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2章 吹く風既に、台風の目に
2-14 事後処理は偉い人たちに任せるのデス
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‥‥‥ガミガミさんが元に戻って倒れた後、この場は一時解散となった。
生徒会が緊急招集をかけ、教師陣が集まりゆく中、事後処理は上の人がやるということなので、俺たちも一旦無罪放免ということで、寮室に戻った。
「それにしても、魔剣のリスクか‥‥‥考えてみれば、大きな力だからこそ何かあってもおかしくはなかったな」
「まぁ、あそこまでの状態になるのはそうないのですけれどネ。まともに扱えば、防げることでもありますし、代償タイプだからこそ今回のような事態になったとも言えマス」
ゼナの話によれば、今回のガミガミさんのようなケースの発生確率は本来低いらしい。
魔剣は魔獣を屠る力を持つが、その力自体は普段魔剣そのものが使っているので、通常通りに扱えば特に何も起きることはない。
だがしかし、魔剣は主の影響を受けており‥‥‥その通常通りの力以上のものを引き出したり、あるいはその心のありようがおかしくなればリスクが発生するそうだ。
「火や氷などを生み出す属性魔剣型、大斧やモーニングスターなどの剣ではない形をした不定形魔剣型、身に纏うタイプの魔装魔剣型に、代償を必要とする呪いの魔剣型…‥‥その他にも多種な様な魔剣が存在しますが、そのどれもこれも扱い方を間違えなければ何も起きないのですが、間違えた時にリスクを生み出してしまうのデス」
「そうなのか」
「ええ、特に呪いの魔剣型の場合そのリスクの大きさは他の比ではなく、今回のような肉体改造大変貌のようなものよりももっとすさまじい‥‥‥いえ、ちょっとばかり私の知識では言い表せないようなのもありますので、例えなどが出せ無いデス」
なんかさらっと余計にやばいものが出たような気がしなくもないが、それでも普通であればそのリスクは見ることはない。
扱う魔剣士の心のありようや、その力の引き出し方によって起きてしまう事例なので、ガミガミさんのようにまでなることのほうが珍しいようだ。
「一応聞いておくが、ゼナはその中だとどの型になるんだ?」
「私自身としては、どれもこれも混ざった感じだと自覚しているのですが‥‥‥一番近いのは、代償を必要する呪いの魔剣型ですカネ」
「呪いかよ」
「…‥‥私を作った人に、文句を言ってくだサイ。私だって、自分はどのような型なのか自己診断して、結果を見て少し寝込みたくなりましたからネ」
珍しくちょっと面白くなさそうな顔でそう告げるゼナ。
魔剣を作った人とはどこにいるのか?そもそも自己診断とかできるのかというツッコミが出てきたが、ややこしくなりそうなので、一旦放棄した。
「でも、普段はその代償は必要ないだろ?」
「そうデス。必要になればお話ししますが、普段であれば特に何もいりませんからネ。とは言え、リスクの方が今後起きる可能性もあるのデス」
代償云々も気になるが、今一番気になったのはそのリスクの話だ。
普段通りに使用にしていれば問題ないが、所有者である魔剣士の心やその求め方によって生じるというか、ゼナの場合はどのようなものがあるのだろうか。
「もしも私が、ご主人様によってリスクを発生させてしまったら…‥‥起きるのは、『欠落』デス」
「『欠落』?」
「感情、人格、思考…‥‥どれがどうなるのかはまだ不明ですが、リスクが生じている間は何かが失われマス。それがどのような結果を及ぼすのかも、分かっていまセン」
一応、あくまでもリスクが生じている間と告げているので、永遠にそうなるという話ではないらしい。
けれども、真剣な表情で告げてくるあたり、甘く見ないほうがいい類だと忠告をしているのだろう。
「わかった、出来るだけリスクが起きないようにするよ。…‥‥まぁ、そもそも起きるようなこと自体、無いほうが良いんだけどな」
「ええ、そうですネ。意識的に起こす方法もありますが、普段の生活ではほぼ起きることはないでしょウ。それに、ご主人様から何かが失われること自体、私も避けたいのでデス」
道を踏み外さず、より求めすぎず。そうすることで防ぐことが出来るリスク。
「ですが、これだけは覚えていておいてください、ご主人様」
「何だ?」
「私はメイド魔剣…‥ご主人様に忠誠を誓いしモノ。ご主人様がどの様にあれども、その道を踏み外しそうになれば、必ず支えて押しとどめましょウ。けれども、メイド魔剣たるもの、ご主人様のために動き‥‥‥ゆえに、ご主人様がどのようになりたいという想いにも引っ張られる事もあり、ご主人様の思いのままに動くことしかできないことがあるのも、忘れないでくだサイ」
側に居るからこそ、道を正すこともできる。けれども、必ずできるという訳でもなく、俺自身の命令によって動くという心もあり、どうしようもできなくなることがある。
だからこそ、それを忘れないようにと彼女は俺の心に刻むかのように忠告するのであった…‥‥
―――私は、ご主人様の魔剣でもあり、メイドでもあるのデス。
―――だからこそ、メイドたるもの主の道を正すこともあれば、魔剣たるもの主の願いを叶える事もありマス。
―――そしてその天秤は今もなお不安定であり、どうしたらいいのか悩むこともあるのデス‥‥‥
生徒会が緊急招集をかけ、教師陣が集まりゆく中、事後処理は上の人がやるということなので、俺たちも一旦無罪放免ということで、寮室に戻った。
「それにしても、魔剣のリスクか‥‥‥考えてみれば、大きな力だからこそ何かあってもおかしくはなかったな」
「まぁ、あそこまでの状態になるのはそうないのですけれどネ。まともに扱えば、防げることでもありますし、代償タイプだからこそ今回のような事態になったとも言えマス」
ゼナの話によれば、今回のガミガミさんのようなケースの発生確率は本来低いらしい。
魔剣は魔獣を屠る力を持つが、その力自体は普段魔剣そのものが使っているので、通常通りに扱えば特に何も起きることはない。
だがしかし、魔剣は主の影響を受けており‥‥‥その通常通りの力以上のものを引き出したり、あるいはその心のありようがおかしくなればリスクが発生するそうだ。
「火や氷などを生み出す属性魔剣型、大斧やモーニングスターなどの剣ではない形をした不定形魔剣型、身に纏うタイプの魔装魔剣型に、代償を必要とする呪いの魔剣型…‥‥その他にも多種な様な魔剣が存在しますが、そのどれもこれも扱い方を間違えなければ何も起きないのですが、間違えた時にリスクを生み出してしまうのデス」
「そうなのか」
「ええ、特に呪いの魔剣型の場合そのリスクの大きさは他の比ではなく、今回のような肉体改造大変貌のようなものよりももっとすさまじい‥‥‥いえ、ちょっとばかり私の知識では言い表せないようなのもありますので、例えなどが出せ無いデス」
なんかさらっと余計にやばいものが出たような気がしなくもないが、それでも普通であればそのリスクは見ることはない。
扱う魔剣士の心のありようや、その力の引き出し方によって起きてしまう事例なので、ガミガミさんのようにまでなることのほうが珍しいようだ。
「一応聞いておくが、ゼナはその中だとどの型になるんだ?」
「私自身としては、どれもこれも混ざった感じだと自覚しているのですが‥‥‥一番近いのは、代償を必要する呪いの魔剣型ですカネ」
「呪いかよ」
「…‥‥私を作った人に、文句を言ってくだサイ。私だって、自分はどのような型なのか自己診断して、結果を見て少し寝込みたくなりましたからネ」
珍しくちょっと面白くなさそうな顔でそう告げるゼナ。
魔剣を作った人とはどこにいるのか?そもそも自己診断とかできるのかというツッコミが出てきたが、ややこしくなりそうなので、一旦放棄した。
「でも、普段はその代償は必要ないだろ?」
「そうデス。必要になればお話ししますが、普段であれば特に何もいりませんからネ。とは言え、リスクの方が今後起きる可能性もあるのデス」
代償云々も気になるが、今一番気になったのはそのリスクの話だ。
普段通りに使用にしていれば問題ないが、所有者である魔剣士の心やその求め方によって生じるというか、ゼナの場合はどのようなものがあるのだろうか。
「もしも私が、ご主人様によってリスクを発生させてしまったら…‥‥起きるのは、『欠落』デス」
「『欠落』?」
「感情、人格、思考…‥‥どれがどうなるのかはまだ不明ですが、リスクが生じている間は何かが失われマス。それがどのような結果を及ぼすのかも、分かっていまセン」
一応、あくまでもリスクが生じている間と告げているので、永遠にそうなるという話ではないらしい。
けれども、真剣な表情で告げてくるあたり、甘く見ないほうがいい類だと忠告をしているのだろう。
「わかった、出来るだけリスクが起きないようにするよ。…‥‥まぁ、そもそも起きるようなこと自体、無いほうが良いんだけどな」
「ええ、そうですネ。意識的に起こす方法もありますが、普段の生活ではほぼ起きることはないでしょウ。それに、ご主人様から何かが失われること自体、私も避けたいのでデス」
道を踏み外さず、より求めすぎず。そうすることで防ぐことが出来るリスク。
「ですが、これだけは覚えていておいてください、ご主人様」
「何だ?」
「私はメイド魔剣…‥ご主人様に忠誠を誓いしモノ。ご主人様がどの様にあれども、その道を踏み外しそうになれば、必ず支えて押しとどめましょウ。けれども、メイド魔剣たるもの、ご主人様のために動き‥‥‥ゆえに、ご主人様がどのようになりたいという想いにも引っ張られる事もあり、ご主人様の思いのままに動くことしかできないことがあるのも、忘れないでくだサイ」
側に居るからこそ、道を正すこともできる。けれども、必ずできるという訳でもなく、俺自身の命令によって動くという心もあり、どうしようもできなくなることがある。
だからこそ、それを忘れないようにと彼女は俺の心に刻むかのように忠告するのであった…‥‥
―――私は、ご主人様の魔剣でもあり、メイドでもあるのデス。
―――だからこそ、メイドたるもの主の道を正すこともあれば、魔剣たるもの主の願いを叶える事もありマス。
―――そしてその天秤は今もなお不安定であり、どうしたらいいのか悩むこともあるのデス‥‥‥
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