗記録が凄まじいのも驚きだけど、不屈の心で挑み続け、ついに実るのか!?
…‥‥驚愕の声が上がっていた丁度その頃。
村の方に向かって、歩んでいる一団がいた。
「大丈夫かしら?もうすぐ地図では、ドルマリア王国のドップルン地方にある村にたどり着くはずですわ!ですから、もう少しの辛抱よ!」
「で、ですがもう、限界が‥‥‥ここで、命を尽きさせてください」
「もうちょっと頑張りなさい!!これは命令ですわ!!だから皆、急ぐのですわ!!」
ぜぇぜえっと息を荒げつつ、彼らは必死に向かう。
「しかし、姫様の方が先に限界を迎えるのでは‥‥‥全員を、引きずっていくのは流石に無理ですって!!」
「魔剣で無理やり動かしているから、まだ持つはずよ!!上に立つ者だからこそ、全てを背負っていくのは当然のことですわ!!」
「背負う‥‥‥ああ、本当に申し訳ございません」
足りなくとも、その分を別のもので補い、最後まで死力を尽くしていく。
そしてもう間もなく、その動きはゼナに察知されるのであった‥‥‥‥
0
お気に入りに追加
341
あなたにおすすめの小説

器用さんと頑張り屋さんは異世界へ 〜魔剣の正しい作り方〜
白銀六花
ファンタジー
理科室に描かれた魔法陣。
光を放つ床に目を瞑る器用さんと頑張り屋さん。
目を開いてみればそこは異世界だった!
魔法のある世界で赤ちゃん並みの魔力を持つ二人は武器を作る。
あれ?武器作りって楽しいんじゃない?
武器を作って素手で戦う器用さんと、武器を振るって無双する頑張り屋さんの異世界生活。
なろうでも掲載中です。
偏屈な辺境伯爵のメイドに転生しましたが、前世が秋葉原ナンバーワンメイドなので問題ありません
八星 こはく
恋愛
【愛されスキルで溺愛されてみせる!伯爵×ぽんこつメイドの身分差ラブ!】
「私の可愛さで、絶対ご主人様に溺愛させてみせるんだから!」
メイドカフェ激戦区・秋葉原で人気ナンバー1を誇っていた天才メイド・長谷川 咲
しかし、ある日目が覚めると、異世界で別人になっていた!
しかも、貧乏な平民の少女・アリスに生まれ変わった咲は、『使用人も怯えて逃げ出す』と噂の伯爵・ランスロットへの奉公が決まっていたのだ。
使用人としてのスキルなんて咲にはない。
でも、メイドカフェで鍛え上げた『愛され力』ならある。
そう決意し、ランスロットへ仕え始めるのだった。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる